プロローグ
「レイクニウム」という物質があった。
ここから気が遠くなるほどはるか離れた銀河系にある辺境の開発惑星「オーツ」で発見された鉱物由来の新元素はオーツとその周辺星系に大火をもたらすこととなる。
レイクニウムはオーツ内でしか採掘できず、合金、半導体、エネルギー資源、医療品、爆薬、麻薬等、加工の仕方や順番によってあらゆる性質に変化し、あらゆる分野に革命を起こし、それ故にあらゆる星と国を巻き込んだ宇宙戦争「レイク戦争」が勃発。
500を超える星と国が参戦を表明し、強襲艦隊、多脚戦車、宇宙戦闘機、「AF」と呼ばれる4m級の二足歩行型ロボット等様々な兵器が投入されオーツは一時火の海となった。
その中で特に脚光を浴びたのは
Mechanical Core Frame
通称「MCF」と呼ばれる10m級のロボットである。当時小国であった「ビコワ公国」において、輸入していたわずかなレイクニウムをジェネレーターや内部メモリに使用しプロトタイプが数機開発され実戦投入、内部骨格とアーマーパーツの独立仕様による互換性の高さや環境適応力による圧倒的な汎用性により瞬く間に戦場を掌握、各星々を飛び回り、時に殲滅し時に同盟を組む公爵の指揮手腕も相まって、小国に過ぎなかった公国が5年にわたるレイク戦争を終結させるまでに勝ち続け、MCFとそのパイロットは一躍戦場のヒーローとなった。
戦争が終結し、オーツとレイクニウムを得た公国は同盟国や提供を受けた星外企業に呼びかけ誘致し、「オーツ連邦国家」を建国、戦争集結からわずか15年で都市型惑星を築き上げ、MCFを完成させ本格増産、パイロットの競技シーンや依頼体制を確立し、今やMCFパイロットは連邦にとってメジャーな職業であると共にスポーツ選手と同等の扱いを受けるに至ったのである。
しかしまた、レイクニウムとその利権を前に、争いの火種は静かに燻り続けていた……。
第1話近日公開。




