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7-3 ラーメン二○の夢を見る

ついさっきまでブルーインパルスの動画見てました!

ブルーインパルスかっこいいよね


でも陸自もかっこいいよね…違う?



「瑠香…あんたやったね」


「紗香、まじでもういやだ…もういやだ」


「昨日なんであんなこと言ったの?」


「えみりちゃん、それがわがんねぇのよ

いつの間にか言葉がポロポロと溢れたべな」


((今…べなって言った…))


「昨日しこたま田中3佐とかお父さんとかに怒られましてねー

3佐からは、馬鹿者(デレスケ)このって言われて…デコピン食らいました

痛いかった、それにさ…」




一週間、通学以外の外出を禁止する



「と言う命令が下りましてねー

ふへへへ、まぁ渡辺君を助けた功績が大きかったからこれでも軽い方よ」



((目が死んでいる…かわいそうに))



ロープは事前に借りていくように申請出したしいいらしいんだけどね。

それでも目立たずにやれるのではないかって言われたんだけど、結局目立ったからな。

元消防士の事務職員が助けたって学校側がすり替えたらしいわ。

すごいね、うちの学校!!



「門限6時なんだよな…夕飯食べないって申請したから学校終わったら二○系行くか!」


「バレたら…処刑?」


「大せいかーい」


「リスクを背負ってもいくの?」


「それもだいせいかーい」


「じゃあ麦田先生はそれを止めないとね」





ん?

んん?

んんん?

むきちゃん先生…むきちゃん先生?

麦田先生ぇぇぇぇ!!!!!






「そんなにびっくりしないでよー!

そんな顔したら先生もびっくりしちゃうじゃんか!!」


「いつの間にいたんですか!」


「「「最初っからいたよ?」」」



「3人一緒に言わないでー!!」



「でも麦田先生は思うの…ラーメン二○食べてもいいんじゃないかって

だってあれは実質野菜だし…豚だって牧草とか穀物食べてるからあれも野菜なのよ

結局のところヘルシーなのよ…ラーメン自体」




「麦田先生…」


「神前さん」




私たちは理解した…ラーメンというのは神が作り出した叡智であり、祝福…そして恵みなのだと。

それをカロリーがどうだのと、脂質がどうだのと言って拒否していたのは人間側だった。

飯島3曹にはっきりと言える…ラーメンは最高の食べ物であり食べすぎなければ素晴らしい健康食材なんだって。



「神前スペシャルで行きます!」


「その言葉を待っていた…行きなさい」



二○の向こう側へ!






そしてきてしまった。

つい最近学校の近所にオープンした我らの血液たるこの場所に。

ラーメン二○練馬店。

学校が終わったのは四時半…そしてここまで自転車に漕いで乗った時間は約10分。

のれんをくぐり、その先にいるのはつい最近までリーマンだった店長と、その奥さん。



「久しぶり…行くかい?

神前スペシャルラーメンをよぉ?」


「もちろん頼みますよ…店長ぉ?」


「じゃあ聞くぞ、ニンニク入れますか?」


「ニンニク、野菜、アブラ、カラメ、増し増し

おまけに豚トリプルで!」


「神前スペシャル入りまぁーす!」




ここの二○は醤油と味噌の両方のうちどちらかを選択する。

私は、道産子の血が強すぎて味噌を選んでいるね。

その中にほんの少し醤油を入れてもらう。

ゴワゴワでワシワシの麺は1.5人前だけど野菜や背脂は多めに、ニンニクは休みの日以外は入れてないのよね。

豚肉は厚切り三枚を贅沢に入れてもらう。

涎が出てきた…。




「他の二○系とは違う…スピードが売りさ!」



この店長、早い・うまい・幸せの三文字を成し遂げるためにずっと修行していたのです。

あぁ、幸せなスープの匂いがしてきた…ワシワシ麺が味噌の衣を纏って…ホロホロに蕩けそうな豚が三枚麺の上に座り…クタクタに煮込まれた野菜たちが蓋をして。

背脂が宝石のように輝きながら野菜たちの上を落ちていく…。

なんて背徳的で美しいのでしょう…。



「お待ちどう様…神前スペシャル味噌ラーメンだ」


「いただきます…もぅ…耐えられない!」



割り箸を割って…まずは天地返しをせずに背脂という宝石を纏った野菜を…うまい!

クタクタになっているのにシャッキリ感がある!

数多ある野菜の中でここはキャベツともやし…にんじん。

なんて幸せな組み合わせを!

味噌スープ…こいつも蓮華ですくって…しみる。

味噌本来の優しさの中に醤油の甘さが浸る…。

だめだ、少しスープを野菜にかけて…味噌の旨みが広がる!



「なまら…なまらうめぇべさ!」


「そうか…なまらうめぇか!

作った甲斐があったってものよ!」


「とまらねぇよ!

箸がとまらねぇ…止まることを知らねぇ!」




この幸せを…この幸せをみんなに知らせたい。

二○は幸せを運ぶものだと、苦手な人もいるけれどそれでもいい。

ラーメンは最高の…いや至高の食べ物!

ワシワシ麺に極上の味噌スープを絡めて…なんて事だ。

小麦の香りを纏わせつつも味噌の優しい香りがついてくる。

いやワシワシ麺だから、味噌を纏わせてくれたのか。

スープも、麺も…私の体に、レンジャー神前の体と言う体に染み渡る……。

はぁ、最高だ…最高だよ財前誠(パピー)

お願いだがら食べにきさまい!

……北海道に帰りたい、子供の頃に行ったきりだし。

味噌ラーメンの聖地、北海道に帰りたい。



「るっちゃん…何食べてるの?

パパもそれ…食べてもいいべな?」


「いがべ、たべてみ……」


「ほぉ、味噌ラーメンか

儂の田舎には喜多方ラーメンというのがあるんだが

いいねぇ味噌もうまいべな!」


「んだんだ…ん…だ」



やばい…バレた、私の両脇からすごい聞いたことのある声がする。

陸別のヒグマと確か福島が産んだ最強の日本兵(ツワモノ)の声だよね?

財前陸将(ヒグマ)と田中3(ツワモノ)、なんでいるのかな?

誰だ…私はここに行くだなんて一言も言ってないよ。

二人とも迷彩服着てるし…店の前にジープ止まってるし。



「終わったわ…」


「「練馬駐屯地(おうち)に帰ろっか

神前瑠香二等陸士ちゃん?

どういうことか、わかってんだろぅなぁ!?!?」」


「……ひゃい」




その日、私の大好きな神前スペシャル味噌ラーメンの半分は私の胃袋に収まり残りの半分はヒグマと日本兵の胃袋に収まりました。

これを機会に二○系ラーメンも一週間禁止。

そして駐屯地(いえ)で出されるラーメンも二○系のトッピングを封印し、節制していくことと命令されたのです。

私のラーメン返せ!!!



「ラーメン…ラーメン食べてただげなのにぃ!」


「なぁ瑠香…外禁が消えたら俺の家に来ないか?」


「…えっ、まじで!!??

お父さん…行っていいの、本当に…」


「いいも何も、休日くらい駐屯地じゃないところで休め…

それに、時計も買いに行くぞ…壊れかけてんだろ?」


「なっなんで知ってるのさ!?」


「この前の訓練で時計壊したの見てたからな…

休みの合う日に行くか…なぁ瑠香!」




おとうとととたたたんんんとおでかけけけけけ!!

あー!!!!!

おとうたんとお出かけできる!!

一週間おとなしくすぐに家帰ります!!

お父さんのところに行くために!!

ヤベェ嬉しい!!



「お父さん大好きぃぃぃ!!」


「俺も瑠香が好きぃ!!」


馬鹿者(デレスケ)親子め…よもやパレンバン強襲を…

挺進兵に殺されそうだからやめておこう」

この話を書く理由。

ラーメン二○が猛烈に食べたかったから。

二○系のラーメンを食べたい。

猛烈に体に良いことをしたい。

その一心で書きました!

反省はしない

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