第115話 小屋完成!…小屋?~前編~
なんだか書いてたら段々と長くなってきたので、前後編にさせてもらいました。
Aランクパーティが行方不明になって8日目になってましたが。
正しくは9日目の間違いだったので訂正しました。
一部この文章はおかしいのでは?というアドバイスをいただき、訂正しました。
多分マシになったはず!
(最後の方の、ゴルドが盗賊の一件についての内容を語るシーンの所です)
ミリーの髪をセットし終えた後、隣の部屋へと移動し、既に起きておしゃべりしていたノア達と挨拶をした俺達は、こちらの部屋のメンバー達の髪も手を抜くことなく素早くセットして行き、その後全員そろって朝食を食べに酒場へと向かう。
酒場に向かうと、そこにはエシリアの姿は無い。
まぁそれは当然だろう、なんせ昨日の夜は受付で番をしていたのだから、今頃休んでいるはずだ。
いつもの席に座り、何度か見たことあるウェイトレスに声をかけ朝食を頼んだのだが、流石に朝食の時間帯を超えてしまっていた為、申し訳なさそうに断られてしまった。
起きるのが遅かった自分が悪いので、仕方なく普通に客として料金を払い、普通の昼食を食べる事に。
相変わらず周囲からの視線を感じながらの食事となったが、今はもう慣れたので気にもならなくなった。
食事が終わると、俺達は昨日リカルト王と約束した盗賊退治の依頼を受ける為、ギルドへと向かう。
そしてギルドへと辿り着き中へ入ると、いつもの受付の女性を見つけ、そちらへと足を進める。
「すみません、盗賊討伐の件をリカルト王に聞いて来たのですが」
「お待ちしておりました。その件についてはギルドマスターからお話しされるそうなので、ナツキ様達が来たら部屋まで通す様にと仰せつかっております。
ご案内致しますので、こちらへどうぞ」
受付の女性に案内され、ギルドマスターの部屋へと向かう。
受付の奥に続く廊下の先へと進んで行き、受付の女性が一つの扉の前で立ち止まり、戸を軽くノックする。
「入れ」
部屋の中から低い声で返事があり、受付の女性が戸を開いた。
「失礼します。ナツキ様御一行をお連れしました」
「うむ、ご苦労。ミタニカは受付の業務に戻ってよいぞ」
「わかりました。それでは失礼します」
数回程受付で顔を合わせていた女性はミタニカという名前らしい。
そんな彼女は声の主に向かい一礼し、受付の業務へと戻って行く。
「よく来てくれたナツキ達よ、とりあえずそこに掛けてくれ」
部屋の奥のイスに座っていた、顔の左に大きな傷跡を付けたオッサン、もといギルドマスターのゴルドに笑顔で迎えられ、俺達は勧められるままにソファーへと腰かける。
前までならミール達は俺の後ろに並んで立っていただろうが、フレムスト王国のギルドマスターの部屋での一件があったおかげか、今回は何も言うまでも無くミール達も俺の座るソファーへと一緒に腰かけていた。
「リカルト王から今朝早くに使いが来て聞いたが、例の盗賊討伐の件、引き受けてくれるそうだな?」
「はい。そのつもりで今日はここへ来ました」
「ありがとう。では早速だが、今分かっている事を説明しよう」
そう言って説明を始めたゴルドから聞かされた内容とは、盗賊達はこの王都からゼーベの街までの間の様々な場所で出没しており、その活動している範囲の広さ故、未だ盗賊達のアジトを見つける事は出来ていないままだという。
そして、そんな神出鬼没な盗賊達は、不思議な事にその場に居る者すべてを殺そうとはするのだが、ある程度の距離を逃げると何故かそれ以上は追って来る事は無いらしい。
まぁ、そのおかげでギルドはゼーベとの間で盗賊が出没する、という情報を入手する事が出来たのだ。
俺はこの内容を聞き、多分その盗賊達は獲物を深追いしないタイプの盗賊なのだろうと考えた。
「既にこの一件を受け討伐に向かったAランクパーティが居たのだが、街を出て早9日、未だにゼーベのギルドにも、この王都のギルドにもそのパーティからの盗賊達を見つけた、もしくは討伐したという報告はもちろん、彼等の姿さえ見たという報告は入っておらん。
多分、彼らは例の盗賊共の手に…」
ゴルドはそう言って顔を下げ、首を小さく左右に振る。
そして再び顔を上げ、俺を真っすぐ見据え、再び口を開いた。
「兎に角、Aランクパーティですら解決できない程、相手はかなりの手練れらしい。
フレムスト王国のギルドからナツキ殿達の強さはかなりのものだと聞き及んでいるが、油断の無いよう気を付けて向かってほしい」
フレムスト王国からどんな内容を聞いたのか少し気になるが、真面目な話をしているので、とりあえずその件はフレムスト王国のギルドに戻ってから直接聞いてみるとしよう。
「はい。それでは早速出発しようと思います」
「うむ。おっと、その前にこの依頼の手続きをしておいてくれ」
そう言ってゴルドはソファーから立ち上がり、部屋の奥にある机から一枚の紙を取り出すとそれをもって俺の元へと戻り差し出してきた。
俺はソファーから立ち上がり、それを受け取り内容を見てみると、受け取った紙は指名依頼書であり、最初に依頼内容が掛かれ、その下にこの依頼に対する報酬が3万コルと、盗賊達のアジトにある物資のすべてと書かれてある。
そして更にその下には、この依頼を受けてもらう相手の名前、つまり俺の名前が書かれてあった。
「それを、先程ここまで案内して来たミタニカに提出すれば手続きを済ませてくれるはずだ」
「わかりました。それでは失礼します」
こうして俺達は、ギルドマスターの部屋を後にし、受付でミタニカに手続きを済ませてもらい、盗賊退治へと出発した。
次回 第116話 小屋完成!…小屋?~後編~
1話あたりの文字数を2400前後を予定しているのですが、今回の話で予定していたシーンまで書いてたら4000文字超えそうなのと、登校日が更に遅くなってしまいそうだったので、分けました!




