修行とワイバーン
オーキャラとボールは修業を始めた。
「さっそくだが、まずは基礎体力をつけるためにランニングをするぞ」
「はい」
オーキャラの指示に従って二人は走る。最初はゆっくりと走り始めたが徐々にペースを上げていく。しばらくすると息切れしてきた。
「うわぁ……苦しい……もう限界かも……」
「まだまだこれからだぞ」
オーキャラは容赦なくボールを走らせる。やがてボールは倒れ込んだ。
「はあ……はあ……しんどい……」
「情けないな。そんなことでは立派な魔法使いになれないぞ」
「はい……。分かりました」
「よし。次は素振りを始めるぞ」
オーキャラは木刀を渡してきた。二人は剣を振る練習を始めた。
「もっと腰を入れろ。腕だけで振らないように」
「はい」
その後も特訓が続いた。ようやく終わった頃には日が暮れていた。
「ふう……疲れたな」
「そうですね」
「それじゃ、そろそろ帰るか」
「うん」
二人が城に戻ろうとした時だった。突然、巨大なワイバーンが出現した。ワイバーンは蝙蝠の翼をもったドラゴンである。
「なんだあれは?」
「早く逃げよう」
「そうだね」
しかし、ワイバーンは二人に襲いかかってきた。どうやら餌として認識しているようだ。
「くそ。グルメ魔法・ステーキ」
オーキャラは魔法の杖を掲げて「グルメ魔法・ステーキ」と唱えると、目の前に鉄板が現れ、その上に肉が置かれた。
「食らえ」
オーキャラは肉にナイフを突き刺して、それをワイバーンに投げつけた。肉は見事に命中したが、あまりダメージを与えていない。
「固いな」
「そうですか?私の魔法の方が強いですよ」
「それはどうかな」
今度はボールが魔法の杖を掲げる。
「グルメ魔法・ステーキ」
ボールも同じように唱えたが、やはり効果がなかった。
「え!?どうして効かないんですか」
「おそらくグルメ魔法の相性が悪いんだろう。私のグルメ魔法は、魔力と適合する食材しか作れない。今回は牛の肉だから、あのワイバーンに効かないんだと思う」
「そうなんだ」
「とりあえず逃げるしかないね」
「はい」
二人は全力疾走で逃げたが、ワイバーンに追いつかれてしまった。
「こうなったら戦うしかないね」
「うん。でも勝てるかな」
「大丈夫。私に任せて」
オーキャラは再び魔法の杖を掲げて呪文を唱えた。
「グルメ魔法・ステーキ」
ボールも続けて唱和した。二人の前に肉が現れた。肉からは湯気が立っていた。肉は熱々の状態だった。肉はフライパンの上に置かれていた。
「これならいけるかも」
「そうね。やってみよう」
二人は肉を掴んで投げつける。肉は見事に命中し、肉汁が飛び散った。肉汁を浴びたワイバーンは苦しんでいる様子だ。
「やったー!大成功!」
「このまま押し切るよ」
オーキャラとボールは次々と肉を投げ続けた。やがて、ワイバーンは倒れた。
「勝ったの?」
「そのようだね」
「ふぅ……。なんとか倒せたけど、まだ修行が必要だな」
「私も同じことを思った」




