洞窟のゴブリン
「とにかく進んでみようか」
ボールの提案により、二人は再び進み始めた。しばらく進むと、またモンスターと遭遇した。今度はゴブリンである。
「次は私が戦う」
オーキャラが名乗り出た。
「わかった。応援する」
ボールは応援をする。ボールは「頑張って」とは言わない。オーキャラもボールも昭和的な精神論根性論、「頑張ります」精神を嫌悪する。どうしても「頑張って」相当のことを言わなければならない場合は「応援する」と言う。これは自分が相手を応援することであり、相手には何の負担もない。「頑張って」のように相手に頑張ることを強要するものではない。
オーキャラはグルメ魔法を使った。
「グルメ魔法・団子」
呪文を唱え終わると、団子になった。それをすぐに食べる。
「いただきます」
オーキャラは笑顔で言う。
ゴブリンは他にもいた。ボールは別のゴブリンに向かって走り出す。そのまま勢いよくジャンプし、パンチを食らわせた。
「ぐぎゃあああ!!!」
攻撃を受けたゴブリンは倒れてしまった。
「やったー!倒したぞ!」
ボールは喜ぶ。しかし、まだ敵がいるかもしれないため油断はできない。そこでボールが提案する。
「ここは私に任せてくれませんか?」
ボールは頼んできた。
「いいけど、どうするつもりなの?」
オーキャラは不思議そうに聞く。
「こうするんです」
ボールは答えた後、呪文を唱える。
「グルメ魔法・ポテトフライ」
すると、大量のポテトが現れた。それを見たオーキャラは驚く。
「すごい量ね」
「はい。これを投げまくります」
ボールは説明した。
「なるほど!それで敵を倒せるのね」
オーキャラは納得した。
「じゃあ行きますよ!」
ボールは宣言した後、投げる動作に入る。そして、思いっきり投げた。
「えいやぁ!」
掛け声と共に、ポテトが飛んでいく。そのスピードはかなり速い。
「うわあ!」
モンスターたちは驚いている。だが、ほとんどの攻撃を避けられた。
「くそぉ!避けられたか!」
ボールは悔しそうにする。そこにオーキャラが近づき、話しかける。
「私に作戦があるから!」
自信満々の様子だ。
「どんな方法?」
ボールは尋ねる。
「まず、私の魔法であいつらを閉じ込める」
オーキャラの説明が始まった。
「わかりました」
ボールは返事する。
「そして、私はグルメ魔法の呪文を唱える。すると、たくさんのチーズバーガーが現れる」
オーキャラの話は続く。
「はい」
ボールは相槌を打つ。
「その後、ボールにたくさん食べてもらう」
オーキャラは話を終えた。
「なっなるほど……」
ボールは少し戸惑っている。
「大丈夫よ!ボールならできるって!」
オーキャラは励ましの言葉をかけた。
「……やってみます!」
ボールはやる気を出したようだ。
「じゃあ行くよ!」
オーキャラはグルメ魔法を使う。
「グルメ魔法・ビッグバーガー」
大きなハンバーガーが出現する。
「いただきます」
オーキャラはハンバーガーを食べる。
「ごちそうさまでした」
それからボールの方に向き直った。
「さあ、ボール。お願い」
オーキャラが言う。
「はい」
ボールは返事をしてから、チーズバーガーを食べ始める。
「むしゃむしゃ……ごくん」
ボールを包み込むようにハンバーガーが出現した。
「よし、準備完了」
オーキャラは満足げに言った。
「では、いきます」
ボールはグルメ魔法を唱えた。
「グルメ魔法・ビッグバーガー」
すると、巨大なハンバーガーが現れた。
「よしよし」
オーキャラは呟いた後、食べ始めた。
「もぐもぐ……ごくん」
ハンバーガーを飲み込んだ後に、次のハンバーガーに手を伸ばす。
「もぐもぐ……」
オーキャラはハンバーガーを次々と食べていく。
「もぐもぐ……」
ハンバーガーを全て食べ終わった。
「ふう……」
オーキャラは一息つく。そして、周りを見渡してみた。モンスターはいなかった。
「これで全部ね」
オーキャラは確認する。
「みたいですね」
ボールは同意した。
「やったー!」
オーキャラは喜んだ。
「やりましたね!」
ボールは褒めた。
「ありがとうねボール。おかげで助かったよ」