3-0 応用行動、事前訓練
最近、手袋をはめた時に入りにくいと思ったら指先の、皮がベリベリにめくれていました
痛いです
ちなみに新章に突入したのですが
章の作り方がやからないので3-0という形で書きました
青い空白い雲、緑のグラウンド
そして草だけのたんぽぽ。
十二月のクソ寒いはずの駐屯地
今はめちゃめちゃ暑い
だってそれは…
「レンジャァァァァァァァァァァァァ!!!
」
「おらもっと蹴れよ! そんなんじゃ仲間は守れないだろうがボケェェ!!」
一時間前
「本日より応用行動1を行う!死ぬ気でこないと死ぬぞ!
わかったか!」
「レンジャ!(今死ぬって言葉重複させた…)」
今、沖田専任助教からあった訓練内容。
そう応用行動と言われる訓練は3つある。
1.敵さんの倉庫を襲ってぶっ壊す。
想定として敵さんとの距離を15キロ先の場所まで歩いて行く。
山の中を歩くよ!
2.仲間を分散して敵さんの指令所やらアンテナ的なのを襲って壊す。
これも想定して山道歩いて20キロ先に行く。
3.水路を通って敵さんが作った橋桁とか橋そのものをぶっ壊すよ。
これ爆薬使うよ。
これも想定で山道を20キロ歩くよ。
なんかキリのいい数字だけど沖田専任助教とかが
『もう少し歩くか後20キロ!』
なんていいそう言いそう。
いや絶対言う。
死ぬぞって二回重複させてるくらいだし
やりかねないなー。
神前瑠香の経験上、絶対に言うと確信できる!
やるしかないね
「同時並行として格闘訓練を行うが
特別にこの方に来ていただいた!
どうぞ!」
「はーい!はいさーい!
神前二士の推しメンおじさまこと大島一等曹だよ。
下の名前は誠だよ」
き
き
聞いてねー!!!
いや待てや!
聞いてないってかいつの間に参加決定したのさ
そもそも大島一曹は一特科をボコボコにした挙句
田中3佐に、暴言はいたじゃん
「邪魔しやがって…だがもう良い。次は…お前だ
神前瑠香二等陸士
お前の自信や誇りそして何もかもを潰してやる
お前なら可愛く踊ってくれるな?」
なんて言ってたの私は忘れていないぞ!
本気で許さんよ?
事に臨んでは処すよ?
「ちなみにおじさんは最終行程も一緒に山へ行くからね?」
え?
応用訓練の後の最後の地獄もこの人が同行するの?
いやツッコミどころ多すぎてわけわかんない
なんでそんなに笑っているのこと人?
「……神前、あの時は悪かった。
前いた駐屯地でもおじさんはこんな風にゲリラをして格闘の訓練をしていてね。
今回もそうなんだ。
悪役になってきついことを言って意識を高めてもらいたかったんだ」
「…レンジャー」
「大丈夫
普段の格闘訓練の成果をおじさんに見せて欲しい
酷いことはもう言わないから安心して」
信じてもいいのかな
信じて訓練に臨んでいいのかな?
私を見る大島一曹の目の奥になんとも言えない何かを感じる。
気を抜かないようにするのでやっと…
「はい!
ということで、応用行動事前訓練!
今日は終日、格闘訓練祭りだよ!!
だからよぉ(格闘を)止まるんじゃねぇぞ」
あっ詰んだやつ…
青い空白い雲、緑のグラウンド
そして草だけのたんぽぽ。
十二月のクソ寒いはずの駐屯地
今はめちゃめちゃ暑い
だってそれは…
「レンジャァァァァァァァァァァァァ」
「おらもっと蹴れよ! そんなんじゃ仲間は守れないだろうがボケェェ!!」
サンドバッグに正面蹴り30回これを5セット
右足での蹴り30回これも5セット
左足での蹴り30回これも5セット
これに大島一曹から永遠と罵声と怒号が飛び交うよ!
素敵だね
今は、正面蹴り30回を5セット目
「息が…でき…ない。」
「口をパクパク動かさないでよー
鯉みたいじゃないか?」
たった1つのその発言がー
我の心のー
火をつけるー
ガソリンかけるー
激おこるぞー
「レンジャァァァァァァァァァァァァ!!!!」
「だからもっと本気出せゴルァ!
テメェはその程度かあー!?」
物凄い罵声アンド怒号が飛んでくる
慣れてるはずなのにどうしてこんなに心が痛いんだ?
あれ?
沖田専任助教や佐藤・小野陸士長からの罵詈雑言には耐えれるのになんでこんなに辛いの?
どうして大島一曹も、泣きそうになってるの?
大好きな大島一曹だからじゃなくてもっと何か違う。
これは何?
思い出せそうなのに…思い出せないのは何?
「…よし。十分間の休止とする。」
「レンジャ」
そう言うとどこかにそそくさと行ってしまった。
またタバコでも吸うんだなー
大島一曹のいく先にはちょっとした喫煙所がある。
自衛隊用語で煙缶と言われる。
そこにいくとタバコ臭がキツくて行きたくない。
3佐にもダメ絶対と言われた。
「でもタバコってどんな感じなんだろうなぁ」
「吸わないほうがいいぞ」
「んひゃあ! 大島一曹!」
「なにんひゃあって? あげるよ」
いつのまにか背後に立っていた優しい笑顔の、大島一曹がココアあげるーとばかりに缶を渡してきた。
お父さん感をすごく感じます
エモい
「いつも頑張っているな、明日から応用が始まる
これは景気付けだよ」
「ありがとうございます」
琥珀色の目が私を見つめている。
不思議と私の心の中を見透かしてくる感覚があるのに
訓練中と違って気持ち悪さのようなのは感じない。
「頑張ろうな一緒に…」
「お願いします」
そう言う大島さんの表情はとてつもなく悲しかった。
その日はずっと大島さんの顔はとても暗くて辛そうだった。
私にはその理由がわからなかった。
今回も主人公の瑠香と、大島一曹の絡みを書きました。
なぜ瑠香に近づくのか、どうして訓練に参加したがるのか
それについては今から始まる応用訓練編でわかります