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幕間 お菓子の効能?

今日は、最近お気に入りのお菓子食べるんだ♪

考古学生デリア・ミーミアはスキップした。


キシギディル大陸のモタマチムイ遺跡国

最大のシレルフィールの城塞都市遺跡から近年守護の女神トゥーセリアの祠が見つかっている。

シレルフィールの城塞都市の防衛システムも

トゥーセリアの為、信仰を集めてる女神だったと考古学者のうちでは思われていた。


「今日も一日よろしくお願いいたします。」

キャリサ・ダータンスが祠にお賽銭を供えて拝んでいる。

シレルフィール遺跡管理組合の文字がトーガ風に巻き付けたマントに見える。

「キャリサさん、拝んでるんですか?」

デリアは丁度通りかかったようだ。

手にはお菓子の保存袋が握られている。

「デリアさん、あなたも遺跡発掘の関係者なんだから拝みなさい。」

ソコソコ信者のキャリサが言った。

「ええ?良いけど、ヘリウスさんもだよね?」

デリアは言った。


丁度、大きなハンマーを担いで

冒険者(いせきたんさくにん)ヘリウス・ジエルキスが通ったからである。


間の悪い男である。


「ヘリウスさんもトゥーセリア様の祠を拝んでください。」

キャリサが言った。


信仰は強制してはいけないのだが…。


「お?おお、わかった。」

ヘリウスが言った。


トゥーセリアがこの遺跡の守護神なのは浸透していて拒否感はないようだ。


トゥーセリアは昔ここにいた傭兵の女性で最後までこのシレルフィールを守ったとされている、いわば土地神様だ。


「では、捧げ物をしてください。」

キャリサが言った。


捧げ物?二人は思った。

当然捧げ物なんて用意はしていない。


「あの?捧げ物って?」

デリアが聞いた。

「そのお菓子で良いじゃないですか?」

キャリサが言った。

「そうなんだ。」

デリアは思った。

袋ごと供えてそく回収して食べようと。


かくしてお菓子は供えられた。


「オレはこのモミモミわんこをレンタルする、女神様も毎日守護業務でお疲れだろうからな。」

ヘリウスがそっとモミモミわんこを祠に置いた。


わんこが小さいので祠が丁度のわんこの家くらいな大きさだとヘリウスはひそかに思った。


「でも、落書き減らないな。」

ヘリウスが言った。


この間一人捕まえたがまだまだ、氷山の一角である。


「そうですね。」

キャリサが言った。

その手にはクリアウオッシュEXとスポンジが入ったバケツがあった。

「先生も対策講じないとねっていってました。」

デリアはそろそろお菓子食べようかな♪と思っているようでそわそわしている。


「本当にトゥーセリア様の御加護がほしいですよ。」

キャリサが言った。


「そうなんですか?」

誰かが言った。

ポリポリとデリアが供えたお菓子を食べながらモミモミわんこで肩を揉んでいる。


「ああーん、私の染みハニー限定販売の桜ハニーなのにー。」

デリアはみをよじった。

「だ、だれだ?」

ヘリウスが言った。


「信者の皆様こんにちは、守護の女神トゥーセリアです。」

その女性は言った。

たて襟長袖真ん中スリットの足首丈の赤い長衣にピッチリしたズボン姿はだれかの正装写真みたいだ。

髪も赤毛で一つにまとめてかんざしをつけ、茶色の目は楽しそうにキラキラしてる。


「トゥーセリア様!!?」

キャリサが叫んだ。

「嘘だろ?」

ヘリウスが言った。

「あーんお菓子~。」

デリアが言った。


デリア、それでいいのか?


「はい、皆様の信仰心のお陰で具現化できました、あなたラーシャ族ですか?」

お菓子を食べながら自称トゥーセリアは言った。

「オレはグーレラーシャ傭兵国人だが…。」

ヘリウスが言った。

「ああ、大きいラーシャ族になったんですね、だから(グーレ)ラーシャ…傭兵国なんですね、私の子孫ですね。」

自称トゥーセリアは言った。

「おお、すごいな。」

ヘリウスは言った。

確かに昔はグーレラーシャ傭兵国は

一部族だったのである。

攻め滅ぼそうと攻めてきた敵をたおしているうちにあの大きさの国になったのだ。


お菓子は確実に減っていく。

「…私の染みハニー桜ハニー!明正屋にまだ、売ってるかな?」

なさけなさそうにデリアが言った。

「このおいしいお菓子はその明正屋に売ってるんですね、食べ足りませんいきましょう。」

自称トゥーセリアはあるきだした。


「ああ、御衣(オンゾ)(すそ)に落書きが!」

キャリサが言った。

たしかにトゥーセリアの長衣の裾には

『シレルフィール遺跡見学記念でーす』

と書かれた落書きがあった。


つまり、神像にまで落書きしたようだ。

罰当たりはなはだしい。


「いいですよ、あとで、行きましょう♪」

必死で裾をふいているキャリサさんを

したがえて自称トゥーセリアはあるきだした。


「あーん、私も買いに行きます。」

デリアもついていった。

「あ、モミモミわんこ!」

ヘリウスが言った。


ふたりはトゥーセリアついていった。


シレルフィールの城塞都市遺跡そばに

万屋明正屋というお店がある。


謎の商品から下着、などそこそこ多彩な商品が揃っていて重宝されている。


「このお菓子ください。」

トゥーセリアは保存袋をカウンターにおいた。

「はい、どれになさいますか?」

店主がサンプルをカウンターにならべた。

染みハニー、アカシア、蓮華 、春限定桜とかいてある。


「これでお願いします。」

トゥーセリアは言った。

「はい、ありがとうございました。」

店主は言った。


チャリンと払われたお金をみて店主は首をかしげた。


「足りませんか?」

お菓子をもう開けていた

トゥーセリアが心配そうに言った。

「いえ、随分と昔のお金だなと。」

店主は言った。


古銭レベルである。

逆に価値は高いが。


「店長さん!」

とデリアは駆け込んだ

「店長!」

とヘリウスも駆け込んだ。

「トゥーセリア様、おいていかないでください!」

とキャリサは言った。


トゥーセリアの足が早く追い付けなかった

三人であった。


「トゥーセリア様?」

店主は言った。

「はい、シレルフィール一帯の土地神トゥーセリアともうします、是非信仰してくださいね。」

そういいながらもトゥーセリアは

染みハニーを食べようとしてる。

「……そうですか、おつりです。」

店主は言った。

「おい、店長!それでいいのか?」

モミモミわんこを返してもらったヘリウスが言った。

「別に普通じゃないですか?」

店主は言った。


明正和次元では神族も普通に地上をウロウロしてるからである。


「さすが、店長さん。」

そう言ったキャリサの籠の中は染みハニーで一杯だ、特にお菓子にはまってないので、

トゥーセリアの捧げ物なんだろうか?

「店長さん、染みハニー、桜味ください!」

デリアは言った。

「あ、さっきうったので限定桜味最後なんですよ。」

店主は言った。

「ええ?そんな!」

デリアは言った。

見も世もない嘆きかただ。

「食べますか?」

トゥーセリアが染みハニー限定桜味の袋を

差し出した。

「ありがとうございます。」

デリアは嬉しそうにもらった。


少しくらい崇めようかな?とデリアは思った。

信仰なんてそんなものである。


しかし、お菓子食べまくりのデリア、それでいいのか?発掘作業はどうした?


本日の商品

染みハニー 季節限定 桜蜜味

バルバン製菓㈱

春限定商品です、上品な甘さと生地のさっくり感をお楽しみください。

通常商品 アカシア、蓮華も是非、ご賞味くださいませ。

消費期限内にお召し上がりくださいませ。

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