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3-7 何者?

三連休という素敵な響き

私は三連休を寝て過ごすというバカをしました


最悪だ




よりにもよって朝の3時の真っ暗闇。

山に入ってどのくらい日にちが立ったのかわからない。

本当に悪運持ちだよ、神前瑠香

もしかしたら蛇を食べたことでバチが当たったのかもしれない。

蛇が怒って雨降たんだろきっと





「雨か…絶好のレンジャー日和だべ」


「そうですね田中3佐

よかったな神前二士」



満面の笑みを浮かべて振り返っているであろう悪い大人二人

沖田専任助教は、満面の笑み以上に笑みを浮かべてるんじゃないかな

やっぱりレンジャーは頭おかしい

はっきりわかんだね




「そういう瑠香もレンジャーだよ?」


「なぜ私の心の声を!」


「なんとなくよ…

お母さんそういうのわかるの」


「お母さん?」


「間違えたわ

向井一尉はね、わかってしまうのよ」




自分のことお母さんって言い始めた

疲れから来る何かかな?

それとも本当に私のこと娘さんとかぶらせて見えてる?

この訓練終わったら私、向井一尉の養子になろうかな?

そしたら毎日いい匂いをクンカクンカできる

げへへへへへへへ

向井一尉の養子になりてぇー




「そんなことしたら俺が鎮静剤打ってあげるよ」


「レンジャ…」



倒れそうになった瞬間に注射打たれそう

いや、絶対打つに決まってる

最初の出発の隊列から大きく変更されて、いつでも飯島3曹の射程圏内には入ってる

なんでかな…

なんで




1番 安定の田中3佐 伝令の沖田専任助教

2番 かわいい通信さん 村上3曹

3番 わい

4番 注射器チラつかせるぜ 飯島3曹

5番 仏の向井一尉

6番 バズーカに話しかけてる小野士長

7番 地雷埋設してスッキリしている佐藤士長




に変わったの?

安定の真ん中って、ちょっと後ろに下がりたい

圧がすごいんだよー!

地雷埋設した佐藤士長のドヤ顔が眩しいです…

なんだか、疲れているはずなのに辛くない。

辛いのは辛いけど救われているような…

不思議だよ

足の感覚はない、肩の痛みも消えた

持っている銃の感覚もない

辛いと感じられない

最高に気分が良きなんだ




「なんでこんなに気持ちがいいんだべな?」


「だべな?

…田中3佐の方言移った?」


「あれ…なんで私、だべなって言ったんですかね?

まぁいいやー」





足を一歩踏み入れ…






ズドン!




あれ?

なんだ、体が急に重い。

足が前に出ない。

引きずってるのすり足してるの?

なんでだ?

なにがどうなって…

息が苦しい…




ガリガリガリ




前に進まない⁉︎

何かに引っかかった!?

やばい、前に進まないと遅れる!

3佐…沖田専任助教…みんな!



「あっあっあああああああ‼︎!」


「落ち着け神崎

竹に引っかかって動けなくなっているだけだ…」


「た…け…

すいま…せん飯島…3曹」


「神前…落ち着けないだろうが深呼吸しろ

前を向いてみろ、お前を置いていく人はいないだろ?」


「あ…」





みんないた。

前にも後ろにも…

なのにこんなに怖いのはどうして?

震えが止まらない

まだ息が整わない

みんなに見捨てられる

元に戻らなきゃ

いつもの神前瑠香に戻らなきゃ





「神前よ、慌てる事はないのだ

深呼吸なさい…のぅ?」


「さん…さ、私の事」


「置いていかんよ

皆でこの地を制すると決めているのだ

誰一人として置いていかぬ」






3佐…なんでそんなに…え?


なんでそんな…

見慣れない服装に帽子をかぶっているの?

目が光っている、月の色にそっくりだ

その格好は…



戦争の時の兵隊の格好




どうして…


「どうしたのだ?

何かついているのか?」



「あれ…今兵隊の格好じゃ?

元に戻っている?」


「何かの見間違いでないか?

さぁいこう、敵陣地が見えてきたぞ」





一体なにが見えていたんだ?

さっきの3佐の格好は兵隊さんの格好じゃ

なんでだ、もっと昔に見たことがある

どこだ思い出せない

その答えがもしからしたらわかるのか?

あの時私は…船橋の…どこかで見たんだ






「あれ、急に体が軽くなった…

足は重いし荷物も重たいの頂点に屈している

だけど不思議と体が軽い…ような…?」






3佐のあの姿を見てから不思議と体が軽い

頭をさっきよりは冴えていて、わけのわからない不安は消えている。

疲労のピークを超えているのに

3佐は一体何者なんだ?

そう言いながら私の部隊は前に進み出した

途中の小休憩も眠気に襲われて辛くて仕方がない

だけれど軽い感覚はずっと続いている

一体どれだけこの感覚は続くんだ











同時刻 練馬駐屯地 



「いつになったら…いつになったらあの子は根をあげるのだ?

白石とか言う男の言う通りではないか…

諦めない、辞めない、己の信念を通そうと言う証か…


瑠香…お前はいつになったら

辞めたいと言うのだ…


田中源一郎3等陸佐、あなたが何かを吹き込んだのか


元大日本帝国陸軍歩兵少尉…いや」





武甕雷兵(タケミカズチヘイ)

戦時の世に生まれた人造兵士(バケモノ)


何者?っていうタイトルです

主人公の瑠香は精神的にも肉体的にも参ってしまっています

そんな時に上司である田中3佐は何か魔法的なものをかけました

次で応用訓練終わり、その次は総合訓練に移ります

瑠香や彼女を取りまく隊員たちの動向に見守ってください

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