キョウチクトウ
俺はずっとこの世界で気に入れない奴を嬲りたい。
もっともっとこの世界を楽しみたいと思った。
俺が悪者の死体を眺めながら快楽に浸っていると、眼前に何かが一瞬で迫ってきた。
「ぐッ...。」
寸前で避けたが瞼を切ってしまった。
直そうと変幻をしようとした時また何かが眼前に迫って来た。2回目はなんとか避けられたが、右目が血で見えずバランスを崩して転んでしまった。
「馬鹿みてえな再生力とパワーだが、治すには多少時間がいるみてえだな。」
ボスらしき男が転んだ俺に追撃を仕掛けながら話してきた。
「どこにいたんだよ。部下を囮にしてメソメソ逃げ出したんだと思ってたのによ。」
俺は猛攻を緩めさせるため少しでも時間を稼ぎたかった。
「あんなマジもんの化け物見たら俺だって逃げてえけどよ、今回の依頼は金がいいんだ。そこの袋に詰めた妖狐を持ってくだけで5000、生きてる奴も1匹でもいれば10000も出る、そんだけ金があればもうこんな危ねえ仕事ともおさらばできる。それにお前が、取り分を殺してくれたおかげで、俺はてめえも攫って10000全部俺のもんだ!」
そう言い終えると奴は攻撃の手を止めた。目を直している時奴の武器を見た。さっきまでは武器が回転していたのと、暗いせいで見えずらかったが、なんといった武器だろう。形状は『モーニングスター』なんだが、本来棘のある部分がなく代わりに穴が空いている。あれならあの速度で振り回すこともできるだろうが、殺傷能力や耐久力はかなり低いだろう。俺はあの武器の耐久性のなさを利用してカウンターを狙うことにした。
「おまえみたいな豚野郎に俺を攫うどことか触ることもできないだろうな。もっと近づかないとそんな攻撃当らねえぞ?」
「ハッ、舐めんなよ、化け狐が!」
案の定奴は俺に向かって武器を振りかぶった。
さっきと違い速度が出ていたが、反応はギリできる。
次にカウンターを入れて終わりだ。
俺は拳を構え、あの鉄球を砕く準備をした。
大丈夫だ、破壊できなくても最悪後ろの鉄球を繋ぐ鎖だけでも千切れればそれでいい。
「ふん。」
俺は拳を勢いよくモーニングスターに向けて放ったが、放った拳が見当たらないない。と言うか肩から下が丸々なくなっている。痛みには慣れたがこの時は何が起きたかわからない戸惑いで狼狽してしまった。
「は?なんで俺の腕が吹き飛ぶんだよ。」
そう言うと、奴は高々に笑いながら言った。
「ハハッ。馬鹿かてめえ、『魔力』を込めた武器に対してただの拳で応戦なんて、猿でもしねえぞ」
魔力ってなんだ、さっきの武器は速度こそあったが、あんなほとんど木の棒程度の重さの武器で俺の拳が潰れるわけがない良くてあの武器が壊れず跳ね返るぐらいだ。
「なんだよ魔力って、そんなもんあったんならさっきの雑兵はなんでそれを使わなかったんだよ。」
「俺をそこらのカスと一緒にすんじゃねえ。俺は元々『軍』で上等兵だったんだぜぇ?これは俺みていな天才にだけ使える御業ってやつだぜ」
軍?御業?、種はわからんがとりあえず、あの技を使われると比例法則に反してわけわかんねぇ重さと硬さになりやがる。とりあえずあの鉄球に触れるのは無しだ。幸い避けれる速度ではある。ただ仮に鉄球だけじゃなくあの鎖も同等の硬さと重さなら、やつの懐に入れたとて鎖によって俺の体は真っ二つになるだろう。
「どうした避けてばかりでさっきまでの威勢は萎えちまったか!!」
奴が吠えている隙にさっさと腕を直さねえと、、、あ
「どうした?逃げんのは終いか?」
足を止めた俺に余裕綽々の顔で奴は煽ってきた。
「いや、お前の武器は脅威だけどさ。お前自身はどうなんかなって」
「あ?」
「お前、武器の扱い雑じゃね?そういうの素人な俺ですら予測できる攻撃しかこねえし、使うのはその鉄球だけで鎖はただの飾り状態、右腕欠損している相手に対して傾きやすくなる左を攻めず点でバラバラな攻撃、武器の強さとお前の実力が見合ってねえなと思ってさ」
「な、何言いてやがる、現にお前はさっきから避けるばかりで俺に攻撃するできないじゃないか!」
奴は狼狽こそしていたが、まだその顔から余裕の笑みは消えない。ただ、
「テメェみていなのをさ俺んとこだと豚に真珠ていうんだぜぇ、クソ豚野郎w」
「ブ、ブチ殺してやるクソ畜生がアァァァ!!」
攻撃を避け続けれる焦燥感、言葉攻めによる侮辱、奴の怒りの頂点に達し、今奴の目には俺しか映っていない。
「やってみっろやボケがアァァァ!!」
奴に悟られぬよう俺も呼応しながらやつに向かって突っ込んだ、
「ボケはテメェじゃ、その勢いじゃもう急には止まれんじゃろ!」
そう言いながら奴は鉄球は俺に向かって凄まじい速度で飛ばした直後。
『『今だレンスイ!!』』
その瞬間奴の顔に向かって先ほど千切った雑兵の腕が飛んで行った。
「なんじゃ!?」
その瞬間に伸びきった鎖を避け奴に向かって俺は瞬時に間合いを詰めた。
「俺に集中しすぎて見えてなかっただろ。終わりだゲロ豚あ!」
そう言って俺は奴の懐に向けて渾身の左拳を放った。
『バン』
その瞬間俺の拳は弾け飛んだ。
「長物使ってんのに間合い対策が無いわけないだろがァ!!豚野郎はテメェだったな。そのままひき肉になれやあ!!!」
そう言いながら奴は右腕で扱っていたモーニングスターを伸縮させ棍棒に変えた
「ユ``リ!!」
レンスイが肺に血が入ったまま痛々しく叫んだが、俺は笑みを我慢できず言った。
「右腕上げたな。」
『グシャッッ』
その歪な音とともに奴右腕と右耳は吹き飛んだ。




