16-0 巡る時
後数話で完結します。
ここまで読んでくださってありがとうございます
もう少しだけお付き合いください
[正午 練馬駐屯地 隊舎付近]
あれからもうだいぶと経った。
季節は春を目指すくらいにはなっている。
あの事件以降、光の楽園は解体された。
そして、坂口安吾空挺団長は私の母の殺害を認めて今は逮捕されたそうだ。
と、セクシープリティイケメン最優秀検察官の白石富治が言ってました。
もうこう言うの長ったらしいから嫌なんだけど。
「怪我の具合はどうじゃ?
まだ擦り傷が痛むんじゃろ…無理しちゃいけんよ」
「飯島三曹…ありがとうございます
だいぶと傷は癒えてきました」
「よかったわ、何かあったら言いんさいね」
あの事件以降、ほんの少しだけ即応強襲部隊の何か根幹たるものが変わってしまったのです。
父親だけが私を過保護に扱ってきたのに、即応のみんなも過保護になってしまったんです。
さっきの飯島三曹と言い、副部隊長の向井3佐と言い過保護すぎるっぴぃ!
「練馬も…習志野もそうだけど何もかもが全部変わったな」
あの事件の後、批判と誹謗中傷が殺到した。
お父さんは全部の対応に追われてタバコを吸う量が増えてしまったらしい。
首謀者である桐谷勝はやっぱり自分勝手な理由で犯行を犯してた。
自分の中にある人体実験をやって自分なりの使徒を作ろうとした。
結果出来上がって翼者なる首無しのコウモリ人間みたいなのが完成した。
それを有りとあらゆる患者に埋め込んでいったそうだ。
他にも私のお母さんを殺そうとしたんじゃなくて私たち家族を抹殺しようとしていたけど、犯行現場にいたのがお母さんだけだったからだそう。
「無茶苦茶もいい所だよね」
もう一つの理由、お母さんが組織に…光の楽園に強制加入させたれて現状を見て時間をかけてながら証拠を作って内部告発しようとしたらんだ。
桐谷からしたら自身の好意をないがしろにして、挙句に自分の研究を妨害したのが気に食わなかったんだと。
「瑠香、飯食いに行くだか?
佐藤士長じゃなかった…サトにぃは今から行くんだけど?」
「ご一緒させてください
あっ田中2佐…また追いかけっこしてる」
「あの2人…ほんとに飽きねぇよな」
「お前ら飯まだ行ってなかったの?
俺もついて行っていい?」
「「室戸三曹、一緒にいきましょ!」」
お兄さんの田中1尉はまた何か売店で勝手に買い物してきたな。
田中兄弟の鬼ごっこは今ではもう練馬名物になってしまった。
お兄さんの方は幽霊だけど売店行ってるし、と言うか田中2佐自体も昔は…いや考えるだけ野暮だね。
追いかけっこを側で見ながら食堂に行く…。
「3人とも遅いやないの!
みんなで食べようって待ってたんやから!」
「はーい!」
私は知らなかった。
学校で起きていた珍事件を…そしてそれを目の当たりにする事を。
時は巡ります。
何度も何度も季節は変わり人は変わり全てが変わります。
今の落ち着いた雰囲気がずっと続きます