7-4 学校終わりに奇襲はないだろ?
やばいやばいやばい!
お久しぶりぶりに投稿します!
1ヶ月も間が開くとつらい!
やばいやばいやばいやばいやばい!!
もう5時半だよ、門限まであと30分しかないよ。
もうすぐ外出禁止令から解放されるってのにまずい!
(一時間前 聖高淳高校 職員室)
「あのね、神前さん
あなたいつになったら渡辺君の件を謝るのかしら?
先生はねあなたの為を思って言ってるのよ?
あの後、病院に行って怪我はなかったとは言ってたけど、なんて親御さんに説明すればいいのよ
いい加減にしなさいよ、全く!」
(なーしてオラは怒られるんだべな?
そういやぁ、空の神様の気配が…きてたんだ
38式歩兵銃だっけ…なんで構えてんのかな?
田中3佐に旧陸軍の武器のことは聞いたけど…
人に向けるもんじゃないよ
ガルガル言わないで、いい大人なんだから…神様?)
なんて事が一時間くらい続いたし、説教されたし。
また、悪魔だの犠牲になれだのと言われたし。
私のやったことは人命救助じゃないのですかねー。
悲しいですなー、悲しいですなー。
時間ないなぁ。
あと、25分で門限が来ちゃうってばよ!
「なんだか、変な気配がする」
この感じ…あの山での訓練とおんなじ気持ち悪い感じ。
もしかしてだけどー、もしかしてだけどー。
これって、翼者が近くにいる?
ここでドンぱち…できない!
小銃の類なんて持ってないし太刀打ちできない!
格闘してもあれに勝てないし。
かくなる上は、自転車ぶん投げて遺憾の意を表明するしかない!
「マーリーアー
ひさしぶりだね、かわらないね」
「久しぶり…って流暢になんで喋ってんの!?
お前…この前田中 3佐に右腕切られたやつじゃんか!」
おいおいおい!
電柱の上からこんにちはするなよ!
いつの間に距離詰められたんだ。
また…私たちと戦争するってのか!
いい加減にしやがれこの野郎!
つーか、前よりも左腕の筋肉の盛り上がってない?
「そんなことどうでもいいでしょ?
司祭さまがまってるよ、帰ろうよ」
「司祭様って…しらねぇよ!
私の家は練馬駐屯地だ!
光の楽園とかわけわかんねぇ所じゃねぇよ!」
「違うよ、僕たちのところだよ
ねりまちゅうとんちのほうがおかしいんだよ?
それに…学校ってところで悪魔って言われたんでしょ?
かわいそうにね」
こいつなんで知ってるんだ?
私の学校に内通者でもいるって言いたいみたいだな?
変な勘繰りはおかしな方向に向きかねないし…。
こいつ…人間と話すことで言葉が滑らかに出てきてる?
下手に相手をすればやられる…かと言って追い払うなり仕留めるなりしないとまた暴れられる。
どうすりゃいい!
「帰ろう…僕たちの家に…光の楽園の教会へ」
「しまっ!
『俺の好きな言葉を教えてやろう…遺憾の意!』」
もうだめだと思った時、不意に私の耳元で聞き覚えのある声とツンと香るメンソール系の匂い。
間違いない、あの人だ。
この感じ、もう一人いる。
あー、こっちの感じは殺意成分高めですね。
「死ぬ寸前でしたけど助かりました
ありがとうございます田中正明大尉!」
「遅くなって許してくだっしょっ!
おいおいレンジャーが驚いて、すっ転ぶなんてなしだぜ?
自転車までぶん投げやがって…可愛いこった!
俺の遺憾の意は通じたかい?
まぁいいぜ、ゲンに変わってやっつけてやんよ!」
いつの間に…いつの間にここに来たんだ。
って駐屯地以外の場所も出歩いていけるの!?
でも…助かった…。
助けてもらわなかったら今頃…。
ゲン…田中 3佐に変わってやっつける…か。
「この前ゲンがお前にデコピンしたろ?
その時に、お前を守るように俺を見張りにつけたんだ
さぁて工兵らしく武器はツルハシと行こうか!
あと瑠香の89式だっけ?
持ってきてるから、撃っていいぞ!
それかオラが瑠香の代わりに撃ってもいいか?」
「お前…日本兵…なんでいるの?」
そう言えば、こいつの存在忘れてたわ。
さっきすっ転ぶ時にチラッと見えたけど。
田中大尉の素振り…普通に受け流してなかったか?
やっぱり筋肉がモリモリしてるのが関係してる?
「んぁ…おめぇが噂の翼者ってやつかい?
なるほどねぇ
悪いがうちの孫娘はおめぇの所に渡さねぇぜ
追い払うの手伝ってくれるよな、挺進兵よ!」
『…修や瑠香の事を傷つける奴は…まとめて殺す
手伝うも何も、目の前の翼者を殺せばいいんだろ?
田中大尉、あんたの軍刀貸せよ
あんたの代わりに俺が血祭りにする』
「瑠香が見てる前で血祭りってよく言うぜ…
軍刀持ってねぇから銃剣使え…
お前が突撃、俺は後方支援と思わせて突撃する、異論ないな?」
『銃剣か…まぁいい、御託並べる前にやらせろ
今の俺はすこぶる機嫌が悪い…行くぞ!』
神様の体から青い雷が…雷を体に纏ってる?
すごい…私も雷出せるけどこんな器用なことできた試しがない!
特訓してようやくコントロールできるようになってきたのに、私もまだまだだな。
あれ、神様どこいった?
「おまえいつの間にぼくのところにきた!
消えろ!
マリアは僕たちとともにあるの!
お前みたいな化け物のものじゃない!」
『ごちゃごちゃと…うるせぇんだよ
お前の羽…切り落としてやる!』
「お前が消えちゃえ!」
「いくら神様といってもあの腕の力は尋常じゃない!
よけろ神様、そいつの腕は…!」
掴まれて空に投げ飛ばされた…。
いくら身体が幽体みたいだからって突っ込んで行ったらダメだ…。
なんで、なんで田中大尉は助けないんだ?
嫌だ…お母さんの事を知っている人が消えるのは嫌だ!
どんな形でもいいから、助けないと!
「投げた感じがしない?
いいや…つぎはにほんへい、お前の番だ
…日本兵、お前はいつぼくの所に来たんだ?」
「そうやって余裕こいてるのも今のうちだぜ?
挺進兵や俺の事を舐めすぎなんだ
そう言う事で…空の彼方まで吹っ飛ばしてやんよ!」
浄化炎…縦一文字ホムラギリ!
ぎゃぁあぁぁぁぁぁぁぃぁあ!!
なんだよ?
ツルハシを先を羽根に引っ掛けて投げ飛ばしたって?
空高く飛ばすだなんてどんだけ馬鹿力なんだ?
あの翼者でも流石にあの青い炎からは逃げ切れないの?!
「ツルハシを羽に引っ掛けて空に投げ飛ばした!?
あの青い炎…3佐が出してた炎で燃やしてる!?」
「だけじゃねぇよ
挺進兵…天を下りて敵の陣に雷を放て!」
『お前に言われなくても雷を放ってやるよ!
動けねぇようにお前の羽は潰してやった…
逃げ場なんてねぇぞ…関節切り落としてやる!!」
おーーーまーーーえーーーらーーーー!!!!
「神様…やっぱりすごいや」
一瞬のうちに雷を針状にして羽に突き刺してただなんて!
そのまま地面に叩き付けた…すげぇ!
こんな技…私も真似したい、いや真似してやろう!
相手の関節に打てば動けなくなる。
空からの突撃に雷の力、すげぇゾクゾクしてきた!
「挺進兵、凄まじい身体能力だな
落下すると同時に相手の関節を切り刻んでいた
ただ切り刻むだけじゃない…どうやれば素早く切れるかを瞬時に判断した
流石の俺でもタバコ吸わないと見切れないな
瑠香、もう一本タバコ吸っていい?」
「ダメです!」
「えー?」
『…これで動けまい…
敵に情けなんてかければ仲間を呼ぶだけ…殺す!』
「だからやめろって瑠香が見てる前で!」
「お母さんどこ?」
今…この翼者はなんて言った?
お母さんどこって言ったのか?!
なんでお母さんって…それになんで子供みたいな声が?
「お母さんどこ?
僕、いんちょう先生に言われて手術したよ?
頑張ったよ?
ねぇ、お母さん…お父さんどこ!?
このおじちゃんたち誰?!
怖いよ、怖いよ!」
すごい違和感してきた…。
お母さん…お父さんどこって、まさか翼者の正体って。
いやそんなわけがない!
こいつらは…一体なんだってんだ!
『例えどんなものであっても…潰す
悪いな、我が子のために死ね物の怪!』
「まってください神様!
もしかしたら翼者は…!」
「お母さん、お父さん怖いよ助けて!
いやだよ、いやだぁ!!!
い…や…だ……」
そこから翼者はピクリとも動かなくなった。
生存を確認しようとも確認する術がない。
でもはっきりと、こいつは死んだといえる。
それにさっきまで叫んでいた言葉の中身。
考えられないけど、いや考えるのを拒否したい。
だって元々は、人の可能性が…。
冷たい突風が吹いた時に翼者は散り散りになって空に舞い上がっていった。
もしかしたら…翼者を助ける道が本当はあったんじゃ…。
翼者に襲われそうになったところを助けてもらったのですが、空の神様の異常なまでの殺意は何か意味があるのでしょうか?
翼者を助ける道は…あるのかな?
次回もお願いします!




