5-5 私の能力?
小説を書いていてこの子はこう言う設定追加したろってメモ帳に溜め込みすぎてます
それが楽しかったりする。
「僕を呼び出しておいて…ブァカ瑠香の事を見ろだなんて人使いの荒い人…」
「致し方あるまい…瑠香が何かしらの能力を持った人間とわかったのだ」
「兵器側ですか?
それとも…魔物よりですか?
まさか…神様とかある意味ファンタジーな物で?」
「魔物と力のある人との間に生まれた子なのかもな」
「それはいいですけど…ブァカ瑠香は今どこに?」
「あいつなら今、オノサトコンビと走ってるぞ」
「田中3佐、富治さん大変です!」
「何事です…小野陸士長、いきなり入ってくるだなんて無粋ですよ」
「違うんですよ…神前が…同族殺しにとっ捕まったす!」
なんだとぉぉぉぉぉ!!!!!
「佐藤どけ…俺は神前と格闘訓練をするんだ」
「財前陸将すいません…今こいつは体育中でして…」
「敵はどこから来るかわからないんだ…これも訓練だ」
「神前わかんない…どうしたら良いかわかんない!
ぴえん通り超えてぱおん」
稼業はじめのラッパがなって朝は体育を実施するはずだった。
確かに私は、小野・佐藤陸士長とダンベル持って走ったり腹筋やったり色々やっていたはずだった。
「10分休憩するか…走ると暑ぃな」
少し走っただけで蒸し蒸しと熱気が上がってき始めたつい最近。
駐屯地のマラソンコースを走り抜いて少し休憩を始めようとした。
日陰に入ればまだマシかなと思ったけど、体から出る熱が暑さというのを加速させる。
「おのっちースポドリ買ってきてー」
「サト自分で買えよ!」
「えーー死んでーー!!」
なんて先輩二人が言ってた矢先でした…。
「見つけたぞ神前!
今日という今日は俺と戦ってもらう…さぁ来い!」
「「「この…戦闘狂ぉぉぉ!!」」」
「佐藤どけ…俺は神前と格闘訓練をするんだ」
「財前陸将すいません…今こいつは体育中でして…」
「敵はどこから来るかわからないんだ…これも訓練だ」
「神前わかんない…どうしたら良いかわかんない!
ぴえん通り超えてぱおん」
気がつけば周りには野次馬が殺到し始めてる。
戦えだの逃げろだのなんだかんだ皆は言っているけど誰一人として本気で思っている人なんていない。
冷やかしなんだろうけど、財前陸将だけは本気で戦おうとしてる。
なのに、不敵な笑みを浮かべられるのは…なんだこれ?
「佐藤…早くしろ…じゃないとお前から…」
「全く…こんな事で僕が前に出ないといけないというのも面倒ですね」
「ほぅ、来ていたのですか…白石検事殿?」
「まぁ、経過観察と言えばいいですかね…
瑠香…今から着替えてきなさい…お前がどのくらいやれるのか僕も見てみたいものですから」
「富にぃ、本気で言ってるの?
だって相手は!」
「空挺レンジャー…冬季遊撃徽章持ちでおまけに格闘徽章とスキー徽章までつけている
より取り見取りだこと」
「白石さん、流石にまずいですよ
神前は自衛官ではありますがまだ訓練生です
それに相手は格闘徽章持ちですよ?
下手に相手すれば神前が潰れます!」
「佐藤陸士長…だからこそやるのです…
悪いようですけど、戦争ではどれほど強い相手にも果敢に突撃しなくてはいけないのです…
瑠香が着替えるまでの間は、僕が相手になりましょう
文句ありませんか?」
「ですが!」
戦争じゃあ猛者も雑魚もみんなまとめて死ぬんだよ
甘ったれんじゃねぇぞ小僧
原型なんて留めず、無残に死んでいく…それが戦争だ
「…おやおや、瑠香はもう走って行ったようですね
さてさて財前閣下殿、あなたにはいろいろ聞き出さないといけない事がありますし好都合です
さぁて、僕がどう見えますかな?」
「憲兵に化けたつもりか?
俺がいの一番に殺してやるよ」
「戦闘服…着替たし半長靴の紐もしばったし鉄棒もよし
サスペンダーに弾帯もつけた
後は革手袋…ボロボロだ…」
いろんな訓練で使い込みすぎて革手袋が穴だらけになってる…。
だけどもたもたしてる暇なんてない!
富にぃが、財前陸将と戦ってる。
私のいる宿舎まで喧騒が聞こえ始めた…。
「いかなきゃ…助けなきゃ!」
『とてつもない相手だけど…それで戦うの?』
「この声…そ、空の神様ぁ!
どうして…どうやってwac隊舎に!」
『俺は死んでるからね…なんてね
それより…このまま力を持たずにどう戦うつもりなの?』
「それは!…それはわからないです」
『瑠香…それは自殺行為だ
無謀に敵陣地に飛び込んだ先にあるのは死だけだよ
レンジャーになったんだから、わかるだろう?』
わかっている、無謀だなってことぐらい。
でも、喧騒の中から聞こえる富にぃの悲鳴をこれ以上聞きたくない!
守りたい…ようやくレンジャーになったのに…。
こんなところで止まりたくなんてないんだ…。
だから…だから。
「お願いだから神様…私を止めないで!
無謀でも生きて帰ってくるから!」
『そうだと思ったよ…そう言うって
瑠香がちゃんとあの二人を止めれるように俺の力を少しだけ貸してあげる…』
なんでちょっとずつ近づいてきているのですか!
みっ眉間を指で軽く触らないでください!
くすぐったいですって!
なんだ…何かが私の中に流れ込んでくる感じ…。
すごく透明で軽くて、身体中の何か重たいものが消えていくような…。
神様の目、蒼いし瞳孔が六芒星みたいな模様…。
また空の上にいる!
今度は神様と一緒に空を飛んでる…。
神様その格好……網付きのヘルメットに薄いグレーの一枚つなぎ状の戦闘服みたいなのに前と背中に黄色のリュック状の袋は?
「かっ神様…ここは一体、神様は一体何者なのですか!?」
『大丈夫…やっぱり君は空の子だ
俺と同じ力を感じるよ…
いいかい、その力を持って少尉殿を護るんだ
そして、力が何を意味するのか見極めておいで
俺が道を作っておいた…さぁ』
飛んでこい
神様は私の背をおして、深い蒼で満たされた空を滑空していた。
積乱雲を超えて、鱗雲の中を進む。
ツンと冷たい空気を抜けた先に緑色の大地と天高く登る雲を右手に見ながら降下する。
雲をなぞる右手にぐっと熱がこもり出す…。
「神様…私はこの力が怖いです
でも…守りたい人を大好きな人を守りたいから…使わせてもらいます」
その熱くなった右手を一気に振り下ろす!
拳を地面にぶつけた瞬間に地響きに雷鳴、空間の全てを私が放った雷で一気に揺るがした。
これが…これが神様の言う力なのか…。
怖くてたまらない…それでも前に進む!
「いきますよ財前陸将…打つ手し止まぬ!」
「ブ…ブァカ瑠香お前どこから飛んできた!?
そしてその目の色はなんだ!」
「一瞬雷のようなものが落ちたように見えたが…そんなことはいい
さぁ、我と…この財前誠と戦え!」
「やめんか、馬鹿者共がぁ!」
えっ、田中3佐の声がする。
どこだ、どこにいますか田中3佐。
私は富にぃを、護るために今戻ってきました。
そこにいるのですね、手を振り上げましたか?
垂直に落とすってことは、チョップですか?
チョップする気ですね!
ゴン!
「いってぇぇぇぇ!!!」
「富治、ばかこの!」
ゴン!
「あはぁん、源一郎さまぁ!」
「財前陸将は後で話があります…」
「うっす」
「まったく、お前らよりにもよって喧嘩などらしくない、何をやっている!
まず、自衛官として仲間の輪を乱すことはだな」
10分経過
「今回のことは、財前陸将がやったとしても神前に危険が生起していた
助け舟を出そうとして送ったはずの富の馬鹿はだな」
さらに10分経過
「と言うことだ、わかったな?」
「「「了解でーす」」」
「お前ら後で、後で生活指導室にこい
反省文書かせる」
「3佐、財前の榴弾砲が!」
「えっきも…死ねばいいのに」
「サイテー、田中さんサイテーやだー」
3佐の説教中、不思議とさっきの力は消えていくのを感じていた。
力が空に戻るって言ったらいいのかわからないけど。
ずっと遠い空高く何かが登っていくような…雲になっていくという感じでがすると言うのか。
抜けていくと言うよりも本当に元に戻るという言い方がしっくりくる。
ほんの一瞬だけ、神様の力を使ったけど怖いと言う気持ち半分守りたい人を守る気持ちの半分が私の中に今ある。
この力の意味…私は見極めたい。
「源一郎さま…あいつ見てますよ」
「あぁ、わかっている」
久方ぶりだな、訓練課程以来だな…。
こそこそ隠れる必要はないはずだ…出てこい!
そこまでして瑠香に近付く理由を聞こうか…挺進兵!
『お久しぶりです少佐殿、少尉殿
近づく理由…それは私は昔、彼女の母と約束したのです
必ず、あの子を守ると…あの子とあの子の兄を』
「挺進兵、お前は何者なのか…
お前…まさか義烈の者か!?」
『えぇ憲兵少尉殿、確かにそうですよ
私は義烈の者です…
あのおぞましい戦で死に…尚もこの世に残ってあの子達を守ると決めた哀れで醜い亡者です…
お願いします…どうか瑠香を』
瑠香を守ってください…あのおぞましい人間たちから
そして、財前誠から…守ってください。
お願いします
空の神様の正体に少しだけ近づきました。
ミリタリーの知識がある方は義烈と聞いて少しだけピンと来るかもしれません、
その辺も追々書いていきます…。




