第127話 闇のフェロモン~後半~
漸く掛けて、いざ投稿しようと思ったら、鯖が落ちてた!
待つこと約2分。
カウンターの向こう側の扉が開かれ、ミタニカが受付へと戻って来た。
「お待たせしました。ギルドマスターがお待ちですので、こちらにどうぞ」
そう言って俺達はミタニカに案内してもらい、受付の奥にある扉から廊下へと移動し、そのまま一番奥にあるギルドマスターの部屋の前へとやって来た。
コンコン
「ナツキ様達をお連れしました」
扉の向こうから「入れ」とゴルドの声が聞こえると、ミタニカが扉を開き中へと入る。
俺達もミタニカに続き室内に入ると、顔の左側に大きな傷のあるオッサン、もといギルドマスターのゴルドが奥の机で書類に目を通していた。
「よく無事に戻ってきてくれた!早速報告を聞きたいところだが、すこしばかり待ってくれ」
書類に目を向けたままそう言うと、俺達はミタニカからソファーにでも座わっていて下さいと勧められ、そうすることにすると、ミタニカは一度退室し、お茶を持ってきてくれた。
それから暫しの間、俺達は揃って書類に目を通しながら厳つい顔をしかめ、時には「ほぉ」と小さく声を漏らしながら驚きの表情を見せるゴルドの様子を、チラチラと横目で見ながらミタニカが淹れてきてくれたお茶を啜っていると、漸く全ての書類を見終わったらいしく、ゴルドが席を立ち、俺達の座るソファーへと向かって来た。
「待たせてすまんな」
「いえいえ、お疲れ様です、ゴルドさん」
「さて、それでは報告を聞かせてもらいたいのだが・・・ミタニカ、お前は何時まで仕事をサボる気だ?早く戻らんか!」
自然に俺達と一緒に座りお茶を飲んでいたミタニカは、バレた!と言わんばかりの表情でサッと立ち上がり、早口で失礼しました!と言い残し、部屋から出ていった。
俺のイメージでは真面目タイプだと思っていたのだが、どうやらそうでもない様だ。
「さて、それじゃあナツキよ、報告を聞かせてもらえるか?」
ゴルドは「はぁ」と呆れたようにため息を吐いたかと思うと、気を取り直し俺に報告を求めた。
そんな様子に、俺は「ははっ」と乾いた笑いで反応し、今日の昼からの行動について報告していく。
盗賊のアジトがジャイアントシェルの殼の中に有った事、その殼は周りの景色に同化するような色をしており、見つけ辛くなっていた事。
そして盗賊は全部で8人でありその全てを殺した事を報告し、最後に、奴隷であるティリアが捕らえられていたので保護したのだが、ティリアが以前はエルに使えていたメイドだったという事なので、俺が引き取るつもりであると、強く主張しておいた。
途中、盗賊達の部分について報告する際、どれほどの強さだったのかと質問されたのだが、[世界を蝕む闇]に関係する部分については報告するつもりはないので、[世界を蝕む闇]に体を乗っ取られていた盗賊達は、ただ単にその誰もが強かったという風に報告しておいた。
「以上が今日行った盗賊討伐についての報告です」
「ふむ、報告ご苦労だった。今聞いた事はワシが報告書に纏め、国王に提出しておこう」
冒険者ギルドにある依頼というのは、完了すると報告書に纏め、最後には国王へと提出されるらしい。
それを今知った俺は、これまで大量に国王の元に届いていたであろう報告書の事を想像し、うんざりする。
「本来なら報酬をと言うところなのだが、この依頼は国王に報告せねば報酬は出せない事になっておってな、早くても明日の午後になる。
なのでーーー」
ドンドン!
「た、大変です!」
ハスマの話を遮るように、扉が強く叩かれる音が聞こえたかと思うと、返事を待つ事も無く、扉を叩いた人物、ミタニカが部屋へと入って来た。
「そんなに慌ててどうした?」
かなり困惑した様子のミタニカにゴルドは問いかけると、ミタニカからとんでもない事が報告された。
「街の西側からオークの群れが!後、南方面からもモンスターの群れがこの街に向かって来ているそうです!」
「なんじゃと!?」
その内容に驚き、大声をだしたゴルド。
もちろん一緒に聞いた俺達もその内容には驚いていた。
流石はギルドマスターと言うべきか、こういう緊急時に対しての反応は早く、ソファーから立ち上がるなりミタニカに集めれるだけの冒険者を集めるよう指示を出す。
それを聞いたミタニカは、言われるままに急ぎ部屋を出て行った。
そんな緊張溢れる室内で、俺の頭の上に載っていたサラから衝撃の一言がもたらされた。
「ねぇ、ナツキ?この騒動の原因ってさ、ナツキのステータスに増えてるソレが原因じゃないの?」
「え!?」
俺はゴルドに背を向けて見えない様にすると、すぐさまステータスを開き目を通していくと…
スキルの最後に[闇のフェロモン]という項目が増えているのを発見したのだった。
次回 第128話 赤と青と白
腰、未だに完治してないっス。
そして普通に座ってると左のお尻が痛いの!
。・゜・(ノД`)・゜・。