第113話 フローリアの内心
遅くなってすみませんでした!
一部訂正と修正しました。
今朝、ヨーゼル兄様がナツキ様にご迷惑をおかけしたお詫びにと、今夜のお食事にお招きする事となりました。
現在、この食事会の場にいる私とお父様はナツキ様との面識があるのですが、第一王妃であるトリニア母様と第二王妃のキュリア母様のお二人は初対面です。
母様達、前回ナツキ様がお城にいる間にお会い出来なかったから、今日会えるがすごく楽しみだと言っていました。
あっ!因みにお父様の右手側に座っている、おっとりした方が私の母であるトリニア=ラース=アクルーンです。
そして反対側に座っている凛々しい方はヨーゼル兄様の母であるキュリア=ラース=アクルーン。
つまり私とヨーゼルお兄様は腹違いの兄妹です。
食堂で私達がナツキ様達の到着を待っていると、食堂の扉がノックされ1人の兵やってきました。
その兵がお父様の元へ近づき報告をしたのですが、その内容によると、現在ナツキ様達は兵の宿舎の裏にある訓練場にて、お兄様のお仕置き中だそうです。
まだお料理の準備の方も出来ていない様ですし、丁度よかったのかもしれません。
ですが、ヨーゼル兄様には困ったものです!
下手にナツキ様を怒らせてしまったらどうするつもりだったのでしょう?
もし、お兄様へのお仕置きだけでナツキ様の気が済まなかったら、この身を差し出してお詫びする位しかないのですよ?
それでもご機嫌が直るかどうかも分からないというのに・・・
少しは後の事を考えてもらいたいものです。
ナツキ様の現在のご様子を知り、私はそんな事を思いながら料理の完成と食事会が始まる時をじっと待つ事に。
兵の報告からしばらくの時が過ぎ、一人のメイドがお父様の元へと近づきお料理が完成した事を報告すると、お父様は兵を呼び出しナツキ様を呼んでくるよう伝えていました。
兵はすぐに食堂を出て行きしばらくの間待っていると、ナツキ様達が到着したらしく扉が開かれます。
開かれた扉の向こうには、グッタリしたヨーゼル兄様を肩に担いだウォーリーさんの姿があり、その後ろにナツキ様達の姿がありました。
いつもならウォーリーさんのお仕置き程度ではへこたれたりしないヨーゼル兄様が、あれ程までにボロボロになるなんて、今日のお仕置きはよっぽどキツイものだったのでしょうか?
まぁ、そんな事は良いとして、ナツキ様の表情がとても清々しい感じになっているという事は、きっとお許し下さったのでしょう。
一安心です。
「お待たせして申し訳ありません陛下!ナツキ殿達をお連れしました」
「ご苦労。ヨーゼルはそこのイスにでも座らせておいてくれ」
前々から問題のあるヨーゼル兄様でしたが、ついにお父様にソレ呼ばわりされるようになってしまったようです。
しかたないですよね、ウンディーネ様と契約なされたナツキ様に手を出すという愚かなことをしたんですもの。
キュリア母様の隣の席にヨーゼル兄様は降ろされ、ウォーリーさんが下がりると同時に、お父様はナツキ様達に座っていただく様に勧めました。
そして全員が席に座り終えたところで、メイド達によりお料理が次々と運ばれ、お食事会が始まったのです。
普段はマナーに気を使いながら静かに食事をするのですが、今日はいつもと違い、ナツキ様達とお話しをしながら食事をしました。
最初は今日初めてナツキ様達と顔を合わせる母様達の紹介をし、その後お父様からナツキ様達へ今朝の件についてお詫び申し上げました。
「今朝の事は気にしないで下さい、先程ある程度お仕置きさせてもらいましたから」
どうやらナツキ様自らヨーゼル兄様にお仕置きをされ、気が済んだようです。
これで私の身を捧げる必要はなさそうですね。
よかった。
「なるほど、通りでヨーゼルがいつものウォーリーの仕置き以上にボロボロになっていたわけだ」
「あ、でも一応この食事の後にもう一度お仕置きさせてもらうつもりですが、良いですよね?」
訂正します、どうやらナツキ様はまだヨーゼル兄様をお許しになられてなかったようです。
ニコニコ笑顔でお父様に尋ねるナツキ様ですが、あの笑顔がとても怖いです!
お父様もナツキ様のあの笑顔にタジタジになりながらも、食後のヨーゼル兄様へのお仕置きに了承してたのです。
ヨーゼル兄様は、今夜を生き残れるのでしょうか?
これには私も流石にヨーゼル兄様が少し哀れに思えてきました。
その後、ナツキ様の行ったお仕置きの内容の話になり、様々な体術のお話を聞かせていただきながら食事会は続いたのですが、テーブルの上のお料理が残り少なくなった頃、お父様は困惑の表情を浮かべながら、ナツキ様に話しをし始めました。
次回 第114話 あればいいなと思って!