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6-1 闇の胎動

新しい章が始まります。

今までは時々ダークな感じだったのが今回からは全てがダークです。



       《東京高等検察庁》



「全く!

一つ終われば、また一つ仕事が増える!

イライラしてきますよ!」


「白石検事落ち着いてください…

カモミールティーを入れましたのですこし休憩しましょう?」


「三田副検事…いいえ、結衣ありがとう

結衣の笑顔を見れてすこし落ちたきました

でも僕は、ものすごくイライラしますヨォォ!!」






皆さんこんにちは、三田副検事こと白石結衣です。

この前、瑠香ちゃんとイライラマックスの富治さんに息子の結希を連れてオムライスを食べに行きました。

それから時間は過ぎて…今、富治さんはイライラ期に突入しています。

無理もありませんが…今回は前と比べて酷いものです。




「ブァカ瑠香の命を狙う集団がわかった瞬間

何人かの優秀な密偵たちが集団の仲間入りをするとは…

憲兵魂とやらを1から教え込んでやろうか!?」


「それはダメよ、いろんな意味で消されるからね?」



そうです、瑠香ちゃんの命を狙っている集団が何者なのかわかったのはよかったのです。

でも密偵を飛ばしたうちの数人は向こうに懐柔されて、つい先日仕事を辞めて消息をたってしまったのです。

それで激おこな富治さんですが、この所ずっと憲兵魂と言い出しているのでそろそろ田中さんに引っ叩いてもらう方がいいと思います。



「そろそろ時間ですね…結衣いつもありがとう」


「そんな…富治さんってば!」


「ふふふ…さぁて、あのクソ雑魚ファッキンうんこたれ財前誠のところに行くかな

あいつの化けの皮を剥がしてやろう!」


(顔はかっこいいのに性格が残念な時あるからね…富治さん)


「僕は性格もイケメンですからね結衣!」


「人の心を読むのやめてくださいね?」




《同時刻  練馬駐屯地》




「二等陸士 神前瑠香入ります!」




入れ!



どうも皆様おはこんばんにちは、神前瑠香です。

今日は財前陸将に呼び出されまして師団長執務室におります。

多分この流れは、私が何かしらの馬鹿をやってバレたと思われる!

なーんて思っていたんですがね、それなら田中3佐に怒られるしその前に沖田2曹に半殺しにされるのです。

でもいきなり上の上の上の人に呼ばれるのはちぃとおかしい訳なんです。



「ざざざ財前陸将の呼び出じに応じて参りまじだ」


「怖がらないで…すこし話がしたくなっただけだよ」


「レンジャァァァ」


「落ち着いて…大丈夫だからな?」





うながされるまま私は応接用のソファーに座り、その座り心地にとろけていた。

すこし座っただけで体が包み込まれるような安心感と

座り心地が気持ち良くて…もう…たまりません!

それに木製のテーブルがいい味を出していてエモい。



(って言って油断したらダメだ!)




いつこの人が戦闘フェーズに入るかわからないし、入ったらたまったもんじゃない!

今の所…そんな(きざ)しはないけど、なんだろう…この人。

心の中が、全く見えないどころか何もないくらいに空っぽなのは。

でも時々感じる暖かい感覚はなんだ。

なんとなく察しはつき始めてるけど、決定的な証拠がない。

いい加減焦らすのはやめてよ!



「本題に入る前に…コーヒーでも飲むか…

神前はいける口かな?」


「飲めますけど…こっこれは!」



目の前のエモいテーブルの前に置かれた白いコーヒーカップにラテアートが施され、良き香りのするコーヒーが置かれていたのです。



「俺がこうやってラテアートをするのは嫁と可愛い子供二人だけだ…あとの人間にはやらん

今回は特別…って話聞いてるのか?」


「ぬこぉぉぉぉぉ、ぬこ様ァァァ!!

んー猫ちゃん、ねぇこぢゃぁん!」


「…ふふふ、気に入ってもらえたならお父さんは嬉しいよ!」


「えっお父さん?」


「しまったつい父親口調になった…忘れてくれ!」


「わかりました…お父さん!

あっぁっぁっ、ざぁぁ財前陸将!」


「お父さんでいいよ…神前」


すごく心がポカポカする。

こんな人がお父さんなら…いやなんでもないや。

今はこの素晴らしいコーヒーを飲もう…。

飲めない、猫ちゃんが可愛くて。

にゃーって顔してるから可愛くて飲めない!

そんな優しい笑顔見せないで!

またイケオジフェロモンで殺される!



『いただきみゃぁ』




ヤァヤァどうも暑いのに長袖で通気性悪そうな迷彩服を着る財前誠陸将殿!

相変わらず暑苦しそうですね、見ていてこっちまで汗かいてきました!

お前もいたんだね、ブァカ瑠香!



「ぶふっ!

あちぃあちっあちっ!」


「…大丈夫か、瑠香?

上官のいる部屋へは入室要領の通りに入ってくると…士官学校の頃に教わりませんでしたかな?

白石富治元憲兵少尉殿?」


「令和という時代に憲兵少尉というのは必要ありません

それに僕はあなたに頭を下げないだけで、ブァカ瑠香には頭下げましたけどね」




ドアを開け放って入ってきたのは…富にぃか。

富にぃの後ろに結衣さんがいるのだけど、結衣さん?

なーんでおっかないボルトアクションライフル持ってるのかなー?

やめてよー怖いよー(いいぞ、もっとやれ)

うわー富にぃと財前陸将の間で火花飛び散っていてうける!




「瑠香ちゃん、ちょっとの間だけ…私ときてくれる?

あらニャンコのラテアート!」


「財前陸将が作ってくれたにゃ」


「いいなぁ…まずいわ

戦争になる前に逃げるよ、瑠香!」


「ピエーン」



とりあえず我、神前瑠香は脱兎の如く逃げようぞ!

では皆の衆さらばじゃァァァ!!





「行きましたね…瑠香

源一郎様…入っても差し支えありませぬよ」


「無理難題をやるな、バカ富治この!」


「二人ともすいません…俺の意思が弱いばかりに」




この男…僕や源一郎様にこうべを垂れただと?

やはり、こいつは…あの組織と何か繋がりがあったようだ。

僕の憲兵としての感が冴えてきましたよ!



「どうか二人とも座ってください

…もう少しあの子と話がしたかった」


「…して富治…お前はもうわかっているんだろう

うちの可愛い孫が化け物どもから狙われる理由を」


「僕の優秀な密偵が数人ほどやられました

うまいものですよ、なんと言うかね」



世間を闇のどん底に陥れた連中によく似ている。

力はそうでもなくても、いつの間にか浸透していく力は危険以上の何者でもない。

危険な宗教団体…名前からして辛気臭いというのに。

あいつらの狙いがまるでわからん。

くそ…僕とした事が!



「光の…楽園」


「財前陸将、今なんとおっしゃいました?!」


「財前の言う通り光の楽園ですよ、源一郎様

瑠香の命を狙い…あの子の母を殺し父親を物の怪に変えたのは」


「光の楽園…再び聞くとは

俺がこの世界にいるまでに叩き潰してやろうと画策していたのだが…奴らは強い」




光の楽園…

正体不明の新手カルト教団。

奴らの創立はよくわかっていない…だが財前のこの口ぶりでは財前が、この組織に狙われる前から存在しているのか。

化け物集団と言い光の楽園と言い…謎が多すぎる。

だから鍵を握る財前に会いにきたんだ。

僕には密偵たちの仇を取らなきゃいけないっていう任務がある。

命がけで帰ってきた密偵たちも精神をやられるものがたくさんいた。




「俺の肉体にもう一人の俺

完成形の翼者と言っていたな、それを封じ込めている」


「この前見たあの魔物がそうですか…財前陸将」


「そうですよ、田中さん

ため息しか出ませんな…まだあの組織が生きていたと思うと殺意しかわかねぇよ!」




やはり…こいつの目は心は組織に対する復讐心か。

目の前に娘がいるとその本性を出さない。

いや、出せば傷つくとわかっていたんだな。

立派に父親心は持っていたようだ。

だけど、その思いが仇になりかねないのにな。

だからといって止めるわけにはいかない。





「あの組織は一体何を目的としているのです?

不透明すぎてちっとも…」


「俺があの場所にいた時に延々と、あいつらの言う聖書とやらを大音量で聴いていた記憶はあります

まぁ忘れましたがね」


「俺たちが過去にこの国を守ろうとして必死になったと言うのに、こんな訳も判らぬ組織が蔓延るとはな…

腹が立つなぁ富治よ」


「全くですよ源一郎様!」



不透明すぎる…全てが不透明だ。

狙いは何だ?

聖書のようなものがあるのだとすれば…教祖らしい奴もいるのだろうな。

僕が考えるに相当頭のいかれた教祖なんだろうけど…。

幸せな家庭を、一人の明るい将来を潰して飲み込もうとは、許しておけぬ…抹殺するまで我が手は止めぬ。

にっくきかな憎きかな!

せっかく可愛い猫のラテアートが…消えかかってますね。

瑠香には悪いことをしたなぁ。




「田中さん、白石さん…ひとつだけ俺のわがままに付き合ってもらってもいいですか?」


「なんなりと!」


「後で高額請求しますがいいでしょう」



「今度嫁の…いえ、瑠香の母親の月命日にあの子と墓前で話そうと思います

だから二人きりになりたいので」


「「我々が芝居を打ちましょう…閣下殿?」」


「頼もしい限りです…ありがとうございます」



ようやく肩の荷が少し降りそうだと言いたげですね財前閣下殿?

さて、僕の仕事もこの件はおしまいと行きたいですが

雲行きが怪し過ぎますねぇ。

そろそろ来るのか…それともこっちから行くのか。

なぁ、戦争しようぜ光の楽園さんよぉ?


主人公の命を狙う組織がわかりました。

この組織の元ネタは…言えないです。

実際に陸、自とバチボコにやりあうというかありあったらしいです。


さて、今後どうなるか楽しみに!

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