本日の商品 『ルビーの実』
人の入りがわるい、どこがいけないのだろうな?とくにお茶の時間がな…。
ダルシアス食堂店主兼料理人、ダルシアス・ハーメルは呟いた。
キシギディル大陸のモタマチムイ遺跡国にある最大の遺跡、シレルフィールの城塞都市には町のようなところがある。
ダルシアス食堂はそこの一角にあり定食から甘味まで幅広く扱っている。
「最近、外部から屋台とかも入ってるからな。」
遺跡管理組合主任エルアルド・アーチがまさにその外部の人をつれてお茶に来ながら言った。
「そうですか?いかがですかね?」
グーレラーシャ風ハニータルトをだしながらダルシアスが外部の人に聞いた。
「美味しいです。」
どこかのんびりとランプ職人、カーレン・ミューアシュは微笑んだ。
シレルフィール遺跡に機械式も魔法式も灯り設置が無理なところが出たため呼ばれたのだ。
「美味しいですじゃ、わかんねぇよな、オレには甘すぎるぜ。」
エルアルドがそういいながらもハニータルトを完食した。
「愛黎ちゃんとヘリウスさんには甘くないってダメだしされたし…どうすりゃいいんですかね?」
ダルシアスがぼやいた。
超甘党民族グーレラーシャ傭兵国人に聞いたのが間違えであろう。
「いろいろ、試してみるしかないんじゃないか?」
エルアルドがそういいながら水をあおった。
「定食系はソコソコでるんですよ、甘味系が負けるって言うか…デリアちゃん、なんかいい案ないかな?」
ダルシアスはそこで定食を食べたあと持ち込みのそのまんまプリンスナックを食べてる考古学者になりたてのデリア・ミーミアに話をふった。
デリアの師匠、考古学者快黎・グーレラーシャは現在産休中でシレルフィール遺跡にいない。
そして、デリアは最近、考古学者の修士課程の単位がとれたので晴れて考古学者になったのある。
「うーん、女のこは目新しいものが好きなんですよ。」
デリアはプリンスナックを食べながら言った。
たしかにそのままプリンスナックは天濫製菓の新作である。
「そのお菓子どこでかったんですか?」
のんびりとカーレンが聞いた。
「明正屋だよ、食べますか?」
嬉しそうにデリアがお菓子の袋を差し出した。
自分のおすすめ品を人にすすめるのも女のこのよろこびである?
「わー、ありがとうございます。」
カーレンが嬉しそうに手を出した。
ハニータルトは半分しか食べていないようだ。
やっぱり駄目か…ダルシアスはそう思いながらデリアが差し出した、プリンスナックに無意識に手を出して食べた。
「ウマイ…異世界の菓子か…。」
スナックなのに柔らかくプリンの味がしている。
「明正屋さんには変わったものが沢山あって目移りしちゃうんです。」
デリアは嬉しそうに言ってしらゆきふんわりエビ一千、限定、苺フロマージュ味を出して食べた。
「そうか!明正屋に行って見よう。」
思い付いたようにダルシアスがしらゆきふんわりエビ一千にも手を出して食べながら言った。
シレルフィール遺跡のすぐ前に万屋明正屋と言う店がある。
謎のグッズや食料品お取り寄せ、人材(守護戦士限定)派遣、カタログ通販等最近ますます、何が何だかわからない店である。
ダルシアスはその店の扉を勢いよく開けた。
「いらっしゃいませ。」
店主、天見 舞が愛想笑いで迎えた。
「店長、変わった食材ないかな?」
ダルシアスはあまり来ない明正屋を物珍しそうにキョロキョロ見ながら言った。
「変わった食材…ですか?何に使うんですか?」
店主は食品カタログを出しながら言った。
明正屋は基本的に生鮮食品は扱わない。
軽食系も保存パックで売っているくらいである。
「うーん、甘味用かな?こう変わってて綺麗な果物っぽいのはないかな?」
ダルシアスがそういいながら指で丸を空中に描いた。
「うーん、ルリの実とかがおすすめですけど…変わったのが良ければ、ルビーの実ですかね。」
店主がそういいながら食品カタログの果物のページを見せた。
二次界、アタランテ帝国産、種抜きルビーの実とかかれたしたにはルビー色の掌サイズの果実が写った写真がある。
そのしたに種抜きして保存パックに袋詰めしたルビーの実の写真もあった。
「桃風味のみたらし団子の味、食感は桃です?」
ダルシアスは思った果肉もルビー色の実なんて初めて見たと。
「ええ、二次界の不思議植物です、種は宝石の原料なので抜いた実が安く買えるんですよ。」
店主がそういいながら価格表を出した。
「なるほど、試作したいから取り寄せてくれない?」
ダルシアスがそういいながらも他の果物の写真を見た、これに成功したら違うものもと思ったからであろう。
「はい、ソウトントン便を使いますので明日の朝にはきてます。」
端末で注文しながら店主が言った。
次の日届けられたルビー色の実の前でダルシアスは考えた。
桃風味がする甘辛い柔らかい実…コンポートするか、キャラメルゼしたクルミとあわせてケーキ…チーズと焼いてもうまそうだね。
研究熱心なダルシアスは試作した。
しばらくしてシレルフィール遺跡のダルシアス食堂に名物が誕生した。
『シレルフィール遺跡の朝焼け』と名付けられたそのお菓子はクリームチーズとレーズンが半割りにしてルビーの実の種のくぼみに詰めオーブンで焼き、たっぷりの生クリームと刻んでキャラメルゼしたアーモンドかけられた、甘辛いのに新しいお菓子であった。
「あーん、最高。」
デリアがシレルフィール遺跡の朝焼けをナイフできってフォークで刺しながら言った。
「そうですね、綺麗だし甘辛い味が美味しいです。」
ニコニコしながらカーレンが言った。
「私はもっと甘い方がいいです。」
ラーシャ族な守護の女神トゥーセリアがハチミツをかけながら言った。
「そうですか?ではトゥーセリア様の御供えにはやめておきます、私は気に入りました。」
シレルフィール遺跡管理組合員キャリサ・ダータンスがルビーの実を口に運びながら言った。
シレルフィール遺跡の朝焼けは大好評でダルシアス食堂は大繁盛のようだ。
ダルシアスは今、もっと違う菓子を作ろうと異世界食材のカタログをかぶりつきで見ている。
研究熱心なのはよいが二匹目のドジョウはいるかわからないのが世の常であろう。
まあ、頑張ってもらいたいものである。
本日の商品
種抜きルビーの実
春井フード㈱
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