第131話 魂同士の繋がり
遅くなってすみません!
同じ魂→魂同市の繋がり と変更しました。
少し明日の予定部分を訂正しました。
ギルドからの帰り道、奴隷商へと立ち寄ってみたのだが、もう店は閉まっていた。
今の時間は21時を少し過ぎた頃であり、当然と言えば当然である。
もし空いてたら今日の内に…と思っていたのだが、どうやらそれは無理そうなので、ティリアとの主従契約は、明日ギルドに行く前に済まそうという事となった。
その後、俺達は宿へ戻り中に入る、すると受付に座っていたエシリアに「お連れ様は先に部屋に戻ってますよ」と教えてもらうと、新しく増えたティリアの1泊分の料金を払い、2階の借りている2部屋の内の一つ、待機組の部屋へと足を運んだ。
部屋に戻りミール達と合流すると、ミリーが「お腹がすいたので食事にしましょう」と提案し、それに皆も同意する。
本来なら街に戻るなり、さっさとギルドに報告を済ませてしまい、宿に戻って食べるという予定だったのだが、モンスターの襲来というハプニングのせいで食い損ねてしまい、レイ以外の皆は当然空腹状態である。
皆揃って1階の酒場兼食堂へと向かい、いつもの席に座ると、猫耳のウェイトレスが人数分の水を持って来てくれた。
それから少しの間、皆と他愛の無い話をしながら待っていると、8人前の日替わり定食と、サラとディー用の肉料理が運ばれて来た。
この8人分とは、俺、ミール、ノア、シア、ミリー、エル、レイ、ティリア、の8人である。
あれだけ襲って来ていたモンスターを食べていたはずなのに、まだ食べるらしい。
一体あの体の何処に入っているのだろうか?
それはさておき、空腹という最高の調味料に加え、見た目通りの美味しい料理の数々に舌鼓を打ちながら食事は進んで行く。
そして、全ての料理を満足いくまで食べ終えた俺達は、再び待機組用の部屋へと戻った。
「料理美味しかったね、姉さん」
「そうね、お腹ペコペコだったから、余計に美味しく感じられたわ」
部屋に戻るなり、入り口から一番近くにあったベットに縁に座っていたノアとシアは、二人揃って食べ過ぎたとお腹をさすりながら話ていた。
その隣りのベッドの中央にはサラとディーが揃って仰向けになり、食べ過ぎて大きくなったお腹をさすっており、そのベッドの縁にはミールとレイが腰かけている。
そして俺、ミリー、エル、ティリアの4人は部屋の中央にあるテーブルのイスに座り、俺は同じテーブルに座る4人が満足げな表情になっているのを、微笑ましく思いながら見ていた。
「あの、一つ宜しいでしょうか?」
同じテーブルに座っていたティリアが話しかけて来た。
「何?」
「私は今夜どちらの部屋に泊まればよろしいのでしょうか?」
ティリアには、部屋を二つ借りている事を話してはいるが、今いる部屋が俺と一緒に寝ない人達用だという事は伝えていない。
「ああ、今いるこの部屋で寝てくれ。こっちの部屋はミール、ミリー、エル、レイ、それとサラとディーが一緒だ」
「わかりました」
「あの、ナツキ様?明日の予定はどうしましょう?」」
次に質問してきたのはミールだった。
他の皆もそれが気になる様で、先程まで思い思いに休んでいたのが嘘の様に、全員が俺の返事を聞こうと俺の方を見ていた。
「明日は午前中にティリアとの契約と、土産選びをしようと思ってる。
で、午後にギルドに行って報酬を受け取って、その後オルリア村に向けて帰ろうと思うんだけど、そんな感じでいいかな?」
皆にも今話した予定で良いかと確認してみたところ、誰も否定する様子も無く、肯定する返事が返って来たので明日の予定はこれで決まりとなった。
その後は特に他からの質問も無く、程よく食休みも取れたところで、俺は今夜一緒に寝る予定のノアとシアを連れ、待機組の部屋の皆に挨拶をし、部屋を後にした。
寝る前に体を拭きたいので、部屋に直接戻る前に1階の受付に向かいエシリアにお湯を頼み受け取ると、もう一つ借りている奥側の部屋にもお湯を届けてほしいとお願いし、部屋へと戻る。
「さぁ主様、ボクと姉さんが愛を込めて体を拭いてあげるからね」
お湯をもって部屋に戻るなり、シアがそう言いながら俺の服を脱がしにかかる。
それを見てノアもシアを手伝い始める。
但し、脱がしにかかっている二人は、どこか飢えた獣の様な目をしている。
今夜は女神様に呼ばれる予定なので、早めには寝ようと思っているのだが…寝れるのだろうか?と、そんな心配をする程である。
そしてされるがままに事は運び、その夜、二人が満足するまで、頑張り続けるたのである。
「ナツキさん、なんだか少し窶れていません?」
漸く眠りに就けるなり、狭間の世界へと呼ばれた俺を見た女神モイラは、開口一番、心配そうにそう尋ねて来た。
「大丈夫ですとも、ちょっと二人の肉食エルフの食欲が激しかっただけですから」
先程までの行為を思い出しながら、弱々しい声で俺は答える。
「え?」
「いえ、何でもないです。それで?今日呼ばれたのはどういった要件でしょう?」
「あ、はい。実はですね、[世界を蝕む闇]に植え付けられたスキルの影響が、ナツキさんの魂と繋がっている世界樹の苗の方にも出てしまったので、その対策を取る為にお呼びしたのです」
「対策?っていうか俺と世界樹の苗の魂って繋がってたの!?」
知らなかった情報に驚き、つい大声で聞き返してしまい、それを聞いた女神モイラは驚いたようだ。
「え、ええ。前にもご説明した通り、この世界樹の苗はアルカレイドに生きる人々の幸福な気持ちを栄養とし、成長していきます。
その栄養となる幸福な気持ちは、一度ナツキさんの元へと集まり、魂を経由し、それから世界樹の苗へと送らる仕組みになっているのです。
しかし、今回はその仕組みが仇になり、[世界を蝕む闇]に付けられた負のスキルの影響が、ナツキさんの魂を経由し、世界樹の苗まで流れてしまったのです」
真剣な表情で説明する女神モイラの姿に、俺は世界樹の苗がどんな影響を受けてしまったのかと心配になり、俺の腰あたりまで成長していた世界樹の苗の様子を伺っていた。
次回 第132話 影響




