7-2 認めません
おっ久しぶりです!
言ってたってないか?
今回は人命救助します!
「神前さん、ちょっといい?」
「どうしたんですか、麦田先生?」
久しぶりの学校、綺麗な校舎。
そして昼休みの時に私は副担任の麦田ゆり先生に呼ばれました。
優しくておっとりしている麦田先生…好きです。
今日もたくさんプリント持ってるじゃんか。
「実はね、彩瀬先生が…この前の診断書のことを不服だって言っていて…親御さんと面談したいって」
「本当ですか?」
「私ね、神前さんがレンジャーだって信じてるよ。
なんだか、かっこいい雰囲気出てるし
私も昔に自衛隊の人に助けてもらったことあるから尚更ね」
「えっそうなんですか?」
「この話はまた今度するね…
彩瀬先生は認めないかもしれない
気をつけてね、神前さん」
麦田先生の言葉が引っかかるな。
気をつけてね、神前さん…っか。
それに何かを警戒してる雰囲気あったし。
彩瀬先生…確かにめんどくさいタイプなんだけど。
なんだろうな、このモヤモヤした感じと言うか。
何も起こらなければいいけど。
[同時刻 練馬駐屯地 師団長執務室]
「なぜ…認めてくれないのだ?
俺はきちんと書面を作ったし、衛生課の診断書も持たせた」
「女学生が自衛官になった…というのが理解してもらえないのでは?」
「ものすごく割り切ってますね、田中連隊長」
「割り切って考えねばなりますまい」
どうも皆さんこんにちは、財前誠師団長です。
娘のこと…瑠香の事がどうも学校は認めてくれないのです。
それで田中連隊長…源一郎おじいちゃんと話していたんですけどね。
どうやれば認めてくれるかなー?
ぴえん
「この前、連絡を取ったそうじゃないですか?
どうなりましたか?」
「認められませんと言われたよ
そもそも苗字も違うし、陸自だなんて嘘を親もつくんですかって?
M2持って突撃していい?」
「なりませんよ…百式軽機関銃なら貸します」
「もっとダメじゃないですか!!」
(同時刻 高淳高校 お昼休み)
「…モン○ター、わいのエネルギーはモン○ター」
「「ダメだ…心が死んでいる」」
こんにちは、牧野えみりです。
今、教室から逃げ出して屋上に来ています。
次は体育ということもあったので体操服に着替えてるよ!!
さっき彩瀬先生に酷いことを言われたのにも関わらず
るかちゃんの心はモン○ターだけです。
それにどこか上の空なのに手元でずっと黒いロープをいじってます。
結索って言ってたんですけど…なんで?
すごいおっきいリュック持ってきてたけどね。
「なんで瑠香はロープ触ってるの?」
「紗香、これね…練習なんだ
今度訓練でロープを使って人命救助訓練するから
その時の予習だよ」
「「人命救助訓練!?!?
……すごい、やっぱり自衛官だー」」
「レンジャー…レンジャー…」
あー何事もなく今日も終わればいいな。
これ以上瑠香ちゃんの事が責められませんように。
そう言えば、下の階がうるさいような…。
「瑠香…なんか下のところでぶら下がってるよ。
あれ人じゃない?」
「……今なんだって?」
「本当だ…人がぶら下がってる!」
この階の下は中学部の方ってまさか、飛び降り?
なんでこんなことに!
可愛そう…どうしたら…どうしたらいいの!
「貴方達どきなさい!
大変なことになってるのよ!?
下の階の中学生が落ちかけてるのよ!」
救急隊が来るまで待っていて!
もうすぐだからね!
「…先生、この現場は何階ですか?
概ね…四階ですよね?」
「そうだけど…何考えてるの貴方達!
貴方…高等部の神前さん!
危ないから下がりなさい!」
「えみりちゃん、紗香
三階の多目的室…救助者の下の窓
開けてきてくれる?」
「「……わかった!」」
いまは…るかちゃんに頼るしかない!
私達には何もできない。
でも、るかちゃんが出来る事を助けられるなら…。
あの子が助かるなら私は!
「神前さん何を考えて…ロープ?」
降下地点は現場より少し離れてやろう。
いきなり策を投げたらその拍子で手を離す。
だけどレスキューを待ってチンタラしていれば、体力がなくなって落ちて救助者は死ぬ。
索の先端は地面に届くな。
座席は作った、カラビナはつけた。
救助者を縛る予備のロープも体にくくりつけた!
先端は固定物に締め付けてあるから先生が外そうとしない限りいける。
やるしかない、私がやらねば誰がやるべさ?
何のために訓練してきた、何のためにきつい思いをしてきた。
いまならはっきり言える。
「今こそ…守るべき時だ」
「何考えてるの!
レスキュー隊を待った方がいいわ!
それに貴方に何が出来るっていうの?!」
「出来るからするんです
守りたい人のためにここまできたんです。
体力を考えると今やらねば、救助者は地面に激突して死にます」
「レスキュー隊の方が専門的よ!
そんなバカなことするのやめなさい!」
「先生、クソ生意気なこと言いますが…
レスキュー隊の現着待ってる間に落ちたらどうする気だ?
救助者は指がギリギリかかってるくらいで耐えてんだ
なにもやんねぇより、やって助けんだよ!
悪いが…こっから降下する!」
野次馬は…ちらほら出てきてんな!
下手に鞄ごとロープを下に落とせねぇのは予想済み。
先生達がなんか言ってるけどしらねぇよ!
ロープも投下できたし救助者は気付いてない。
落下防止の金網の向こう超えてやった。
これで先生も手を出せない!
壁蹴りの要領で下まで降りてや…地面と生体すると怖いな。
でも一番怖い思いしてんのは救助者だ!
もう少しの辛抱だ…絶対ぇ助けんだ!
「待ってろ今行くからな!」
レンジャー神前、降下地点まで降下する!
レンジャァァァァァァァァァ!!!!!
「間に合えよ!!」
ピューピューって空気を切る音がうるさい!
予想よりも風が校舎側に強く吹いて走りにくい!
さっきよりも野次馬が増えてきたし!
救護マットがあるからって間にあわねぇだろ!
『走れ…もっと早く走れ!
助ける命も助けられなくなるよ瑠香!』
『そっ空の神様!?
どうして声が聞こえ
『そんなこと後で言うから!
まず走って降りろ、そして手を伸ばすんだ!
助けを求めし者に手を出せ!
それこそがレンジャーだ!!』」
助けて!
手がもうもたない!
なんで、どうして誰も助けてくれないんだ!
お願い…携帯なんて向けないで助けてよ!
誰か…誰か!!
誰か助けて!!!!
「ゲーーーンチャーク!
からの抱きとめたぞ…
レンジャー神前、助けに来たぜ!」
「あっあぅ…あぁ!」
やべー…もう少し遅かったら落ちてたな。
体を壁側に向けるタイミングがあと少し遅かったら…。
間違いなくこの人は、落ちて死んでいた。
危ないところだったぜ。
さて…どうしたものかな?
危険なので絶対真似しないでください
主人公は特別な訓練を受けて人間卒業してるためできます
と言う感じで救助します!
何度も言います
危険なので真似しないよう!




