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8-4 全ての元凶

週一投稿できるぜ!!


毎日投稿したいけどあたまがおっつかねぇ!



「なんだ…ここ…!

真奈美…真奈美、無事か!」


「誠さん…なんでここにきたの!

私…貴方に知られたくなくて音信不通になったのに!」


「ずっと探してたんだ

あなたの事が大切だから、ずっと探してたんだべ!

見つからねぇして、死に物狂いになって…ここさ来たら

こんな事になってたし」


「ごめん…方言強くて聞き取れなかった」


「あっ…ごめんなさい」




捕まったというのか、牢屋の中にいた真奈美はすごく憔悴しきっていて…いつもの真奈美じゃなかった。

それにお互いマッパになって布一枚被せられた状態でいたからな、寒くてしょうがなかった。

震える真奈美に俺の布被せて、抱きしめたんだ。

まずい状況にあっても真奈美のそれば入れたことは嬉しかったが、鉄格子を挟んで向こうに司祭様とか言われてる医者がいたんだよ。

ずーっと鼻息立てて俺たちを睨んでくるから、頭いかれてるとしか思わなかったけど。

頭イカれてるべな、頭いかれてるんだべ、頭いかれてるんだべな!




「僕の真奈美さんを奪ったのは…まさかあんただったんだな!

どれほど愛し合った?

本当に愛しあったとでもいうのか!

ならここでヤってみろ!」


「狂ってやがる」




あの時の俺は、そういうことしかできなかった。

確かに誰もが口揃えて言えるほどあいつは狂っていた。

おまけに自分の取り巻きたちに、己を司祭様と言わせているくらいだ。

頭のネジが無くなったとか言うレベルじゃない。

人を物としか…いや、物としてもみてないな。

そんな頭のいかれた奴に真奈美が傷つけられていたと思うとゾッとしたよ。



「お前の指図なんざ受けねぇよ!

俺は心の底から真奈美を愛している

愛している人の事を傷つけるなんて絶対いやだ

悪いが…出て行かせてもらうぞ!」


「おまぇー!

お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前お前

お前がいなければ真奈美は僕と付き合っていたんだ!

お前が奪ったのが……お前、自衛隊だよな?

確か…空挺団だよな…

うふふ…うふふ…うふふ

うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ

今から神からの啓示が来た!

この者をサタンと…我らの神の器として作り上げるのだ!」


「何言ってんだこいつ?

サタンって…神の啓示って…一体何を言ってるんだよ?

真奈美さん、こいつの事はどうでもいい

今すぐここから逃げるぞ!

真奈美さん…どうした?」


「お願い、やめてください司祭様!」


「もう決まった事だ!

恨むならノコノコとやってきたこいつと僕の思いを踏み躙った自分を恨め!」



何を言ってるんだって思った時だ。

真奈美の方に吹矢のようなものが向けられたと思って身を挺して守ったんだよ。

だけどそれは、俺を狙って撃ったんだって後々気がついたが。

一本だけじゃなく何本も、何本も矢を撃たれて俺は意識を失った…はずだった。



「あぅ…ぁぁ、あぁぁぁぁぁあ!!!」





身体中の血が湧き上がるような感覚と、平衡感覚が失われて自分は今立っているのか…それとも寝ているのかわからなくなった。

そしたら急に視界がパアッと開けてな。

何事かと思ったら俺を見下ろすように悪魔が立っていたんだ。

烏のような黒い三対の翼が左右にあって、手や足の爪は鋭く…足は猛禽類みたいな足だったかな。

顔は目つきは鋭く牙のようなものも見えた。

普通の人なら怖いと感じるはずだが、俺は不思議と怖くなかったな。




『ねぇ、俺のこと怖くないの?

そんなにずっとこっちを見てさ

俺は化け物だ、それにこいつらが作った魔物だ』


『別に怖くないな、悪魔か何かの類に見えるが

それにお前…なんでそんなに泣いてんだ?

…ここにいるのが嫌なんだな?」


『いろんな人の体に無理矢理入れられそうになった

その度にみんな拒絶反応を起こして死んで行った

運が良ければ、首無しの化け物になる

こうやって…人と話すのは君が初めてだ』


『…そうか

なぁ、俺たちと一緒に逃げないか?

そうすればここに縛られる事はないと…思うが…』


『いいよ…俺もこんなところ嫌だった

だから3人でここから出よう!

…その前に…俺を受け入れてくれる?』


『受け入れるも何も気にするな』



そうやって俺は、いや俺たちは共に脱出することを軸に翼者になったのだ。

今思えば酔狂な考え方だが、こいつもここにいるのが嫌だったのだ。

訳の分からない集団に生み出されて、訳もわからず器にされる人間の中に無理矢理押し込まれ、神に似た何かにさせられそうになったんだ。

受け入れた途端、体の中の気持ち悪い感覚は消えて力が溢れそうになった。






『マナミサン…ニゲルゾ…こんな腐った場所から!』


「お願いこんな世界から私を助けて!」





後から真奈美に聞いたんだよ、どんな姿になっていたのかと。

姿形は三対の翼に…言ってしまえば悪魔みたいで、顔も形容し難い何かに変わっていて怖かったって。

牙は冷えて、爪も伸びて…とりあえずごめんなさいとは言ったよ。

悶え苦しんでのたうち回っていたはずなのに、ぴたりと動きを止めたと思えば急に四つん這いになって身体中から羽やらなんやらが生えたからな。

今想像するだけでも怖いよな。

病院の建物をあらかた壊しまくった後に、盗られた服とか回収し、外に止めていた車に乗り込んで窓全開に

してル○ンの映画の最後のシーンに流れるbgm流して逃げた。






『すげーな、そしてル○ンと言うセンス』


(ずっと気になってたけど、翼者の方のお父さん…

部屋の隅で私のローファーとお兄ちゃんの正靴磨いてる

あっ、見せてきた…めっちゃ光ってる!)


『最後の最後に真奈美も乗り気になっていたな

よく馬鹿をやったものだ』


(ねぇ父さん、俺たちの靴磨いてるのは嬉しいけど

ちゃんと軍手しないと手が汚れ…元から黒いから分からないのか?)





うまく逃げ切って事態が落ち着いた頃、俺たちはめでたく結婚することができた。

一年後、待望の第一子…修君が生まれました。

そして修君がうまれた5年後に生まれたのが瑠香なのです。

もう毎日幸せっすね!


全ての元凶…それは財前が化け物になったことを言います


幸せは長く続くかな

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