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VS ~ 代償 ~  作者: 邑 紫貴
煽情的ナミダ

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37/50

危険度up


俺の部屋。

避けていた件を問い詰め、謝罪と称した甘い時間。

「俺が傷ついたの、分かっているよね?」

「……はい。」

視線を合わせず、冷や汗なのかハンカチで額を拭う。

頬は赤いから、暑いのかな。

「ねぇ、暑いなら脱ぐ?くくっ。脱ぐの手伝おうか。」

意地悪な顔をしている自覚がある。

今の彼女は詰め寄る俺から逃げられない。

俺を避けていた報いだよ。

手を重ね、もう片手は上着の裾。腹部を撫でるようにして、捲りあげていく。

気持ちが追い付かないのか、留惟は視線を逸らす。

体は仰け反るように抵抗して、胸下に移動した俺の手を、慌てて押さえた。

涙目で訴える。

「駄目、まだ。心の準備が出来てない。息苦しくて、頭が働かないの。待って。」

体の熱が一気に上昇。痺れるような甘い感覚。

思考が一気に崩れるような衝動。そこに曖昧な気持ちが入り交じり、更に理解が追い付かない。

留惟の後頭部を支えて、床に押し倒した。

「見せて。もっと。」

「見てもいい。だけど、少しだけ待って欲しいの。お願い。」

涙目でお願いするのは、逆効果だとそろそろ学んでくれないかな。

「ふふ。ゆっくり待ってあげる……なんて、俺は言わないよ?俺の事を今すぐ、もっと好きになって。我儘な俺を受け入れて。」

上から視線を落とし、有無を言わせないような笑顔を向けた気がする。

身構えた留惟は口を開いたけれど、言葉が出なかったのか諦めたのか。

口を閉じて、俺を睨むような視線。

「可愛い反応を見せて。」

俺に反論しても無駄だと思ったのか、何を考えて言いたい事を呑み込んだのだろうか。

少しの不安があるのに、俺は自己中心的な願望を押し付け、思うが儘に触れる。

頬を撫でて、額に軽い口づけ。

そこから鼻筋に沿う様に唇を移動させる。

首の角度を変え、視線を合わせて様子見。

すると彼女は察したのか、目を閉じ気味にした。

思わず笑みが漏れ、了承を得たので思う存分のキス。

触れるように重ね、何度か繰り返して深くしていく。

もっと手に入れたいのに。

「留惟、どうして気づかない振りするの?本当は分かってるんだよね、俺の気持ち。」

女性の柔らかさで俺を受け入れながら、身構えた体は俺の心を拒絶する。

「ごめんなさい、これが私の限界なの。」

涙目に、欲求が抑制されていく。

分かっている。矛盾する自分の心を。

「……嫌わないで。いつか。出来るだけ早く俺を受け入れて欲しい。」

不安や恐怖が、今の甘い時間も一瞬で塗り替える。

「嫌わない。もう迷わない。だから、ほんの少しだけ。私を信じて待ってほしい。必ず、あなたを受け入れるから。」

彼女からの誓いのキス。






End

【煽情的ナミダ】

強引ヤロウでしたね←


続くのは【小夜啼鳥】

サ終サイトでグランプリノミネート30作に入ったもの。

お楽しみください。

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