表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大食い地獄  作者: 夏北 沖冬
処刑台への階段
29/50

4段目

 役所に到着し玄関に入ると、日本では目にしなくなった旧式の大きなテレビカメラを向けられた。

「すみません、私が地元のテレビ局に勤める知人に、日本から人気の芸能人がやって来ると告げたら、取材に来ちゃったようです。後ほど10分くらいでいいのでインタビューをさせてほしいとのことですが、よろしいですか?」

 斉藤氏が、マイクを手にした長身の男性と、大きなジェスチャーで会話を終えた後、我々にそう伝えた。

 野生動物保護区の担当部署で形式的な手続きをすませた後、先ほどのテレビスタッフから、この国の印象についての質問をされた。

「空港や役所の皆さんに、丁寧な応対をして頂き、感謝しています」

 相方に要らぬことを言わせず、俺が率先して当たり障りのない受け答えをしておいた。

 

 役所から20分ほど車を走らせ、ホテルまで送ってもらう。

「夜の街は治安が悪く、危険ですので出歩かないで下さい。もし外食をなさりたい場合は、私が案内しますので遠慮なくおしゃって下さい」

 斉藤氏の申し出に対して、みんなはホテルでゆっくりしたいから外出しないと言い、俺だけが2時間後に迎えに来てもらう約束をした。

「斉藤さんは以前、ネット上で小説を公開されたことがありませんか?」

 他の仲間が立ち去った後、別れ際にさりげなく問い掛けた。

「いいえ、なぜそのようなご質問を?」

「斉藤さんによく似た境遇の、アフリカで生活されている日本人の体験記を、最近読んだものですから・・・」

 それ以上の探りは入れず適当に言葉を濁して、その場は別れた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ