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VS ~ 代償 ~  作者: 邑 紫貴
VS ~ 代償 ~

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7/28

桜花


あのキスも、涼にとっては計測しなかった5分。

私から奪った、勝利の代償……


「二人とも、不器用よねぇ~。せっかく、彼がチャンスをくれたのに。無駄にしてほしくないわ♪」

放課後、私だけの図書室に現れ。

サユが机に手を置いてニヤリ。

「彼?…え?えぇえ~~!?」

叫んだ私に、サユは満足そうにニッコリ。

「図書室では、お静かに♪」

口をパクパク。

だって、そのチャンスをくれたのって……

「せ、先生なの?」

「それも、偶然だよ?だって、私の進路時には彼は別の高校だったし♪」

「そっか……」

サユの暴露に私は、あの特別な時間と、今までのすべてを話した。

語り終えた途端に抱擁と笑顔と。

「バカね。」



毎週の定期テスト。

結果に私の1位。そして、今度は一覧に涼の名前が無かった。

勝負だって言ったのは、涼……私からの解放を願ったのも。

もう駄目だ、この想いは溶けきって残らない。あの時間も、もう二度と。

約束をしたのは、私。私に関わらないと、誓わせた……

「暗い!さ、青春は追いかけるものよ!」

背中に、痛みの生じる平手。

「サユ、痛い……」

「ん?痛むのは、一瞬。胸の痛みは?後悔しないで……お願い。まだ間に合うと、私は信じている。あなたが信じないで、未来は無いわ。……あぁ~~グダグダ、うぜぇ!さっさと行けやぁ!!」

背中に今度は、ケリ。

……ふっ……

「サユ、これだけは言えるわ。」

廊下を走り出し、振り返りながら。

「私は、そんな下品じゃない♪」

遠くで、叫んでいるのを無視して。笑顔が漏れる。

そうね、今の私を築いたのは涼なんだから。責任を取ってもらわないと。

だって、いつだって。住み着いた黒い感情も、あなたを意識した結果。

あなたへの想いは特別。他には、居ない……


探したけど、どこにもいない。

帰った?幾ら、成績を落としたと言っても。単位は、気にするよね。どこに……

足を止める。

まさか、勝負に負けたのに。あの教室に、居る訳がない。

代償は……私は……勝負は…………

ゆっくり足が動く。

方向を変え、歩き出す。歩みは早くなり、走り出す。全速で……

息を切らし、ドアに手をかける。

【ガチッ】鍵のかかった教室。

だよね、カギ……

え?今まで、この部屋って鍵なんか……

「涼?いるの……?」

小さな声で、呼んでみる。

居るような気がする。

「涼?……居ない?私から、去るの?……遅いよね、要らないかもしれない。私の想いなんか。……好き……」

中から音がして、足音が大きくなり。近づいて来る。

【ガチャッ】

ドアの振動。鍵が解除され、開くドア。

「……聞こえなかった。真歩、勝負しようか?真歩が、ここから入れば俺の勝ち。」

「ふふ。その勝負、参加するわ。でも……代償は変更ね。5分じゃ、足りないわよ?」


……VS……勝利の代償を…………






オマケ:タイトル『可愛い』

Side:真歩まほ・登場人物:りょう



勝負は継続で、代償にならない甘い時間を繰り返す。

テスト勉強の為、気分を変えて図書館へ。

「真歩、俺……前から疑問があったんだけど」

参考書に目を落としながら、涼は小さな声で会話を始めた。

視線が合わないのに、不満も感じないのは今回の代償の所為。

テストで負けるつもりもないけど、心なしか余裕の私は、彼の仕草を見つめて会話を進める。

「何?疑問って。」

手の止まった私を、チラッと確認して、涼は参考書を閉じた。

彼も、負けず嫌いなんだわ。

こんなに長い時間、一緒に居たのに……相手を拒絶して見過ごしていることの多さ。

今頃みつけて、本当の涼を知っていく。

「ん~。怒らないでね?その……真歩は、可愛いって言われるのが嫌いなのかな。」

は?何故、そんな事を言うのか自分の過去を振り返るが……

涼の前で、そんな素振り……

「ふふ。見て、可愛い……」

遠くで、大人のカップルが私たちを見て出た会話。

「“可愛い”?それは……イコール涼の事、だよね?」

私の不機嫌な理由……私が幼い頃に、母は涼を“可愛い”と褒めた。

一緒にいると、何度も聞こえた“可愛い”は、涼への賛辞。

おやぁ??

「あのさ、それ……真剣で言ってる?」

私を見つめ、睨んだ涼の目は切れ長で……

可愛いとは似つかない、とても凛々しい表情。

しかも、私が不機嫌になるキーワードを涼は“知っていた”。

好意と敵意の違い……

「ズルい!」

私の機嫌は、別の事で悪くなる。

それを告げるのも悔しくて、気恥ずかしくて……好きな気持ちに加わる愛しさ。

困ればいい……私が理解できなくて、悩めばいいのに。

「何度かさ、俺達を見て“可愛い”カップルとか、真歩を見て可愛いとか言うのが聴こえる度に、勉強を切り上げて帰るから……勘違いしてたの?」

「これだから、頭の良い奴は嫌いなのよ。もっと、言葉を選んでほしいわ。」

机の上にある本や筆記具をカバンに入れ、帰り支度。

「ちょ、何、……真歩、何で怒っているの?」

「……大っ嫌い!」

置いて去って行こうとする私の手を引いて、その場に留めて涼は微笑む。

「可愛いね。」

卑怯なあなたに、次こそ勝つわ。

勝負……





end


恋愛系も思ったより読む人がいるなぁって印象(私の中での話)

作品が多いのでジャンルで掲載するサイトを分けていたのですが。

『ベリーズカフェ』にファンが187人いるので新作の【異界世紀末ー最後の聖女ー】を重複掲載。

意外と、『なろう』と同じくらいの反応があり。←珍しい。

様子見で重複掲載した【無音な奏曲の囚われ人】は使用許可意を頂いたイラストがドラゴンだからか読む人が少ない←笑

うう~ん。難しいっすね。

なんか、作品が多くてイライラするのは私だけですか??

中途半端な短編もあるので余計に。

うん、他の恋愛系も掲載してみて反応を観察します!

作者が同じなので、ファンタジー要素有無の似たり寄ったり。

感想頂けると嬉しいなぁ(小声)


続く作品は【溺愛の業火】

お楽しみください。

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