コブリン討伐失敗
オーキャラはギルドで依頼を探していた。すると、ミラさんが話しかけてきた。
「お久しぶりです。依頼を探しているんですか?」
「ええ、何かありませんかね?」
「そうですね……、これなんていかがでしょうか?」
彼女が差し出して来た依頼書にはこう書かれていた。
【魔物の討伐】
対象:ゴブリン
報酬 :金貨10枚 詳細
・街の近くにある洞窟に住み着いたゴブリンの殲滅
期限
・なし(ただし、なるべく早くお願いします)
備考
・報酬は前払いになります
「これは……、確かに良さそうだな」
「はい、それにこの辺りでは一番強い魔物なので、腕試しにも最適だと思います」
「なるほどな。よし!これにしようかな」
「わかりました。では、手続きをしておきますね」
「よろしく頼むよ」
オーキャラは受付を離れると、早速出発の準備を始めた。準備といっても、特に必要ないんだけどな。
「おい、起きてるんだろう?いい加減に返事しろよ」
その声で目が覚めた。どうやらいつの間にか眠っていたみたいだ。目の前にいる男は、俺のことを睨みつけている。
「あんたが呼んだのか?」
「そうだ。というより、それ以外ありえないだろう?」
「確かに……そうですね」
「ところで、お前は何者なんだ?」
「何者とはどういう意味ですか?」
「質問を質問で返すなって教わらなかったか?」
「すみませんでした。私はオーキャラと言います」
「オーキャラね。どこから来たんだ?」
「えっと……、日本です」
オーキャラは記憶が混濁して転生前のことを言ってしまった。
「ニホン……聞いたことがない国名だな。まあいいか。それより、どうしてあんな場所に倒れていたんだ?」
「実は……、記憶がないんです」
「なるほどな。つまり、何も覚えていないということか」
「はい……」
「……わかった。なら、しばらくここにいろ」
「……はい!?」
「嫌なのか?」
「いえ……そういうわけでは……」
「だったら問題ないだろう?」
「わかりました」
「よし!決まりだな」
こうしてオーキャラの奇妙な生活が始まった。
「おはようございます」
「おお!起きたのか。ちょうど良かった。今から朝食にするから、一緒に食べようぜ」
「はい、わかりました」
オーキャラはこの人のことを信用することにした。理由は特にない。ただ、なんとなく大丈夫だと思っただけだ。それから少しして、食事の準備が整った。
「いただきます」
「どうだい、美味しいだろう?」
「はい、とてもおいしいです」
「そうかそうか。たくさんあるから遠慮せずに食ってくれ」
「ありがとうございます」
それからしばらくの間、無言で食事をした。
「そういえば、まだ名前を聞いていませんでしたね」
「俺はロイドっていうんだ。よろしくな」
「よろしくお願いします」
「そう言えば、オーキャラは冒険者なのか」
「はい」
「へぇー、そうなのかい。ちなみに、ランクはいくつぐらいだ?」
「今はFランクですよ」
「Fランクだと……。それでよくあの依頼を受けたな……」
「まあ、成り行きで受けることになったんですよ」
「そうかい」
その後、二人はしばらく話をしてから眠りについた。オーキャラは記憶が戻るまでロイドのところで過ごすことになった。




