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5-2 基礎訓練始め…え!

基礎訓練です

ここもWikipedia見ながら漫画見ながらかいていきます


レンジャー課程が終わって身体中、痛いなんて通り越えている。

足にできた水膨れやタコは潰れていたけど慣れてどうでもよくなった今日この頃。

私、神前瑠香は田中3佐の執務室に呼ばれていました。

理由は二つ。

なんとなく察しはついていた。


「二等陸士 神前瑠香、入ります」


「ブァカ瑠香!

お前というやつは…お前というやつは!」


「白石…落ち着け

なしてオメェが怒るんだよ?」




なんで富にぃいるんだよ。

なんでしれっとソファに座ってるのこの人。

じゃなくて、私が呼ばれた理由。

その1というのが…夜中にお菓子とりわけ、ポテチとアイスを食べてたのバレました。

村上千春3曹…千春ねぇと食べてました。

見回りに来た田中3佐にバレて、3佐も一緒に食べました。



「神前…お前、儂も幹部学校に行った時にやった

ここにいる田中中隊の隊員の皆が経験したことを神前もやったのか…

即採用で即戦力ではないか!」


「なんで許すんですか!

そんな事をしたらつけ上がりますよ!

私ならすぐに切り殺しているのに」


「ここの隊員みんなやんちゃしてるし

儂が見回ってる時にやったし

ついでに儂も菓子もらったからいいべ」


「指についたカスは私が舐めまわして

それから…あぁ!」


「白石は放っていいからな

儂が見回り当番の時は馬鹿してええが、それ以外は慎むように…いいね」


「レンジャ!」



そしてその2が重要になる。

だから富にぃを呼んで、話し合いが始まるんだと直感的にわかる。

訓練が始まる前に私に出された課題の答えを聞くんだって。




「神前、オメェに聞く

お前の弱さはなんだ…何が弱さだと感じた?」


「私の弱さは孤独です

ずっと一人だと思っていた孤独だと思っていました

ですがこの訓練で気づきました

私は一人でない、みんながいる

ずっと一人と思い込んでだけど、本当はたくさんの人がいたのです」


「孤独が弱さ…面白い

どれほど足掻いても消えない弱さだな

儂もその課題は克服できていない

その孤独とどう向き合う」


「自分の目で見て確かめ見極めます」


「いいだろう!

それでこそ儂の知っている神前だ!

ということは決まっているんだな

理不尽な世界を見て、例え自分が今までいた世界に帰れなくともか!?」




確かに訓練を受けて感じた。

この世界に優しさなど全くないし、テレビで見る世界と現実とはまるで違う。

自衛隊の任務は防衛、いつ自分が死ぬか周りの人が死ぬかわからない。

それでもどうしたいかなんて決まっている。

無茶苦茶やってでも生きて帰ってやるよ。



「それでも私はこの世界で足掻いていきます

どんな形でも生きて帰る道を模索して運命に争います」



「源一郎様、この子はもう一人前の自衛官です

過去にこんなのはいませんでしょう

我々のあの地獄のような世界にはいないでしょう」


「あぁ、お前みたいなやつは…

こんなに面白い奴は儂のところに配属させたいくらいだ

いや、させよう」



配属…?

させたいくらいだ?

どゆこと?

瑠香は、頭悪いからわかんないよ。

田中中隊のみんなとバイバイするってことすか?

断固否定、我は断固否定!

絶対に嫌ダァァ!!!



「その点に関しては任せろ

司令部の配置にさせろと上が言ったんだがな

『だが断る!」っとつっぱねたのだ

という事で儂の部隊に入れるぞ

だがその前に、自衛官となるべく訓練を受けてもらうからな」



田中3佐の目線がとても暖かいや。

ずっと家族と言うか父親みたいな存在がいなかったから、こんなに心が落ち着く感じがして気持ちいい。

田中3佐だけじゃない。

村上3曹や飯島3曹…沖田専任助教に小野・佐藤陸士長。

お母さん…じゃなくて向井1尉に室戸3曹。

みんな、そばで見てくれたんだな。



「失いたくないです」


「仲間をだな…大切にしなさい

こうやってお前を見てくれるのは、そう簡単には見つからぬからな

一緒に守って行こう、よろしく頼むぞ神前」


「レンジャ!」



本当にこの部隊に入れてよかった。

たった2ヶ月の訓練期間の中でこの部隊に居たいと思えたのは…やっぱりみんなのおかげかもな。



「神前、少しグラウンドに行こうか

みんながお前を待っていてなぁ

改めて自己紹介したいと皆から申し出があったからなぁ」


「よろしくお願いします!」


「源一郎様、僕もご一緒してよろしいでありますか!」


「貴様はその辺の雑草でも食っておけ」


「わかりました!

草を食べながらついて行くであります!」


「貴様、人の話を聞いていたのか?」



デレデレする富にぃ…。

えっ、きも…体全体クネクネさせて踊ってる。

求愛行為なの、求愛ダンスなの?

見たくなかったよ、こんなにきもいダンス踊る富にぃなんか。

田中3佐…富にぃのこと放置して弾帯とサスペンダーにヘルメットつけて外に行こうとしてるし。

富にぃ、田中3佐が嫌がってるのわかってるよね?

ねぇ?






練馬駐屯地内 グラウンド




「瑠香…気にしたらだめよ

彼はこうなる事を望んでいたんだから…」


「レンジャ…」



富にぃ…勝手についてきたまではよかったよ。

でも本当に雑草を食べようとしたり…。

田中3佐にごろにゃんしようとしたり…。

激しめの求愛ダンスをするのは良くなかったよ。

そりゃ、田中3佐だってプッチンしちゃうよ。

でもなんでそんなに幸せそうな顔してるの…やだぁ。

いくら村上3曹が気にするなって言ったって…。





「そう言えばここって…レンジャー塔の前じゃん」


「ふふふ…時間になったわ

改めて自己紹介をするわ

私はお母さんじゃなくて、向井和子1尉

田中中隊の中隊長補佐と区隊長を兼ねているの

元高射特科隊にいた砲兵よ

お母さんって呼んでもいいわ…よろしく」



「知っての通り私は、村上千春3曹

職種は通信…通信アンテナの設置や破壊は私に任せて…

お姉ちゃんって思ってもらえると嬉しいなぁ

でも瑠香は寝言で私のこと千春ねぇって言ってるの知ってるよ

よろしくね」


「飯島健太3曹だ

職種は衛生科だよ

兄貴扱いしていいよ…体調が悪くなったら俺に言いに来て

後、他の中隊の人間にちょっかいかけられたら言えよ?

俺が鎮静剤を…鎮静剤を!」


「健太落ち着いて…瑠香が見てる前でだめ

お母さん怒るからね」


「…ごめん…瑠香」


「大丈夫です…それよりあそこの人たちは?」


「あの人たちね…男は総じて馬鹿だから気にしないで」




あー見たことある人たちがレンジャー塔にいる。

しかもレンジャー塔に張り巡らせてるロープに捕まってるってことは…。

小野士長と佐藤士長ずっと笑ってるじゃん。

沖田専任助教もなんか嬉しそうだし。

田中3佐…あの寝てますよね?

室戸3曹…私の方見てなんか顎しゃくれるのやめてください。

真ん中にいる人…財前陸将、仕事してください。

逃げてきたのかわからないですけど仕事してください。


「自己紹介を行うぞ!

3等陸佐、田中源一郎

田中中隊こと即応強襲部隊長兼ねて第一普通科連隊長を仰せ使っている!

皆からおじいちゃんと言われている!

よろしく!」


「レンジャァ!」


「2等陸曹 沖田宏人

職種は施設科、昔で言う工兵や!

大阪府岸和田市出身!

後俺はオネエやで!

いつでも頼りにしてしていいわよー!

他の男にちょっかい掛けられたら言いな!」


「レンジャァ!」


「3等陸曹 室戸亮(ムロトリョウ)

職種は普通科で、今まで男連中の相手してたから不在だったけどちゃんと即応強襲部隊の人間だよ!

出身県は神奈川の横浜!

よろしくな!

後、俺スタバ狂信者だからおすすめのメニュー教えてあげるよ!」


「レンジャァ!」


「陸士長 小野渉(オノワタル)

職種は普通科で狙撃手!

出身は長野県松本市、松本城の近所!

今までボケカス言ってごめん!

これからは時にはきつく、ほとんど優しく接していくからな!

兄貴扱いしてくれ、よろしくな!」


「レンジャァ!」


「陸士長 佐藤亘(サトウワタル)

職種は普通科で、重迫撃砲担当!

出身県は長野県松本市、小野の実家から歩いて5秒で俺の実家に着く!

俺はこれからもビシバシ瑠香を甘やかすからな!

酷く扱ってごめん、よろしく」


「レンジャァ!(歩いて5秒は強い)」


「陸将 財前誠!

職種は普通科だったがこの階級まで来ると職種関係なくなんだよ!

出身県は北海道陸別町、日本一寒い街から来た!

今まで神前に嘘をついていてすまなかった!

今後の訓練から俺が暇な時は、格闘の稽古をつけてやる!

よろしく」


「レンジャァ!(したっけ訛りが強いのか…あれ?)」



「以上田中3佐を筆頭とした自己紹介を終わる!

せーの」





『『『愛してるぜ、瑠香ぁぁ!!』』』





「えええええ!!!!!!!!!!!!!!」






何か叫びながら飛ぶんだろうなって言う嫌な予感はしていたよ!

レンジャー塔の前で自己紹介するってわかった瞬間からうっすら嫌な予感はした。

愛してるぜ瑠香って何よ。

他の中隊の人たちが聞いてたら恥ずかしいって…。

向井1尉の顔がどんどんと曇ってきてますが…。



「あの馬鹿たち呼びなさい。

悪いけど…お説教の時間よ」


「…はい」



この後、向井1尉は等身大ストラップを束ねて庁舎に戻っていった。

この先何が起ころうとしているのか、何が待ち構えているのかは安易に予想はついています。

でも何が起きるかなんて私はもう考えない。

考えたら負けだから。



木霊でしょうか


いいえ、ただの馬鹿です


桜が綺麗に咲いていたと思ったら一気に散って悲しいです

綺麗な桜が咲く駐屯地で主人公の瑠香は訓練していると思います


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