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3-3 対敵

新年明け切りすぎておめでとうございます

今年もどうぞよろしくお願いします


本格的に山に入った

山っていうよりも笹藪の中に入っている。

生活音や騒音が全く聞こえない

その分、いろんな神経をありとあらゆる方向に向けられる。

なのになんでこんなに




「眠い…」



今日夜中の3時に出発してそんなに寝てないから?

それでもな

もうお疲れ様なのか

訓練やりたくないって言う現れか

まだまだ体力は有り余ってると信じてるんだけど




「眠いか、カンザキ?」


「小野士長、どうしてそんなことを?」


「いや、昔の俺を思い出した…

歩きながら寝そうになっている自分をな

だからあえて言う」





起きろよ、この野郎がぁ!





背筋が伸びた感覚がわたしの体を貫い…

あれ?

沖田専任助教、今背中がビクッてなりました?

めちゃ周り見渡してるし

オドオドしす…歩きながら寝てた?






嫌だわ

小野ったらいきなり大きな声出して…

そんな男はねモテないわよー‼︎




沖田よ

その気持ちよくわかる

だがお前、寝ながら歩いていなよな?




何度も聞いている沖田専任助教と田中3佐の心の声。

聞き流そうとしたら聞いてしまった

やっぱり沖田専任助教は歩きながら寝ていたのあたったわ。

向井一尉の背後から溢れる怒りのオーラ…

めっちゃ熱を放ってませんか…






あっあの、仏の向井一尉が怒ってる‼︎‼︎





やっぱりみんな察知してた!!

同じこと考えてるし、同じように悟ったのか

流石、陸上自衛官

ある程度のステータスや場数をこなすと察知できるのか!

と言うことはレンジャーになるとこれ以上の事が分かると言うことね!




(個人の見解です)




「貴様ら気を引き締めろ…

どうやら跡をつけてきている

バカめ、痛い目にあいたいようだな」






ん?

田中3佐なんて言いました。

あれ、みんな空気違うよ。

弾倉を装填し始めてるし、小野士長はバズーカ舐めはじ…ばっちいからやめて!

沖田専任助教は銃剣で遊びだした。

前も後ろをサイコパスゥ‼︎




「神前よ、今まで訓練ばかりをしていたがもうこれは訓練ではないのだ

ここから先は闇、ここにいる仲間が自分が冥土に戻る

この意味…」







わかってくれるな?






「レンジャ」





山の空気が急に重たくなった。

敵がすぐ近くにいるのが直感的にわかる。

今までパキパキと落ちている枝をへし折る音。

男連中が歩いてきた形跡。

全てがなかったかのように消えている

消えているんじゃない







消したんだ!






山に溶け込み山に化ける。

そして相手に察知されないように己を消した。

まるで忍者と揶揄されるのがわかる。

いや、そうでもしないと見えざる敵に見つかってしまうのか!






だ……ず………げ




だーーーーーーーげーーーーーでーーーー



見ーーーーなーーーーい


ぎーーーーえーーーーーなーーーーー






「え?なにこれ

この頭の中に響くノイズは?」



「神前2士どうしたの…?

瑠香、ねぇ聞いてるの?」



「聞こえませんか村上3そ…!」






痛い痛い痛痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

右腕右腕右腕右腕右腕右腕右腕右腕右腕右腕

とれたとれたとれたとれたとれたとれたとれたとれた

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い

助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて






助けて自衛隊さん




「田中3佐!

先遣隊から連絡です!

右腕のない化け物と対敵したとの事

そいつはこっちに向かって四つん這いで走って行ったと!」



「来たぞ!」






誰だ。

助けを求めている人は。

こっちだ、手を伸ばして。

私はここにいる!

守らないと…守らないと…あの時のように…。

えみりちゃんの時のように…。

お母さんが、私を守ってくれた時のように…

助けなきゃ…

その手…掴みました!






「…! そん…な…!」



「おいでなすったか… 総員戦闘用意!」





無意識のうちに伸ばした手の先にいたのは、黒い羽がはえ首と右腕の第二関節がない。

私の学校を襲った化け物だ

百メートルのところまで来ていた



「なんだ…この違和感

まじかよ。」



この化け物は前に見た化け物とは違う。

化け物の胸あたりに顔の半分が覗かせていた

助けてと言っていたのはここからだったのか!




「神前なにをやっている!

戦闘だ…なんだその目」



「この目、さっき一瞬見えた目だ…

蒼い光を帯びた瞳に六芒星の模様

何者なの、瑠香」







とても視界が蒼い。

今目の前にいる化け物の弱点がわかる。

わかるけど…これは人間の急所だ。

それでも…それでもこの人を助けないと!

単独行動を許してください

助けたい!





ギィィィィ‼︎‼︎



敵が奇声を上げながら真っ直ぐっ混んでくる!

こっちは藪の中だ動けない!

さぁどうする

どうする

田中3佐なら…大島1曹ならどうする…?

接近する敵に対して…

高速系のやつに対する攻撃!




使うしかない!




「官品だけは扱いたくないけど…許してね…

89式!」



「避けろ神前!」



沖田専任助教の声が聞こえた。

目の前まで敵は来ている。

早いなんてもんじゃない

でも、お前はもう私の射程圏内だぞ!

この馬鹿者(デレスケ)






ズガガガガガガガ‼︎‼︎

ぎゃあああああああああああああああ‼︎

イギィィィィィィィィィ‼︎




「瑠香ァァァァァァ!」



「嘘だろ…神前…お前…」




相手が気づかないうちに着剣。

からの化け物の手が伸び切る前にローリングして切りつける

そして一瞬の隙をついてくっいている人間を化け物から剥がした…

それをたった一瞬で判断して行動に移すなんて

そんなトリック使えるのかよ!

小野陸士長驚いたぞ!

村上3曹も驚いて口開けてるな

面白いやつだよ全く‼︎








「ぃってててて

荷物担ぎながらはきついな…

大丈夫ですか…安心してください」



「あっ…あっ…あぁ

あり…が…と…助かった…助かったんだ」







ギィゥゥゥぅぅぅぅぅ!!








「ひぃ!」


「大丈夫です…うちの班長達…戦闘となると

人変わるので」


「へっ?」


「あれ?」





こっちを憎しそうに見つめているのかわからない。

だけど体から獲物を抜かれたあれは、ウサギのように飛んでそのまま藪の奥深くに消えていった。

私はというと助け出した人と一緒にひっくり返っている。

そろそろ起き上がりたいな…






「あの…大丈夫ですか…?」


「大丈夫ですこのくらい慣れて…」



慣れていると伝えようとしたときには体がまた吹っ飛んでいた。

おかしいと思ったときには目の前で胸ぐらを掴む田中3佐…





「この大馬鹿ものか!

貴様死にたいのか⁉︎

死にたいなら勝手にやれ!

だがお前を守ろうとする仲間はどうなる?

死んだ後に船橋にいるお前の祖母はどうなる?

勝手に飛び込んでいくな!

死のうとするな!」


「レン…ジャ…」


「お前の戦闘行為、そして果敢に救助者を助けようとした事は称賛する

だがやった行為自体は自殺行為だ!

俺たちはチームだ。

忘れるな、消して一人で戦うな

守るべきものと守りたいと思う存在がいることを…」





敵はいなくなった。

下手に追う必要をないと判断したのか。

みんなで私と要救助者を引き揚げた

本体との距離で四十メートル下に滑落した。

背負っていた背嚢(リュック)で命拾いしたんだ。




本気で怒られたのはこれが初めて

3佐の目には怒りよりも安堵や恐怖が消えている。

そして親心のようなものが映り込んでいた。

これから先の訓練で私はなにを見るんだろう


今回は少しだけ戦闘描写もどきを入れました

このパートでは戦闘より成長を描きたいです

戦闘行為するけどねー

おやすみなさい

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