月の光のスペクトル
宙空の星たちが太陽に問いかけました。
「ボクたち、まだ虹を見たことがないんだ。虹ってとっても綺麗なんでしょう?」
太陽は得意げに答えます。
「そうとも、七色に輝いてとても美しいものだよ。あれを見たことがないとはもったいない」
今度は太陽が星たちに尋ねました。
「そうだ、私はオーロラを見たことがないんだ。あれはとても美しいものだと聞いたのだが?」
星たちも自慢げに答えます。
「そうだよ、七色に輝いてとっても綺麗なんだ。あれを見たことがないなんてかわいそう」
太陽と星たちはそこではたと気づきます。
『もしかして、虹とオーロラって同じものなのでは?』
それまで静かに聞いていた月が見るに見かねて言いました。
「いいえ。わたしは両方を知っていますが、それらは別のものですよ」
月は虹とオーロラの違いを伝えようとしますが、どうにもうまく伝わりません。
なんとか説明しようとしどろもどろになる月を見て太陽が笑い出しました。
どうして笑うのかと月が怒ると、太陽は謝りながら言い訳しました。
「あせって赤くなったり青くなったりするあなたの顔を見ていたら、もうそれだけで満足してしまったんだよ」
太陽と星たちがまた笑い出し、初めはむすっとしていた月も、つられて笑ってしまいました。
そんな今日の月は、いつもよりずっと明るく輝いて見えました。




