ハル1
目覚ましの代わりに、部屋の呼び鈴がなる。
まだ起床時間では無いのに、こんなに早く誰なんだろう。
眠い目を擦りながら玄関に向かう男は、鍵を開けドアを開けた。
目の前にいるのは、隣に住むユキだった。
「おはようーなんだよ~朝っぱらから〜」
「おはようじゃない。ちょっと!!あんたいつの間に!!」
ユキは興奮状態で玄関の中に入ってきた。そしてその隣には、小さな女の子が不思議そうな顔でたっていた。
「ちょ、ちょっと待って!?なんの話しだよ??俺が何したんだよ。……ってその子は誰??」
男はユキに尋ねると、
“バタン”とドアが閉まると同時に、
「ハル!!!!あんたの子でしょ!?身に覚えないの!?こんな小さな子を捨てるなんて!!サイテーにも限度があるわ!!」
と、声を荒げた。
ハルはきょとんと目を丸くした。そして、小さな女の子に目をやると、その子はにっこりして
「おはようございます!わたしのなまえはコウノカナです!はじめましてパパ!」
ハルはさらにきょとんとして、びっくりして物も言えなくなってしまった。
「あんたね!アキさんと繋がってたわけ!?この子の母親は高野アキよ?どういうことか説明してよ!」
「ちょ、ちょっと待てって!アキにはあれ以来会ってないって!!お前だって知ってるだろう??」
「だってこの子が!!」
もう、ふたりとも訳がわからなくなってしまった。
しかし、カナはにっこりと笑いながら
「ママはパパが世界一大好きだって言ってたよ!」
と言った。