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14-9 咬ませ犬

久しぶりにバイオ4の実況を見てますが、面白いけど怖いです。


咬ませ犬



「真っ白だ…何もかも真っ白な雪景色みたいだ」



「冷たくて寒いからなぁ

でも雪と違って足元はブヨブヨやけどなぁ」





間に合わなかった。

何か声が聞こえたと思ったんだけど、その声の主がお父さんだったからもしかしてと思ったんだ。

目黒からここまで来るのに道路事情が酷くなったとは言え予想のり到着時刻よりも1時間も遅くなった。

途切れた無線の向こうで田中2佐達が交戦してるのは聞いていた。

決着がついた瞬間、何も無線から聞こえなくなった。

私たちはある意味で咬ませ犬だったのか。





「まさかこんな事になるなんて」


「瑠香のせいじゃない

瑠香はお父さんの『声』を聞いて私たちに場所を教えてくれたじゃない?

移動していたのは想定外だったのよ」





気持ちを切り替えろ。

この下に埋まっている自衛官達を、まずは助け出さないと。

と言ってもブヨブヨは一体どのくらいの高さまで積もった?

練馬に来る道の途中から、すでにこのブヨブヨが悪路を形成し始め、知らず知らずのうちに坂になっていた。

練馬駐屯地の隊舎が埋まっていると推定する高さということは…考えたくない!

…地面から何か音が聞こえる?

これって音楽…あっ違う、これはまさ





「…DAISUK○!」





うわぁ、たっ田中…田中2佐の踊るDAISUKE!!

神々しい…とてつもなく神々しいであります!

神々しく青い炎を纏っているであります!

あちち…あちちちちち!

地面のブヨブヨが溶け消えてやがらぁ!

ブヨブヨが消えていったってことは…元々の地面が見えてるってことって?



「落ちていってるぁぁ!」



空間に投げ出された!

ブヨブヨが形を保っていられないくらいの熱量ってことか!

こうなったら必殺奥義…5点接地法をやるしかない!

でも自分ができたとして他の人たちは!?

地面に激突しかねない…ぐぁえ!

タバコの匂いと、硝煙の匂いに力強い腕の力?

抱きしめられているのはわかったけど、滲み出る黒い液体というか。

これ私の雷の性質を持ってる感じがするってことは。





『源一郎の変な踊りがブヨブヨに聞いたみたいだな

いろいろと教えてくれてありがとうな瑠香(ニャンコ)



「忍さん…じゃなくてひいおじいちゃん!」



『他の人たちも無事だよ

ほら、義烈のおっさん達がみんなのことを拾ってるから安心してくれ!』




義烈のおっさん達は失礼だけど、兄貴達と富にぃの作る砂鉄みたいな何かが即応のみんなと高機動車をキャッチしてくれた!

練馬のみんなは田中2佐の炎が包んでいたおかげで無事みたいだしいがった!






『無事に地面にとうちゃーくっと

みんなが無事そうだし、怪我もなくてよかったにゃ』




安心しすぎて足がプルプルしてる。

倒れてた人たちがみんな立ち上がって、状況の確認を始めた。

ぴっ、ピヨ助は…天野副団長が守ってもらっていたのね。





「無事でよかった…飲まれる前になんとか炎で全てを覆っていたから燃えて空間ができたのが助かったのか」



「そんな事を言うほど今の状況は甘くありませんよ

あれは…瑠香のことに気がついたみたいです!」







見たくなかった。

真っ白い巨大な人間みたいなものが大多数の翼車にワイヤーで吊るされながら空を宙吊りにされている。

そいつの目の色がお父さんと同じ透き通った琥珀色。

嫌な感じがすごくすると思ったら、坂口空挺団長の殺意と同じ感じだし。

その二つがずっと入り混じってせめぎ合っている。

ブヨブヨが溶け消えていった後に漂ってきた血の匂い。




「師団長が…あそこにいる」


「財前士長、無事だったね!」


「天野副団長こそ!」


「あれが向こうの真打よ

あれの中に師団長がいるのは間違いないのよ

情報部がよこした情報よ

それと突入するには口の中にダイレクトエントリーする他なし」


「習志野が動くのですか?」




天野師団長の顔色が益々悪くなっていっている。

怪訝そうに田中2佐や富にぃが話をして顔を引き攣らせた。

即応のみんなも、防護していた他の中隊の人たちもずっと首を横に振り始めた。

言いたいことはなんとなくわかってしまった。

嘘であってくれと言いたかったけど嘘ではない



「習志野は掃討作戦で手こずっているの

他の習志野上がりの予備隊員ですら動けない

手も足も出せないのよ」



あいつに





咬ませ犬というよりも敵の真打に対して経験というエサを与えていたのです。

田中2佐がみんなを守るために放った炎…まさかのDAISU○Eです。

どこも動けない中、彼らの取る選択が何か次回もお願いします



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