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12-5 避難

雪が降りすぎて寒くて家から出れないのだが?



「…FFのマーク付き空挺徽章だ

私…FFに選ばれたんだ」


「ようやくここまで来たな瑠香坊

おめでとうFree Fall Savior

あんなに遊びたい盛りの、元気印の五歳児がなぁ

いまじゃあなぁ」


「大きくなったなぁ…あの小さかくてかわいかった五歳児がなぁ

記念式典の時に、抱っこをせがんだ女の子が」




「「いまじゃあ立派な空挺隊員だよ」」




今日私の制服と迷彩服につけている空挺徽章がバージョンアップすることになった。

夢だった自由降下過程を終業し、晴れてFFを許された空挺隊員になる夢が叶いました。

今日はそんなこともあってか第一普通科大隊、略して一大隊の皆さんに胴上げしてもらいました。

畑口三曹や秋葉三曹にはおめでとうって言われたけど、先輩たちの背中を先に追い越してしまったという不安が強いんよね。





「…私、練馬に帰ることになるんですよね」


「そう…なるなぁ、事態が事態だけになぁ」



翼者の上位組織と言われている宗教団体…光の楽園。

つい最近その名前をニュースでも見るようになった。

文京区での建物火災もそうだけど、日本各地でいろんなこの組織が活発化したせいで事件が起きているらしい。

富にぃが頭にきたとか言って軍刀を研いでるって結衣さんが言ってたな。

習志野駐屯地付近でも光の楽園の関係者が辺りをうろついていたり、近隣住民が変な黒い人間を見たとか言ってる。

門番で立哨している隊員も見掛けてるって言ってるし。

だからといって私を練馬に戻すのはいかがなものかな?



「なぁ瑠香坊、これは大林3佐からの警告だ

お前はこの前の…最終降下訓練の時に親父さんの影を見たな?」


「レ…なんでそのことを」


「俺もだいぶ前に瑠香坊を頼むと言われてな

それにあの人は、中隊長はこうも話していた」





裏切り者が…内通者がいる




「…」


「黙るのは仕方がないが、気をつけろ」


「了」



裏切り者…内通者?

まさか、私が前に見た夢が現実になりかけているのか?

今は夢で見たことは言わない方がいいのかな?

大林3佐には話しておいた方がいいかもしれない。

でも、どうしても空挺団長の耳には入るな。




「FF課程終了おめでとう瑠香ちゃん

お父さんの背を超えれたかな?

立派になったものだねぇ、おじさん感激だよ」


「空挺団長、ここまでこれました

でもまだ父にも兄にも届いていませんが」


「でも立派になったものさ

お母さんが…真奈美さんが見たらなんていうかなぁ」




空挺団長…最初にあった頃からこんな感じだっけ?

なんでずっと首元を気にしているんだろう?

それと線状にあざなんてあったかな?

この胸騒ぎのような感じはなんだろう。

喉の手前がこう…酸っぱくなるような気持ち悪さというか?




(真っ直ぐな目線と言い、何から何まで財前様に似てきたなぁ

かっこよさも、優しさは真奈美さん譲りだし

眩しくて眩しくて、修の時もだけどムカつく)





空挺団長の心の声が聞こえた?

久しぶり能力を発動させてしまったのか!?

それよりも今の声は…どう言う意味なんだ?

笑っているけど目の奥が…冷たくて苦しい。

大林3佐と小島一曹…いや、この場にいる一大隊のみんなが団長を睨んでる。

別の方からも殺意成分高めの空気を感じるし。

索敵してる限り、義烈応援団ともう一団体様がこっちを見ている。



「おやおや、義烈応援団が見にきているみたいですね

あとは…どうやらSの人間もいるようだね

お父さんの古巣の人たちが瑠香ちゃんを見にきたみたいだね

じゃあ僕はここで、これからも頑張るんだよ」


「ありがとうございました!」



団長が離れて見えなくなるのを確認して、みんながどっとため息をつく。

嫌な感じは去っていったからいいけどまだ気を抜いてはダメと言われて、敵視したくなかった人を敵視する疲れを感じた。

もうなんでこんなことになったんだよぉ。

なんだ、すごーく背の高いお兄さんたち10人が私の後ろに立ってるんですが?

目出し帽かぶってるし、みんなそこらの空挺隊員ニキよりガタイがいいんですが。

この人たちってまさか?






「おめでとう、財前瑠香

君の飛び方や姿勢を遠巻きから見せてもらった

我々のボスに似ていると、つくづく思ったよ

俺たちは君の味方だし、ボスの味方でもある

今から練馬に帰ることになるだろうが安心してくれ

俺たちも君を守ると決めているんだ」


「レ…レンジャ」


「練馬に帰ったらボスによろしくと伝えてくれ

君の成長をここで見れないことが残念だ」


「粋なことをするねぇSの皆さん

ありがとうよ忙しいのに見にきてくれてよ」



小島一曹の言葉にフッと笑いながら、リーダーっぽい人が手を振って消えていった。

瞬く間というのは、こう言うことなんだけど。

そういや、Sってなんだ?

それに、ボスって連呼していたけど?



「SFGPs、特殊作戦群のことだ

さっき言ったSFGPsの頭文字をとってS

瑠香坊の親父さんの古巣の一つだ」


「お父さんって何者なんですか?」


「…お前の親父だけど、俺たちから見たら化け物だな

さて、避難準備を始めてくれ

この問題が片付いたら、習志野に帰ってこい」


「レンジャー」




お父さんのことがもっとわからなくなってきた。

私たちと離れている間になにがあったの?

あんな過保護陸将特定害獣が?

いっつも甘やかしてくる珍獣ヒグマが特殊作戦群だったの?

そもそも論だけど。

瑠香の知らない父親の姿。

それが特殊作戦群(SFGPs)だったのです。

ボスと言われていたあたり結構すごい人だったのですが、瑠香の言っていたように過保護陸将特定害獣です。

おっと誰か来t

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