第12話 何かの影
途中をばっさりと切り抜きましたので、すっごく短くなってしまいました。
町に付いたのは空が暗くなり始めていた、まずはギルド向い依頼の報告を済ませ終えると、もはや専用受付となりつつあったコロンから、ハスマが俺達が戻りしだい部屋に来て欲しいという伝言を聞き、俺達4人はギルドマスターの部屋へと向った。
「おぉナツキよ、良く来てくれた、って・・・ん?新しい仲間が増えたみたいだな」
「ええ、昨日から一緒のパーティーとなったノアとシアです」
新しい仲間の二人を紹介すると、二人は軽く頭を下げた。
「ほほう、ワシはギルドマスターのハスマ=ローエルだ・・・さて、おまえさんの強さを見込んで、是非受けて欲しい依頼があるんだが」
「えと、どういう依頼なんです?」
「うむ、とりあえず詳しい事は依頼主から聞いて欲しい」
「はぁ、で、依頼主はどちらに?」
「・・・城だ」
「城、ですか?」
「うむ、つまり国王様からの依頼だ」
おいおい、国王から依頼の依頼って・・・
冒険者になってまだ数日しか経ってない俺に普通頼まないだろ
「しかし、俺は冒険者になってから日が浅いんですよ?そんなのに任せていいんですか?」
「なぁにお前さんの強さは知っているからこそ頼んでおるんだ」
「はぁ、そう言って貰えるのは嬉しいのですが・・・期待に答えれるかどうか判りませんよ?」
「なーに、きっとお主なら大丈夫じゃろ、さぁさぁ、受付で依頼の受理をして今から城へ行ってこい」
「って今から!?」
「うむ、急ぎの用らしいのだ」
こうして俺達4人はギルドマスターの部屋から出ると、再びコロンの元へ行き、依頼の受理をしてもらい紹介状を受け取った。
その時のコロンが「さすが一閃のナツキさん・・・国の依頼にハスマ様から指名されるなんて」と言っていたので「一閃のってなんでしょう?」って聞くと、
ゴブリンジェネラルを一撃で倒した瞬間を見ていたパーティの奴らが、そんな風に見えたと話した事からつけられた二つ名だと言う事らしい。
まったく、中二病くさいあだ名はやめて欲しいものだ・・・
「さすがナツキ様です!もう噂が広まって二つ名までついてるなんてすごい事ですよ!」
ギルドから出ると、なぜか尻尾をブンブン振りながらミールが褒めてくる。
なぜそんなに嬉しそうに言ってるのか判らないが、喜んでいるミールが可愛いくみえた。
いや、元々が可愛いけどさ!
「二つ名がつくのがそんなにすごいのか?」
「ええ、とてもすごい事ですよ、冒険者で二つ名があるというのは、余程の功績か強さがあると周囲に認められたという事になります」
「正直恥ずかしいだけなんだが・・・」
噂が広まってしまってる以上もう手遅れなのだ、ならもう考えるだけ無駄だ
だから考えないようにするのが一番だな、
「まぁそんな事はいいか、それよりさっさと城へ行って話しを聞こうか」
お城は噴水広場から北に向ったところの貴族が住む住宅が左右に立ち並んでいる道をずっと進んだ場所にある。
今まで何度も視界には入っていたのだが、自分にはまったく関係の無い場所だと思っていたのだが、まさか依頼を受けに行く事になるとは・・・
とりあえず城へ向うため、噴水広場を通り町の北側に向かう、少し進むと大きな門があり、その先は通称貴族街と言われている。
そこは門から城までまっすぐ大きな道があり、道の左右には大きく立派な建物が並んでいる、そのどれも『家』ではなく『屋敷』と表現するほうが正しいのではないのだろうか
俺達は場違に思えて仕方ないが、ここを通らないと城にはいけないので堂々その道を歩いていく。
もし貴族にいちゃもんつけられても、ギルドの紹介状を見せればきっと平気だろう。
そして城の入り口である大きな門が見えてきた時、城の向こう側にそびえる山の方で月明かりではっきりとは見えなかったのだが、なにか大きな影が降りていくのが一瞬見えた気がした。
(何だ今のは?何かが見えたような・・・)
「あの、ナツキ様どうかしましたか?」
突然立ち止まった俺をみて、ミールも俺の視線の先をみるながら聞いてくるが
「いや、なんでもない、さぁ早く行こう」
再び門へと歩きだし、入り口へ辿り着くと兵士が一人こちらへ向かってきた。
「止まれ、お前達城に何の用だ?」
「あの、ギルドで依頼をうけ、国王様に詳しい話を聞きに参りました、これがその紹介状です。」
兵士に紹介状を渡すと、中を確認してもらうと、突然態度が180度変わったように敬礼をする。
「あ、貴方が一閃のナツキ様でしたか!お話は聞いています、少しお待ちください!」
そういって兵士が城の中に入っていくと、少しして戻ってきた。
「さぁ、どうぞ!中へお入りください」
そう言われ扉をくぐる
入ってすぐのエントランスホールは目の前に大きな2Fへの階段があり、その階段には金の刺繍が施されたカーペットが敷かれており、すごくゴージャスな感じがする。
階段の途中で左右に分かれており、その正面には王様の肖像画が飾ってあった。
そんなエントランスホールの中央に、琥珀色の瞳に銀色の髪は肩辺りで切りそろえられており、その頂にはヘッドドレスが乗っている、その女性、というよりも少女と言ったほうがいいかな?見た目は14か5位のメイドが頭を下げて出迎えてくれたのだった。
「ようこそいらっしゃいました、私は本日皆様のご案内に選ばれましたメイドのタリアと申します、どうぞよろしくお願い致します。」
元の世界にあるメイド喫茶などの物とは違う、本物のメイドさんだ。
さすが本物だ、礼儀や姿勢のどちらもすばらしいものだった
「さぁ、こちらへどうぞ」
そう言ってタリアに案内され、一際大きい扉の前へと着いたのである。
次回 第13話 守護神の巫女