表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/8

第1話

 やあ、みんな。俺の名前は秋月康介(あきづきこうすけ)。元の世界ではある大学院の修士1年で、愚痴を言いながらも研究をやりつつ、楽しく日常を送っていた者だ。

 趣味はバイクでのツーリング。色々な場所に行って色々なものを食べて、愛車とともに風を感じるのが好きだった。まあ、そのツーリング先で事故に巻き込まれて死んだんだけど……

 と、そんな暗い話はさておき、俺は死んだ後、最近……でもないけどちょっと前から良くラノベで見かけるようになった転生というものを経験したんだ。

 神様が目の前に現れて


「君を転生させてあげよう」


 とか言われて。

 まあ、ラノベとかアニメとか結構嗜んでたし、転生できるならしてみたいと思っていた人だったから、「YES!」って言って転生させてもらったんだ。

 もちろん神様からは転生先の説明とかされたさ。エロゲの世界に放り込まれて、攻略対象と共に楽しい学園生活を送れるとかなんとか。攻略対象の名前と顔も見せてもらったけど、めちゃくちゃ可愛かったね。うん。すげーと思った。

 注意事項としては、転生後の俺には、お約束になっているスキル付与とかはないこと。ただし、転生先の身分の用意や高校に転校するためにかかる諸々の処理や辻褄合わせはいい感じで神様がしてくれるとのこと。記憶とかは転生後も引き継げること。エロゲよろしく個別ルートとかハーレムルートとかがあって、それぞれのルートをクリアすると、転生直後に巻き戻ること。あと、寿命以外で死んだりしたら転生直後の時間まで自動的に巻き戻る。それくらいだった気がする。


 そんなこんなで無事、俺はエロゲの世界に転生した。




 神様と別れて数瞬後、アラーム音が聞こえてきたので目を開けてみる。

 知らない天井……ではなく、親の顔より見た天井だった。体を起こして部屋をぐるりと見渡す。なぜだか分からないが、転生前の俺の部屋だった。


「……気を利かせてくれたのかな?」


 勝手が分からない部屋よりも勝手が分かった部屋のほうが色々とやりやすいので、神様には感謝しつつ、次に家の状況を把握しにかかる。

 結果としては、転生前に契約していた賃貸そのものであった。これは嬉しい。ありがとう、神様。


 住処の確認が終わったところで、とりあえず顔を洗って歯磨きをする。

 ふう、すっきりした……となったのだが、ふと鏡を見ると、これまた親の顔より見た顔がそこにあった。

 どうやら、転生したからといって顔とか体を芸能人レベルに引き上げてくれるわけではなかったらしい。いや、今の自分も気に入っているし、そこまで悪い顔だとは思っていないから良いんだけどね?


 そんなこんなで、自分についての現状も確認し終えたところで、これから俺はどう動けば良いんだろうか? と考えていると、スマホからメッセージの着信音がタイミング良く聞こえてきたので、内容を見てみる。


「ふむふむ……今すぐ登校しろと。服はクローゼットにあって、机の横にかかっているカバンに教科書とか諸々入っていると。……お、銀行口座も用意してくれてるのか。金額は……転生前の俺の口座にあった額なのね」


 対面で説明してくれた通り、いい感じで辻褄合わせはしてくれているらしい。ありがたやありがたや。

 あと、どうやらこの俺に両親などはいないらしい。まあ、エロゲといえばそんな感じだし、転生前も同じ状況だったし、問題はそこまでないね。


 欲しい情報もいただけたところで、そろそろ登校しないと時間がまずいっぽいので、大急ぎでこれから通うことになる高校の制服に袖を通し、カバンを持っていざ出陣! ここから俺の転生生活がはじまるんじゃ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ