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8-1 お父さんに甘えたい

いつのまにか一月の中旬になる…。

早く物語進めねば


「外出禁止解除…さぁて思いっきり遊ぶぞ!

営外出てやるんだってばよー!!」



外出禁止が無事に解けてようやくの休み。

幸せタイムが本格的に始まると言うのに、私は行く宛などありません。

みんな外に出て行くか、実家が近い人は実家に帰ってしまう。

千春ねぇ事、村上千春3曹も別の用事が入ってしまい遊びに行けなくなってしまいました。



「外出禁止が解けたんだ…父上殿のところで羽を伸ばせ」


「田中3佐…でも私の父は…父は」



今の私は、空挺隊員候補生扱いでしかも何故か財前陸将(おとうさん)という豪華な特典付きの教官をやってるんだよ。

負の豪華特典だけど。

だからかわからないけど、気兼ねなく話すって言うのはできない。

元々階級がってのもあるけど、尚更な今回の特訓のおかげでなんかな。




「そう固まることはないのではないか?

向こうも緊張してしまうぞ?

して…白石、お前はもう少し距離を離そうか?

久しぶりにこっちに来て嬉しいのか知らんがくっつくな!」


「僕は源一郎様に会いたくてここに来たのです!

ブァカ瑠香のことが心配できたわけじゃないんですから!」



さっきからそこにいるってのわかってましたよ。

3佐は優しいから何も言わないだけで、でもなんかすごく気持ち悪いのがいたってのは見えてました。

なんでさっきから猫みたいにゴロゴロ喉鳴らしてるの?

田中3佐優しいから何も言わないけど、嫌がってましたよね?

田中3佐優しいから何も言わないけど、嫌がってますよ?

田中3佐優しいから



「重複するような言い方やめなさい!

はしたないわ!

こんなんだから、財前誠に顔も心も似てるって言われるのよ!

ねぇ源一郎様!」


「まず貴様は、俺から離れような?!

自分史上可愛い顔してるってのがタチ悪いからな!

聞いてるか人の話!

こいつの事は放っておいて良い

神前…宿泊の許可証を持って、お父さんと一緒にいてあげなさい」


「源一郎様、私と…この富治めと接吻をぉぉ!!

唇ならここにあいてますゆぇ!

さぁ、心を開いて私のもとへ!」


「きーさま、いい加減にしろ!

離れろ富治バカこの!」





気持ち悪いもの見ちゃったよ。

3佐が目で早く行けって言ってたけど、私は3佐の笑顔を守りたいんだ。

3佐の執務室から出て行って即応の隊舎を抜けて、師団の庁舎に入る。

そこからお父さんのところに行くには、階段を上がって三階のところに行けば着く。

改めてこの庁舎に来るとどこか背筋がすっと伸びる。

しんと静まり返った廊下には赤い絨毯が一直線に伸びている。

師団長や副師団長つまり駐屯地司令の付きの人たちがいる部屋を越え、副団長の部屋を超えると重厚感のある扉が左手にあり、師団長執務室が見えた。




「二等陸士 神前瑠香、入り…」




ビュオオオオオオオオオオ!!




「ぶ…ブ…ブリザードだと!!!」



寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い。

えっここ東京都練馬区だよね?

あったかい練馬区で、しかも練馬駐屯地だよね?

なんで、吹雪いてるの?

えっまさかここって試される北の大地、北海道?

寒すぎて思いっきり扉閉めたけど、隙間から冷気が!




うぉぉぉぉぉぉん、ヴォォォォォォォォン




「間違いねぇ、これはヒグマの警戒音

ってことは、冬眠ができない穴持たずの可能性がある

ここは試される北の大地、ほっかぃ」


「うぉぉぉぉぉぉ、がぉぉぉぉぉぉ!

陸別の穴持たずの羆が出たぞー!!

ガォォォォォォォォォ!!

よし、お父さんの家さ行ぐか」


「えっ、うん…行こう…お父さん」




もの凄いドキドキする。

色んな意味でドキドキしたし、色んな意味で寒いわ。

いきなり執務室の扉開いたし、なにが羆が出たぞーだよ。

あー、お父さんのギャグセンスが低いし自分が羆だって認識してるからギャグセンスの低めのせいで吹雪で師団長執務室が真っ白くなったのか。

こんなにおバカなお父さんだけど、一緒になれる機会ってずっとなかった。

今まで、おばあちゃんの家で過ごしていたのが当たり前だったし、ものすごく新鮮だな。

いつも迷彩服着てるのにスーツ着てる姿を見ると新鮮だな。

待ってよ門を出る時ってどうする気なんだ?

流石に公用車乗っていくとかないだろうから、でもどうする気でいるんだ?



「瑠香は先に出て、お父さんは少し時間をずらして行くよ

門の前で待っていてくれ、すぐに行く」


「んだ」


「今日は家に帰ったら休みを楽しもう

俺も久しぶりに休みが取れたんだ

明後日の朝にまた駐屯地に送るから…」


「うん、それじゃあ先に行くよ」



ニコニコと手を振って身支度を済ませるお父さんより先に部屋を出て、正門に向かう。

長い廊下を抜け階段を降りて、正門に向かって行く。

門が近くのに比例して足が速くなってる気がする。

お父さんと一緒にデート…ね!

なんて考えつつ、門番をしている我が戦友の天城さんに挨拶をして正門を出てすぐの所で待つ。




『気をつけ!

かしらー中、直れー!」


「お待たせ…さぁ、行くぞ原宿に!」


「yapaaaaaaaaaaaaaa!」


「ウラー?

おま、ロシア語を?

万歳ってお前、ロシア語てお前」


同志(タウリワシ)誠、速く行こう!

時計は…G-SHOCKがいい!」


「わかった、わかったから興奮すな!

それに俺はお前をロシア人に育てた覚え…って聞いてない!」



時計なんて別にいいや、お父さんと一緒に入れるだけでいい!

すごくバブバブしたいの!

バブバブしていいっしょ?

バブバブするべさ、おとうしゃーん!

ピロシキ食べて、ウォッカ飲もうよー!

…なんかお父さんの心の声が聞こえるような?

気のせいかな?






お父さんとして、今日という日が来た。

今日は楽しまねば、お父さんとしての幸せが噛み締められない。

今日はいっぱい甘やかして、オギャバブされたい!

修もそうだ…二人同時にオギャバブしてバブバブ言ってきてほしい!

それこそがお父さんとしての吟醸(ぎんじ)だ!

だが俺はるっちゃんを、ロシア人に育てさせた覚えがないんだが?

可愛いからいいや、可愛いは正義だ!





「お父さん…原宿に行くのはまた今度でいいから

やっぱり家に着いたら、バブバブさせて」


「好きなだけバブバブ言っていい

なんなら抱きしめてもいいぞ?

時計買わないと支障が出るだろう?

でもまぁ遊びに行こう、俺も羽を伸ばしたい所だ」


「うん、今日はお父さんに甘えちゃおうかな」




その日私たちは、お父さんの運転するジープ…。

ジープかよぉぉぉぉ!!!

に乗り込み、原宿のおしゃれーな場所に行き二人で若者文化に触れてきんですよ!!

目星にしているG-shockの時計は見つからなかったので明日お兄ちゃんとお父さんと、わいでお墓参りに行った後に買いに行くでおま。

でも思ったんだ、陸将が運転し助手席でちょこんと座る陸士ってどう?

倫理的に問題ありませんか?




「神前さんと財前陸将…本当に2人とも仲がいいなぁ

天城2士はとてもうらやまけしからんだよ

財前陸将からは色々聞いてるけど、本当にうらやまけしからんねー

そうだよね、ピヨ助3曹」


「コッコッコ(訳:羨ましいですね)」


「…さっき門前に全身白い服を着て大きいリュックみたいなの前後ろでつけてた人がいたけど?

2人には見えてなかったし、なんだろう?」



それに笑ってないというか、怒っていたような。


今回は主人公に重点を置くのではなく

主人公のお父さんとお母さんに着眼を向けていきます

主人公が生まれた経緯について少し触れていきます

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