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幕間 妹夫婦来襲。

サリアがピエールとやって来るんだ、どこに逃げようかな?

考古学生デリア・ミーミアは思った。


キシギディル大陸のモタマチムイ遺跡国最大のシレルフィール城塞都市遺跡のネームバリューは半端ないくらい高まっていた。


モタマチムイ遺跡国の王族、モタ・ハウチウスの訪問まで実現したのである。


「デリアさん、なにため息ついてるんですか?」

守護の女神トゥーセリアが染みハニー、限定梨味を食べながら言った。


南城塞のトゥーセリアの祠に捧げ物をしていたのである。

トゥーセリアが食べている限定梨味がそうなのである。


トゥーセリアはハチミツの女神と呼ばれるほどの甘党でお菓子大好きなのである。


グーレラーシャ人の先祖の名に恥じない甘党ぶりである。


「妹夫婦が来るらしいんです~。」

デリアため息をついた。


別に妹が嫌いな訳ではないが諸事情により複雑なのである。


「そんなときこそ、お菓子のやけ食いですよ!買いに行きましょう!」

トゥーセリアが言った。

「そうですよね♪」

デリアは微笑んだ。


まさに菓子仲間、本当にそれでいいのであろうか?


シレルフィール遺跡の前に万屋明正屋という店がある、謎の商品から携帯食料、下着、人材派遣(守護戦士限定)、カタログ通販、お取り寄せまで行う店舗である。


そして、菓子仲間な二人にとってはまっている異世界菓子を買い食いできる貴重な店なのである。


「店長さん~新作出てますか~?」

デリアが元気に扉を開けた。


先客がいるようである。


「お姉さま。」

若い女性がいった。


デリアは固まった、まさに会いたくない

妹夫婦がいたのだ。


「デリアさん、新作ありましたか?」

後ろからトゥーセリアが入ってきた。


「あ、いらっしゃいませ。」

店主が言った。


今日は恋人の冒険者(いせきたんさくにん)ヘリウス・ジエルキスに抱上げられているようだ。


「デリア、妹さんたちが来てるぞ。」

ヘリウスが幸せそうに店主を抱き込みながら言った。


グーレラーシャの男なんてこんなものである。


「お姉さま、どうして家を出ていかれたの?私がお姉さまの許嫁だった、ピエールを取ったからいけませんの?」

デリアの妹、ミーミア家、若奥様、サリア・ミーミアが言った。


隣にいるのがくだんの婿ピエールのようだ。


「責めるなら、私を、サリアは少しも悪くない!」

ピエールが言った。


どっかの芝居みたいなセリフである。


デリアは逃げ出した。


「あ、デリアさん!」

トゥーセリアが言った。


「お姉さまったら、本当にピエールの事が好きだったのかしら?」

サリアが人の悪い笑みを浮かべた。


「君はデリアさんの事が好きすぎて、私と結婚したくせに。」

ピエールが言った。


よくわからない夫婦である。


「なに?今日はお菓子パーティーなの?」

遺跡の奥深くで考古学者快黎・グーレラーシャが言った。


あのあとトゥーセリアが異世界菓子を山ほど買いこんで

ストレス発散?なお菓子パーティー中な二人である。


「先生も食べませんか?」

デリアは七色おばけジュースの時空保存瓶をあけてコップに注ぎながら言った。

「…懐かしいの飲んでるね…五十嵐の長老おじいちゃんが好きなんだよね。」

快黎が本当に懐かしそうに言った。


七色オバケジュース天濫製菓色もの部門不動の人気のジュースである。

一口飲むたびに味が変わる超古代のロスト技術がつかわれてるのではと評判のジュースで

五十嵐本家長老、雄介ユウスケ熱愛のジュースなのだ。


「そうですか、しらゆきふんわりエビ一千、うなぎのかばやき味もありますよ。」

スナック菓子をたべながらデリアが言った。


なんかいつもより暗い…。


「わー、本当にお菓子パーティーしてるわー。」

冒険者いせきたんさくにんニルザード・デーランがやってきた。


後に誰か連れているようだ。


「お姉さま、逃げないでくださいませ。」

サリアが言った。


ちなみにサリアはデリアが逃げる事をみこして動きやすい恰好をしている。

当然夫のピエールも来ているのである。


「なんかよう?私はないんだけど?」

デリアがやけのように染みハニー、ソーダ味を口にほおりこんだ。


「私はありますわ、大事なお姉さまがいきおくれてはこまりますもの。」

サリアが言った。


「え?デリアさんまだお若いですよね。」

トゥーセリアが言った。


戦いの中に生まれ戦いの中で死ぬ?ラーシャ族な女神様の認識はいつ運命の恋人にあえるかわからない

一族の実態を示している。

グーレラーシャ人の男が恋人をかかえて離さないのは愛しい女を取られないようにするためと。

移動戦闘民族だったラーシャ族の出会いの機会が昔は少なかったので確保する名残りといえよう。

よってきちんと成熟した年齢が恋愛対象なのだ…もちろん例外はあるのであるが。


「モタマチムイ遺跡国の貴族の娘としては遅いですわ、社交界に出る前に逃げられたのはピエールがお嫌いだったからですの?」

サリアが言った。

「ひどいな、サリア、君が誘惑したくせに…。」

ピエールが格好つけて言った。


じつはこうである、察しの良い読者様がたはわかっているとおもうが。


ピエールは貴族でも上級貴族のミーミア家の婿入りが決まってた商家の息子である。

もちろん、相手は長女デリアだったのだが…。

途中でサリアがピエールを誘惑してそう言う関係になってしまい…。


それにたぶんショックを受けたデリアがオスペナ知識国のヌー大学考古学科に留学してしまった。

そこで客員教授をしていた快黎と出会って意気投合したため一緒にシレルフィール遺跡に研究に来てるのである。


実家の親たちもここにいるとは知らず、ヌー大学にいるとばかりおもっていたのである。


「お姉さま、私…。」

サリアが言った。


「すみません、お客さん、品物届きました。」

その時、明正屋の店主がヘリオスにだきかかえられてやってきた。


「…早いわね。」

サリアが言った。


店主は高速ソウトントン便を使ったようだ。

すなわち、それは一瞬でものがくるということである。


「サリア、私…べつにピエールいらないよ?」

デリアは言った。


「いらないならなんで家を出たんですの?」

サリアが言った。


ピエールは店主から荷物を受け取っているようだ。


「家をでてヌー大学に行けるチャンスだから…むりやり家継がされたって文句いいにきたんだよね?」

デリアは言った。

「ええ?お姉さまこそピエールはともかく跡取りの座を取られたって家をでたんじゃありませんの?」

サリアが言った。


「違うよ、私、サリアみたいにうまく家盛りたてていけないから、サリアが後継いでくれてありがたいとおもってるの。」

デリアは言った。


「私のこと嫌ってるんじゃありませんの?」

サリアが言った。


「私にとってサリアは可愛い大事な妹だよ。」

デリアははっきり言った。

「お姉さま、私もお姉さまが大好きですわ。」

サリアが言った。


相思相愛?な姉妹であったようだ。


「デリアさんのすきなお菓子を首都からとりよせたんだ。」

ピエールが言った。

「お姉さま、オルリエーヌのケーキがお好きでしたものね、マスカットティーも取り寄せましたの。」

そういいながらいそいそと優雅なお茶会を準備するサリア。


茶道は貴族の女性のたしなみである。


「言えない…スナック菓子食べ過ぎて食べられないなんて…。」

デリアは呟いた。

「素直に言った方がいいんじゃねぇーか?」

ニルザードが言った。


たしかにそうであるが言えない時はいえないのである。


芸術的なデコレーションされたケーキを七色おばけジュースとマスカットティーで流し込みながら

デリアは思った…お菓子ひかえようかな…と。


まあ、喉元過ぎればなんとやらでまたたべまくるのであろう。


「ところでそちらの方はお姉さまのなんですの?」

サリアが言った。


デリアのとなりを陣取ったニルザードが気になったようだ。


「友達だよ。」

デリアは言った。


今のところはとデリアは思った。


友達かよーとニルザードは落ち込んだ。

彼らが恋人同士になる日は果たしてくるのだろうか?


まあ、様子を見る事としよう。


なにはともあれ誤解が解けて良かったミーミア姉妹である。


本日の商品

七色おばけジュース

天濫製菓テンランせいか

無限の味を楽しめます。

時空保存瓶の封を開けた後はお早目に御賞味ください。

お買い上げありがとうございました。


オルリエーヌケーキ店

デコレーションケーキ

マスカットティー

当店は王家にも納めさせていただいている伝統のケーキ店でございます。

消費期限をまもってお召し上がりくださいませ。

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