神様経由で異世界転生かと思ったら、異世界召還に巻き込まれた挙句に俺だけ奈落に落とされたので、元のチート知識と技術で異世界を満喫したいと思います。
初の投稿です。つたない文章ですがよろしくお願いします。
連載を考えていますが、執筆途中のため第1話目のみを短編とさせていただきました。
その青年は、愛用自転車にまたがりいつものように出勤し、帰りにその足で職場近くのコンビニで毎週発売の週刊誌を立ち読みしてから帰路へとつくのが日課だった。
「(俺もそろそろ30半ばか・・・。子供達もデカくなった。マイホームも考えなきゃいけないなぁ・・・。
同期や同年代のスタッフも近くの一軒家やらマンション購入してるし、ほんと大変だよ。やっぱ共働きじゃないとキツイよなぁ。
でも元手がなぁ・・・。
バイトでもしようか? いやしかし、Wワークの手続きとか職場にばれたらとか考えるとねぇ。
一攫千金「宝くじ」は? それにしても運が必要だろ。それこそ隕石にあたるくらいの可能性が必要だっていうし。
今流行の「YOU T●BER」とか動画クリエイターなんてどうか? どこにそんなネタが落ちてる? 機材そろえたりネタ集めにも元手がいりそうだしなぁ。)
はぁ・・・。」
とため息交じりで将来設計を考えながら愛車を走らせていた青年は交差点に差し掛かる。
「お、いつもなら赤信号が長いのに今日は青だ。ラッキー。」
減速せずそのまま交差点の信号を渡ろうとした瞬間だった。
横から猛スピードで突っ込むトラックを目の端で捉えた。
「うげっ!よけなっ・・・・」
ドン!
そして青年の意識は途絶えた。
~~~~~~~~~~~~~
「うっ・・・・」
青年は目を覚ました。
「知らねぇ天井・・・っつーか天井ねぇし!」
テンプレ的セリフをつぶやこうにもテンプレ要素がなかった。
「どこだ、ここは?」
青年は体を起こし、自分の表面的なケガの有無や衣服、荷物を確認しそれが問題ないことに安心すると次にあたりを見回してみる。
「なんで地面が白いモヤモヤで覆われてんの? ドライアイスか? しかも地平線見えねぇし。上も白いモヤモヤで空が見えねぇよ。」
青年が周囲の確認が終わると同時に空より光り輝く球体が降りてきた。
「うぉお、バ〇スかっ!?」
青年は思わずジ〇リ映画のワンシーンを思い出し叫んでしまった。
『おぉ、すまん、すまん。眩しくて見えんかったか』
「えっ!?」
突如現れた光の球体より男は話しかけられ驚いた。
『どれ、もう少し話しやすくするとしようかのう』
「っ!?」
球体は光が弱まり徐々に人の形をなしていく。
そして光の中から白く長く重量感のある髭を蓄え、杖を携えた貫頭衣を着た老人が現れた。
「さて、状況を説明するとしよう」
「あ、あんた誰だよ・・・、ってここどこだよ。俺は! 俺は・・・・、誰なんだ?」
青年はぽっかりと自分の記憶が失われていることに気づいた。
「なんだ、いったいどうなってんだ?俺は誰なんだ?なんでこんな場所にいる?」
「まぁ、落ち着け。状況を説明すると言ったであろう。しかし記憶がないとは・・・。それでは混乱して話も出来んわい。ほれっ!」
老人が杖をかざすと、男の体が光に包まれた。
「俺は・・・、たしか帰宅中にチャリごとトラックに撥ねられて・・・死んだ?」
「そういうことじゃな」
「そうか、俺は死んだのか・・・。で、ここはあの世?黄泉の世界?あなたは閻魔様?」
「ふむ・・・、死んだことにあまり悲観的ではないのじゃな。」
「まぁね。これでも人の生き死には普通のやつより多く『看てた』からな」
「たしかに、其方は現世の地球ではそのような職種に就いておったな。そうそう、まずここがどこかという話であるか、ここは『神界』じゃ。本来死した者の魂はすぐさま輪廻の輪に入り新たな生命へと生まれ変わるのじゃが、稀にというか数千年単位に一度、死した魂が輪廻から外れ、この神界に紛れることがある。それが其方じゃ。」
「へぇ~、神界ねぇ。ってことは、俺の予想が正しければあなたは神様になるのか?だから俺の記憶を蘇らせたり、生きてる頃の職業知ってる訳か?」
「そういうことじゃ。ちなみに儂は神々を統べる全能神じゃ。気安く『全ちゃん』と呼んでくれて構わんぞ」
「(うげっ、何が全ちゃんだよ、ぜってーこのジジイ、友達いないだろ)」
「言っておくが、儂、心の声が聞こえるから。」
「なんだってー(棒読み)!?」
「ぜったい、驚いておらんじゃろ」
「で、俺にどうしろっていうの?」
「そこ、スルー?もうちょっと突っ込んでよ。全ちゃん悲しい・・・」
「・・・で?」
「ふぅ、分かったわい・・・。つまらん奴じゃのぉ。これから其方には地球とは別の剣や魔法が発達した異世界に転生してもらう」
「お、テンプレね。」
「驚かんのじゃな」
「その手のネット小説は読み漁ってるからな」
「そして、其方には転生方法として2つの選択が「今より若返った状態での異世界転移を選びます」まだ儂、何も言っておらんからな!?」
「いや、2択だとどうせ『記憶持って赤ん坊から転生』か、さっきの俺が言ったその2つしかないだろ?」
「じゃが、赤ん坊からの転生にもメリットがあるぞい?」
「あぁ、赤ん坊のころから『スキル・魔力鍛える』ってヤツね。それも魅力的ではあるけど、転生先はどうせ生まれたばっかだけど死にかけの赤ん坊か、生まれる直前の胎児の体に俺の魂を入れたりするんだろ?それに転生先の家庭は神様が俺の将来性を考えて一般庶民よりも格上である王侯貴族の3男以下であったりする。違うか?」
「む・・・。」
「その反応を見ると当たりか。確かにそんな家庭であれば貧しい思いをしないだろうし、知識を得られやすい環境ではあるから魅力的なので神様には感謝したい。でも、本来死ぬべきか生きるべきであった存在の人生を奪ってまで俺は自分の人生を生きたいとは思わない。それに、仮に王侯貴族の3男以下で家督順位が遠かろうとも、俺のチートな知識やこれから身に着けるであろうスキルの存在が御家騒動の元になりかねない。だったら神様に新しい若い体とチートなスキルをもらって、さっさと冒険者になりたい。」
「良いのか?血縁者もおらず言葉通り孤立無援な状態となるのだぞ?」
「それでも良い。おそらく俺は転生先の家族を自分の家族とは認められないだろうから。家族は自分で作るよ」
「はぁ・・・。其方には驚かされるばかりじゃな。いったいいつからそんな事を考えておった?」
「ん?そんなの最初っからに決まってるだろ?もし自分が神様経由の異世界転生になったらそうしようと決めてたんだよ。ちなみに集団異世界転移だった場合はまた別のプランが・・・」
「あぁ、わかったわかった、もうよい。其方の考えは十分理解した。では儂が其方の魂に新たな若い肉体といくつかスキ「【鑑定】・【隠蔽】・【言語理解】・【記憶力向上】・【魔力操作】・【無限収納】を下さい」ルって言葉を被せてくるな!そして注文が多い!!」
「え、ダメ?これくらいないないと異世界やってけないじゃん」
「どこの異世界の勇者じゃ!まったく、遠慮を知らん奴じゃ。しかしあとで【ステータス】を見ると分かるで「【ステータス・オープン】!」って、じゃから先に行きすぎじゃ。なぜ説明していないのに分かる!?」
「テンプレだろ? って、おい、俺のステータス、偏りが酷くね・・・?」
【ステータス表記】
氏名:ユージ 年齢:15歳
性別:男 種族LV:1
種族;人族 職業:無
HP(生命力):10
MP(魔力):0
STR(攻撃力):1
DEF(防御力):1
INT(知力):1000
MND(精神力):5000
AGI(速度):10
DEX(器用):20
LUC(幸運):ERROR
〈スキル〉
【固有スキル】
医学知識LV-
薬品知識LV-
検査(採血・透視・XP・CT・MRI・MRA・心電図・超音波・検温)LV-
【特殊スキル】
放電LV.-
整復LV.10
収納LV.1
隠蔽LV.10
【一般スキル】
観察LV.9
考察LV.10
記録LV.10
一般言語LV.-
一般常識LV.-
〈魔法〉
なし
〈称号〉
異世界を渡りし者
〈加護〉
全能神の加護
「(年齢は15歳か。20歳も若くしてもらえるの?良いねぇ。種族レベルってのは何かしらの方法で上がるのか?15歳でレベル1ってどうなんだ?ステータスはやっぱ鍛えてないからこの数字か・・・。やけに知力・精神力が高い気がするが固有スキルの内容と一緒に考えると、やっぱ元の職業と社畜精神っぽいのが影響したって感じか。幸運についてはようわからんな。まぁ他のスキルに関しては利用すればなんとかできそうだな。鑑定が欲しかったが高望みしすぎたな、こりゃ。もしかしたら固有スキルの検査あたりから活用できるのかもしれないな。収納がどんだけのモノが入るかは知らないが、スキルにもレベルがあるみたいだし鍛えれば容量とか増える感じか?隠蔽が高レベってことは俺のスキルは隠した方がいいって事なんだろうなぁ。やはり鑑定スキルがあって見られるとやばいからか・・・。加護が一番やばいんだろうなぁ。あとスキレベの横に数字表記が無いものはなんだ?)」
ユージは自分のステータスに表示された情報を読み取り精査していく。すでにスキルにある【考察】がその影響を及ぼしているのであるが、ユージにしてみれば元の職業によってか普段から情報を精査・考察することに慣れているため呼吸をするように行っていく。
『【考察】スキルのカンストによりスキル解放条件が確認できました。【高速思考】のスキルを取得しました。』
「え・・・?なに、今の?なんかスキル増えたんだけど・・・」
「本当に其方は・・・。今其方が聞こえた声はシステム音声じゃ。種族レベル・スキルレベルが上昇したり新たなスキルを身に着けた際に種族を問わずに自身の頭の中に聞こえるようになっておる。スキルに関してはの、スキルレベルの上限は10と決まっておるんじゃが、レベルの横に数字表記が無いものはユニークスキルや知識的なものじゃ。またスキルはそのほかのスキルと組み合わせる事で派生するか進化していくのじゃ。それを転生前に新たにスキルを身に着けるとは・・・、驚くばかりじゃ。あとは概ね其方が考えていた通りじゃ。ちなみにシステム音声は儂の娘がやっておる。」
全能神はユージの考えを読み取って答えた。
「スキルの進化?組み合わせや統合といった事か?そして最後にサラッとシステム音声の正体バラしてるけど、ツッコまないからね!」
「なんじゃとぉ!儂の娘じゃ不満か!じゃったら其方のシステム音声は全部儂がやるぞ!」
「ゴメンナサイ、システム音声、マジ女神でお願いします。何が悲しくて死ぬまでジジイのシステム音声聞かなくちゃならんて、地獄やんか。あとは転生先での注意点やら何かあるのか?」
「特にそういったことはない。自由に生きるがよい。それが転生の条件じゃ。スキルにもあるが一般常識は転生してから分かるようになっておるから苦労はせんじゃろ。」
「ん?テンプレみたく魂のバランスがどうとかそういった理由じゃないのか。」
「なんじゃ知っておったのか。それもネット小説からかの?」
「まぁね。じゃあこれで本当におしまいか?」
「そうじゃ。では其方に良い人生を」
「あぁ、世話になった。あるかわからないけど神殿か教会みたいなところを見つけたら神様に感謝と報告しに行くよ。」
「ふむ。楽しみにしておる。」
とその言葉を最後に、神が杖を振りかざすと、ユージの体は光に包まれその場から消えた。
執筆余裕があれば連載に切り替えていきたいと思います。