第104話 ミリーとエルの訓練
なんか、忘れてるなと思い、最後の辺りを訂正しました。
あとお昼も食べてなかったので、コッソリと追加しました
「ミリーとエル以外は好きにしててくれ。
ただ、後で手伝ってもらう事とかあるから、あまり離れた場所にはいかない様にな」
ミール、ノア、シア、レイ、サラ、ディーは返事をするなり少し離れた場所へと移動し、各々は昼寝やおしゃべり等と自由時間を満喫し始める。
とりあえず初めの内は皆に手伝ってもらう事は無いだろう。
だからその時が来るまでは好きにさせておいてあげよう。
「さて!それじゃミリー、エル、二人の訓練を始めるぞ~」
「「はい!」」
二人はやる気を示す様返事をするのだが、俺はもう少し考えるべきだった。
今日の二人は、色違いのワンピースタイプの服装という、あきらかに運動に向いていない服装である。
因みにミリーが白で、エルは薄い緑だ。
そんな二人に、まず最初にすべき訓練の内容について説明する。
「最初は力のコントロールだ」
イマイチよくわからないらしく、ミリーとエルの二人は、お互いの顔を見ながら首を傾げる。
それもそのはず、二人には今日の訓練をするまでは、絶対に走ったり力を込めるような事をしない様にと言い付けておいたのだ。
流石に街中や建物の中で二人の常識外れの力を扱いきれず、周囲に被害を出してしまわない様にする為だ。
まぁそうは言っても、この二人は元は一国の王女というだけはあり、その動きはお淑やかなものだった。
おかげで、現在までは何も問題は起こったりしていない。
「そうだな、とりあえず今自分がどんな風になっているかを知る方が良いか…よし!ミリー、あっちに向かって軽く走ってみてくれ。」
そう言って俺は森側ではなく、木の無い平原の方を指し示す。
森の方に走らせると、きっと俺やミールが体験した事を再現させてしまうからだ。
「軽く、ですか?分かりました」
そう言ってミリーは走りだそうとし、最初の一歩目を踏むかと思いきや、思いっきりズッコケた。
それはもう見事に顔からズサーと。
ついでに純白のパンツが丸見えである。
少し離れた場所では、サラがお腹を押さえながら大笑いしていた。
とりあえずお仕置きだな。
[お仕置き]を発動させると、サラは悲鳴を上げながら謝罪を始める。
「ごめんなさい!笑ったりしてごめんなさい!お願いだから止めて!ねぇナツキお願い!」
謝り続けるサラの声を聴きながら、ミリーの下へと歩み寄り、ミリーの傍に着いたところで、サラのお仕置きを終了させ、座り込んで、鼻を押さえているミリーの頭へと手を伸ばす
「ミリー、大丈夫か?」
「痛いよ旦那様ぁ」
少し涙目になってるミリーの姿も可愛いものだが、今はそんな事よりも顔についた汚れを落とす為、精霊魔法(水)を使い綺麗に洗い落としてあげる。
「ほら、顔は綺麗になった。
けど服の方は・・・新しいのを買った方が良さそうだな」
ミリーの着ていた服は土が付着し、更には襟首辺りが少し破けてしまっていた。
とりあえず後で宿にでも転移して着替えをもって来るとしよう。
「エル、こうならない様に気を付けて、ホントにゆっくりと走る感じにやってみな」
「は、はい!」
ホントは二人に痛い思いをするような事はさせたくないが、この訓練は自分でやって感覚を覚えてもらうのが一番なのだ。
二人の訓練が始まり少し経った頃、ミリーとエルの間に差が出始めた。
何度も何度も顔面スライディングをしているミリーに対し、エルは何度か転んだだけで、直ぐに転ばなくなったのだ。
どうやらミリーよりもエルの方が、運動神経が良い様だ。
走るという訓練が終わると、次は物を投げる際の力加減の練習へと移る。
二人にはまず、ある程度力を込めて50m程先にある森へと向け石を投げさせてみる。
すると、ミリーの投げた石は木の幹を貫通し、その向こう側にあった木の幹へとめり込み、エルが投げた石は、木の幹を貫通させる事は無かったが、見事に幹の中心辺りまでめり込んでいた。
とりあえず二人には、50m先にある木に、石をめり込まさない程度にぶつける事を目標にして、練習を始めさせた。
それから約1時間、漸く二人共が目標を達成させることが出来、ある程度の力のコントロールが出来るようになったらしい。
次のメニューへと移る前に、二人に20分程の休憩を与え、休憩が終わると、俺、ミール、ノアがミリーに付き、シア、レイ、サラ、ディーはエルに付いて、魔法の訓練へと移る。
二人には、水球を作り出、それを相手にぶつける、アクアボールという基本的な水魔法を使って練習させる事にした。
まずは魔法を発動させる事から始めたのだが、二人ともそれはすぐに出来た。
だがその魔法に込める魔力の加減が難しかったのか、二人が放った水球は、地面を大きく抉り、そこに大穴を作る事となる。
二人は込める魔力が多き過ぎた為、何度か練習していると二人共魔力が底をつきかけ、体がふらついてしまっていた。
その後もお昼ご飯の為にと休憩を挟んだり、マジックポーションを使ったりしながらも訓練は続き、二人共が自分の能力をまともにコントロールする事が出来るようになったのは、日が沈み始める少し前だった。
訓練が終わり、今俺達が居る周囲には、走る特訓で(ミリーが)何度もこけて抉った地面や、魔法の練習によってできた大穴が多数空いていたりで、あちこちが大変な事になっている。
更に森の入り口辺りに生えていた木々には、物を投げる訓練で投げた石がその幹を貫通し、向こう側の見えるような穴がこれまた多数空いていた。
「このままにしとく訳にはいかない…よな」
そう呟き、溜息を吐いた後、俺はまず創造のスキルで、高さ2m程の土の壁に囲われた空間を作りあげ、ミリーとエルに取って来た二人の荷物を渡しその囲いの中で着替えさせ、その間にと、抉れた地面や大穴、そして穴の開いた木々を直して行く。
二人が着替え終え、それから少し経った頃、辺り一面が元通りになり、最後に着替えルームとして作った囲いを崩し、これでもう大丈夫だろ!と自分の中で納得し、皆と一緒に帰路へとついた。
次回 全員現在のステータス一覧
本当なら全員のステータスを物語の最中に表記していくつもりだったのですが、全員分やると、それだけでかなりの行数になってしまうので、次回を全員のステータス一覧という形にします。