表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/144

2-1 自衛官へ

最近、ずっと甘いものが欲しくてたまりません

なんでだろう


あの事件から3日経った

3日経ったと言うのにテレビの向こうでは、復興が遅いと放送される

そしてしっちゃかめっちゃかになったうちの学校を見て被害の大きさに驚きを隠せない

その間に、保険の加入とか千葉の家から練馬駐屯地に軽く引越しとか。

おばあちゃんと話をしたりとか、裁縫したりとかでクソ忙しい日々を過ごした。

その分、富にぃこと白石富治さんに舌打ちされまくったけどね。






裁縫できないからいろんな人に手伝ってもらったのは口が裂けても言えない





「何もできない自分が物凄くもどかしいな」




何もできないことに少し苛立ちを感じていたけど今は別のことに集中していたい。

今日は、私のスーパー身内だけでやりますよって事でプチ入隊式が行われるとのことになった。

陸自の制服やよく見る迷彩服と硬い靴といった道具が私が住む庁舎の中に運び込まれたのはついさっきのこと。





「緊張するなー」


「そんなに硬くならなくていいよ。」


「あっ、ありがとうございます」






こう声をかけてくれたのは女性自衛官の村上千春さん

階級は確か三等陸曹だっけ?

あんまりまだ覚え切れていないのが現実だけどここに来て色んなことを村上さんから教えてもらってる。

今回貸し出して貰えた制服のアイロンの掛け方も村上さんから教えてもらったもの。




そんな私の制服はお世辞にも綺麗にアイロンを当てれてないのが現実




「訓練できついことが山積みになるけど、私は服装で厳しく言うよ。でもわからないことがあったら言ってね」


「本当にありがとうございます」


「いいのいいの。 でもよろしく」




私から見たら村上さんはお姉さんみたい。

お姉さんというより、お姉ちゃんかなー?

優しくてふわふわしてる性格で私が何か不安と感じていることとか困っていることとかを聞いてくれる…




あれ?

昔、村上さんみたいに優しい人がいた気がする

誰だったっけ?

思い出せそうなんだけど…






「大丈夫? どこがしんどいの?」


「いえ、そんなことは無いのですが」


「心因性かな?」




そう心配そうに声をかけたくれたのは、少し背の低い男性自衛官の飯島健太さん。

村上千春さんと同じ三等陸曹で、確か衛生科の看護師だったはず…

飯島さんは、私の手首に触れて脈を測り始めた。




「特に脈に異常はないね。 少し顔らへんを触るよ」


「へ?」


そういうと、軽く下瞼に触って私の顔を覗き込んだ。

なんだか恥ずかしいし、ちょこっとだけ目が乾きそう。

その後も熱を測ったりと簡易的に検査みたいなことをした。

さすがプロと言うべきなんだと思う。

苦痛と感じない、むしろ見てもらえてると言う安心感の方が強く感じる。




「まぶたの裏は赤いね…。 緊張してるのかな?」


「おそらく…ですが」




なんて苦笑いを浮かべている私にポケットから小分けになっているチョコレートを出して私の手の中に入れた。




「式典の後になるけど食べて。…いつでも辛い時は俺や村上さんに言いなよ?」


「ありがとう…ございます」



なんだかこんなに心が暖かくなることは久々だな。

学校にいる時も、こう言う気持ちは起きなかったし。

おばあちゃんの家にいてもあまり無理をかけない様にってずっと思っていた…





「お疲れ様。 緊張してるのか?」


「なんだか、緊張してます」



そう話しかけてきたのは、前に私が診療所?みたいなところで田中3佐と面会していた時に、病室に来た女性自衛官の人。

田中3佐のサポートをする区隊長の向井和子一尉で、高射特科隊で仕事をしていた。





「私の入隊式の時もそうだった。 

業務連絡なんだけどね。

本当は田中3佐も、制服で出席することになったんだけど用事で迷彩服で出席することになったよ。」


「はい!」


「後、師団長も出席するはずだったんだけど急用で来れなくなった。 そこだけよろしくね。」




シダンチョウ?

何それ美味しいの?



「関東一帯の駐屯地を納める第一師団の長よ。

まあ言うならば…魔神かしら?」


「ま…魔神? 悪魔を統べる神の様なものですか?」


「それの自衛官バージョンだと思って」




なんだかすごい人がいるんだなって思う

なかなかお目にかかる人じゃない

と言うのか実在するの?




「入っていいわよ。 頑張ろうね」


「はい! よろしくお願いします!」



向井さんにお礼を言って、プチ入隊式をするために用意された会議室の様な場所に私は入室した。

会議室の両脇には、いろんな自衛官の人や船橋から忙しい時間をぬって来てくれたおばあちゃん。

そして、めちゃくちゃこっちにメンチを切ってくる富にぃ。

私の目の前に視線を向けると壇上に迷彩服を来た田中3佐が微笑みながら見ていた。





そして私はあらかじめ渡された宣誓の紙をを喉が潰れるまで叫んだ。

もう後戻りはしない。

ここから、私は変わるんだ!

読み上げてから田中3佐を見たら何度も頷いてくれていた。

本当に優しい人…なんだけどなんで汗ばんでるの?





「良い宣誓だった。これから、無理や理不尽が神前を襲うだろう。そしてこの過程を乗り越えても決して褒められることは無い。

我々は、日陰の道を歩くだけだがそれでもやる覚悟が見えた。

二等陸士として承認する。

これから、よろしく。」



「はい! ありがとうございます!」





式の間の数分で私は一般人から自衛官になった。

これから辛いこともあるだろうな。

そう思いながら私は会議室を出て自分の宿舎に戻る。

あれ?

なんか、私の部屋のところカーテン閉めっぱなしにしてたかな?

おかしいなぁ



宿舎に入って二階の部屋にいく。

そこに私の部屋がある……………



「な、な、な! なんじゃこりゃー!」








同時刻、会議室







「皆さん、今日はお集まりいただきありがとうございます。

神前トメ子さん。今日は来ていただいてありがとうございます。」



「孫をお願いします…。あの田中さんでしたっけ?

どうしてそんなに息が荒いのですか?」


「今頃、あなたのお孫さんは驚いていると思います。

なんせ…」





自衛隊名物、台風1号を発生させましたので!


今回最後の方で台風について少し触れました。

台風は、布団が吹っ飛ぶというかえらいことになります。

漫画やニュースでよくみるアレです


次回も続きます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ