第119話 内部探索
118話のタイトルとと今回予定してたタイトル変更しました。
最後の部分、少し訂正しました。
内部に入ると、そこには人工的な構造となっていた。
木々で足場が作られており、壁となる殻には、松明が設置されている。
明らかにアジト的な雰囲気だ。
もうこの殻の中が盗賊のアジトって事で、殻ごと吹っ飛ばしてもいいんじゃないかな?
「ねぇナツキ?物騒な事考えるのやめよ?」
「何のことだ?」
サラに考えていたことを見透かされた様だが、とりあえず恍けておこう。
「ヌシ様、声に出てましたよ?それに、そんなに嫌そうな表情をしてたら、早くここから出たいという事位分かます」
恍けても無駄の様だ。
「だってどう見てもここアジトって雰囲気だろ?ならもうコレごと吹っ飛ばしたんでいいんじゃないの?」
「ナツキ様、盗賊共を捕らえておいて、ギルドに報告が済んだあと奴隷商に引き渡せばお金になりますよ?」
「全員!盗賊を一人も殺さずに捕らえるんだ!殺しさえしなければどんな怪我をさせても良いぞ!」
ミールの助言に俺のやる気は最高潮!
盗賊の存在=お金になる!
ならば今後は自主的に盗賊退治をするのも良いかもしれない。
お金になると聞いてやる気を出した俺の姿に、皆が苦笑いを浮かべたり、呆れたりしている。
お金は必要なんだからしかたないじゃないか。
やる気になった俺は奥へと足を進める。
外から見た感じ、この殻のサイズは高さ7.8メートル程の高さ、つまり2階建て位の高さに、横幅の直径が約14・5m程の巻貝タイプ。
だからすぐに奥へ辿り着く事だろう。
周囲の様子を伺いながら俺達はゆっくりと進んで行く。
内部構造は、殻の入り口から入って数m程、殻の外側に沿って渦巻き状の通路があり、殻の中央部分と思われる場所には、高さ4mの位置に木で作られた天井が存在する。
きっと上に2階となる場所が作られているだろう。
他にも、この1階層となる部分には、いくつかの小部屋らしきものが作られている。
幾つかある小部屋の一つを選び、中に人の気配が無い事を確認し、そっと扉を開き中を覗くと、そこには武器や道具等が置かれているのが見える。
とりあえずここにある物は全て頂いておくとしよう。
剣や短剣、槍に弓、他にもロープや食料等、目につく物を次々とアイテムボックスの中へと仕舞っていく。
全てを奪い終え部屋から出る。
そして次の部屋へと足を踏み出したところで、ミールに服を掴まれ振り返ると。
「ナツキ様、あそこの部屋、人が居るようです。
それに、この匂いは多分…」
俺達の居る先に見える部屋を指さすミールは、耳と尻尾をシュンと垂れ下げ、その表情には嫌悪感が漂っていた。
次回 第120話 奴らの奪った大切なモノ
前書きに書いている訂正の内容は、人の気配を3人から1人に減らしました。