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11-2 スクールライフが…

もうすぐ10月

9月の前半の気持ちが後半です






( 午前5時半 習志野駐屯地 第一大隊本部庁舎)


「小島一曹…これは?」


「お前の父ちゃんから届いた冷凍品だ

あの人ほんとに自衛官だよな?

冷凍品は受け付けられないのに…なんでだ」


「あっ…すいませんうちの父親が」


「なぁ財前…お前に言っても仕方がないがな」





お前の父ちゃんどうにかしろ!!!






正午 聖高淳高校 2年A組)



「それで…持ってきたの?」


「そうなんだ、えみりちゃん

どう処理していいかわからなくて、とりあえずおにぎりとお弁当のおかずにしたべ

鮭のチタタプとルイベ」


「なんだか…豪華だね」


「なんだろうね紗香

…言いようがないけど、なまらムカつく」







久しぶりの学校生活。

前までは練馬駐屯地から来ていたけど、今は習志野駐屯地から電車に乗って高校に来ている。

もうすぐFF課程が始まるから、習志野で生活してるけどそんな所に郵送されたのが、お父さんの故郷の味であるチタタプとルイベ。

自衛隊はナマモノは衛生面的にダメなんだ。

でもねヒグマはやったのよ。

いじめかな…陸士に対して陸将が嫌がらせしてるのかな?

そもそも自衛隊内のルールわかってるべさ?




「ねぇ瑠香ちゃん、チタタプって何?」


『せぇつめいしよう!』


「おっ、お父さん!

なして窓から…空挺降下してきた?!」



(( イケオジ様降臨…今、空挺降下って言った? ))



『チタタプというのはもともとアイヌ料理であって

日本語直訳すれば我々が刻むものというものさ

昔のアイヌは色々なチタタプを食してきたのだが

今日はチタタプの中のチタタプということで

鮭のチタタプを送ってあげたのd』





ビシャン!


「…」


「…」


「えみりちゃん、紗香氏

何も2人は見ていないっしょ…いがべな?」


「…ちょっとぉぉぉ、だめだよ瑠香ちゃん!

せっかくお父さんが説明してくれてるのに!

窓開けてあげなきゃ!」


「早く窓開けてあげなよ…

ベランダの手すりに懸垂しながら捕まってるんだよ!?

引き上げてあげなきゃ!」


『そうだそうだ!

いやぁ、牧野さんと相沢さんはいいことを言うべな

るっちゃんも見習わなk」




ビシャン!




私は何も悪くない…悪くないぞ…も悪くないべ。

だっていきなり学校に来るバカはいないでしょ?

なしてベランダの手すりに捕まってこっち見るっしょや?!

いやいやいやいやいやいや!

仕事しろよ、今は課業時間中だべな?

幹部だろうが陸曹士だろうが、事務員だろうがラッパと国旗が上がったら仕事してるんだよ?

何やってるんだよ…こうなったら!





「あっもしもし、練馬猟友会の天城士長ですか?

はい…いつもお世話になっております

私の高校に野生の蝦夷ヒグマがですね

あっそうですか、もう間も無く」




刹那…。

私の目の前に何か黒い塊が、ベランダのヒグマ目掛けて飛び降りてきてお縄についたのです。

これで私たちのスクールライフは平和になったというのです。

猟友会の精鋭こと、修お兄ちゃん登場!

窓の外から、キムンカムイやチタタプとか言っているので捕獲された後は血抜きをしてチタタプになるのでしょう。




「るっちゃん助けて!

修ちゃんが俺のことを、仕留めようと!」


「黙れクソ親父…今日休みだからって、ちょずいてさ

瑠香の近くをうろついてはた迷惑だ

155ミリの的になるか…チタタプにされるか瑠香に決めてもらうぞ?」



「したっけ、両方で」





るっちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあん!!!

って叫び声が聞こえたけど私は気にしない。

3階の高さからお兄ちゃんとヒグマは飛び降りて、着地してそのままヒグマは特製の檻に入れられてどこかに連れて行かれました。

Over kill でお願い、お兄ちゃん。

でも財前誠のチタタプを食べるなんて死んでも嫌だ。





「…行っちゃったよ瑠香のお父さん」


「そういえば瑠香ちゃんのお父さんってハーフなの?

顔立ちがくっきりしてたから」


「なんだっけ、ひいおじいちゃんが日本人でそれ以外は全員アイヌって言ってたような…知らんけど

でもあの人、筋トレバカというか通り超えて脳筋だからね?

だめなんだよ…もう嫌だ」



「「 …えっ、そうなの 」」


「らしいよ…知らんけど」


「紗香…思ったんだけど、お兄さんかっこいいじゃん」


「お父さんもお兄ちゃんも、私と同じ第一空挺団出身

普段は隠してるけど筋トレと走るのお父さんに引けを取らず大好きなんだよ

お父さんと違って常識ある方だよ」




父の愚行に頭が痛くなってきた。

お腹すいたし…お昼ご飯食べるか。

いっただっき…なんだすごく嫌な空気を感じる。

距離にして300メートルほど後方から教室に向かって近づいてきている?

綾瀬先生じゃないし、お父さんでもなければ一体なんだってんだ?

…近づくにつれて私の体がやけに熱く感じるんだけど?





『いい加減…こっちにこればいいものを…

いつまで俺たちを待たせるんだ

早くこっちにおいでよ…瑠香』





まさか空挺の神…いや忍さんは私の学校にまで来ているっていうの?

頭の中に響くノイズが、なんかそれっぽいことをずっと繰り返して聞こえてくるし。

今日は勘弁してくれ…この後、村田三曹や加藤士長と一緒に二○系に行く約束してるんだよ。

大ラーメンにマシマシかまそうとしてるから頼むからやめてくれ。





『体に悪いものばかり食べないで…

ちゅー○あげるから…習志野印のさぁ瑠香!』




しまったぁぁぁぁ。

忍さんは私と同じで人の心の声が聞こえる能力持ってるの忘れてたァァァ。

ここで下手な行動取ったらみんながびっくりしてしまうし、かと言って放っておくのもなんだかな。

どうしたらいい?




「神前さん…顔色悪いけどどうしたの?」


「桐生ぅちゃぁぁぁん」


「何その…某歌舞伎町守ってるヤクザゲームの主人公をストーカーするヤクザみたいなモノマネ」


「えっ…あの、すいません

ご用件はいかがなことですか?」


「ごめん…ちょっとだけ話があるの

屋上に一緒に来て欲しいんだ」


「おかのした」


「ちょいちょい、淫○を使うのやめようね」






行ってらっしゃいと、紗香とえみりちゃんひ声をかけられ桐生さんと一緒に屋上に向かう。

私のいる2階から屋上までは階段で行けるけど、その間も何かと胸が苦しくなるような感じがずっとしたし、桐生さんも顔をしかめて息が荒いし。

屋上に着いた途端、そこまで苦しい感じはしなくなったけどまだ尾が引いているな。

安心したのか桐生さんは、入り口あたりに何か足で文字を書いていた。




「何やってるの?」


「魔除けの印を刻んだの、あと…葵って呼んで欲しいかも」


「葵たん」


「葵たん…ってえぇ

いきなり呼んだのは、この学校の中にいるまずい空気のこと

神前さん…いや瑠香さんを追ってここまで来た怖い存在だけど、あっちの人じゃない

神様に近いけど、生きた人と同じ」


「つまりどうゆうことだってばよ?

頭悪いから今北産業でおなしゃす」


「ネットスラングで言うところの…なんだろう

とにかくあの人は…」





『げに恐ろしく、誠に神に似た存在

目的を果たす為に手段はいとわぬ荒ぶる者

みぃつけた…手間を取らせないでよ瑠香

かわいい俺の空の子…さぁおいで我らの元へ』



「うっ…そ…どうして」




私たちの目の前には、黒い雷を纏った忍さんが立っていた。

白目の部分が真っ黒くて、瞳孔のところは濁った蒼いめに六芒星の模様が展開されている。




距離して5メートル。





私たちがいる屋上の入り口ドアの反対…練馬区が一望できるフェンスの方にいる。

この人を突き落としても、生きてるわけがないから倒しても意味がない。

葵たんの顔から血の気がだんだんと引いて、膝から崩れて立てなくなってる。

まずいな、部が悪すぎる。





「忍さん、そのおっかない雷を消してもらえませんか?」


『だめだ、またあのヒグマが来た時に対処できぬ』


「ヒグマ…話を変えます

目的は私であれば、どうして学校にきたんですか?

習志野駐屯地にいる時にでもさらえばよかったはず」



『あそこは、財前誠の息がかかっているのだ

拐かすことができぬのだ

最終手段として使うのはいいがなぁ』



「瑠香さん…ここから逃げよう

戦ってはだめ…殺されてしまう」


「だけど!」


『その子の言う通り…戦うな

俺も戦うのは嫌だ…だからこそこっちに

瑠香なんて目をしている、俺に向かって睨むとは

何故だ、何が気に食わぬと言うのだ?』





気がついたら私は、睨んでいた。

大切な友達が苦しんでいるのを見過ごすわけにはいかない。

だけど、ここで抵抗しないと忍さんの気迫に今にもやられてしまいそうだ。

抵抗する意思表示を見せないと…スカートのポケットに何か…これは?




『なぜそんなものをちらつかせる

俺は瑠香を愛していると言うのに、何故そのようなものを見せるのだ?

あんな薄情な父親からの入れ知恵か?

要らぬ知識を吹き込まれ…哀れな子だと思ったのだぞ!?

俺にそんなものを向けるな…俺をそんな目で見るな!

なんとまぁ憎らしき快晴のような転輪の眼を見せる』



「悪かったな…ボンクラな私で!

忍さんにヤッパ向けるなんて失礼なことする娘っ子で

したっけ、こんなことができるっしょ!」



「それ…本物なの?」


「んだぁ!」




スカートのポケットの中にあったのは、折り畳み式の少し大きめの十徳ナイフ。

缶切りとナイフが混合になってるタイプで、普通に捕まります。

ナイフの肢の部分には思いっきり陸上自衛隊って書いてますので、本当に怒られます。

銃刀法違反で捕まります。

なんで気がつかないのとかそんなレベルじゃありません。

警務隊と警察と検察のマッチポンプ完成します。





『やはり財前誠を殺すべきだ…

だがその前に、瑠香を拐かす方が先だな

おいで…こっちへ

さぁお父さんのところにおいで』


「近づくな」


『瑠香…サァこっちにおいで!』


「近づくな!」


『何故拒む、俺は瑠香を愛しているのだ

サァこっちにおいで、お父さんを悲しませないで

瑠香、お父さんはお前を愛している』


「最終通告だ、これ以上近づけば攻撃を行う!

例え家族であっても……近づくな!!!!」






憎らしいとばかりに手を伸ばしたのまでは見ていた。

黒い雷がタールみたいに粘り気のある物質に変わって

それが私に向かって、一瞬で迫ってきたのも…。

殺されると思って、刃先を向けて葵たんを抱きしめた眼をグッとつむった。

次に眼を開けると目の前にカーキ色の軍服っぽい服を着た富にぃがいるんだ。

手に持ってるの…軍刀かなぁ?




『お前ぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!!』



「おやおや、憲兵に恐れ慄かないか

…よく持ち堪えましたねブァカ瑠香、少しだけ褒めてあげましょう

ところで、挺進兵!

お前の願うことは全て戯言にしか過ぎない!

去れ!」


『覚えていろ…覚えていろ

必ずや瑠香は我が手中にて育むのだ

空の子は必ず我らの手に…うらめしやぁ』


「何が恨めしやだ…逮捕するぞ!

僕に対する不敬罪で!」



(不敬罪…って何?)



そう聞こえていたのは覚えてるけど、先の記憶は私にはない。

でも後すぐに富にぃが用務員さんのふりして、保健室に私と葵たんを運んでくれたのは覚えている。

富にぃが忍さんに向かって、サーベル振り回してたのも…テグスみたいなので忍さんをがんじがらめにしていたのも。




「富にぃ…ありがとう」


「黙れ殺すぞ」


「…ぇぇ」

スクールライフぶっ壊す系野郎が2人


1人は瑠香のお父さん、もう1人は空挺の神こと忍さん。

平和な学校生活を夢見てる主人公にとって2人は痛手です



次回もお願いします

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