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ダークエルフ姉妹と召喚人間  作者: 山鳥心士
第八話 新たな足音
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ブラン・レポート3


 『躍進する者(エボブラー)


 “躍進する者(エボブラー)”とは魔族が持つ固有能力あるいは、魔術の基礎を昇華させ、現実では起こせない奇跡ともいえる技を使用可能な者を指す。先天的に能力を有する者は存在するが、大方の魔族は後天的で自身の鍛錬によって身に付ける。私の“隷属の鍵(エスクラブ・オブ・キー)”は先天的に有していた能力であり、私自身魔術の基礎を体得していない。


 戦いを好む魔族が減少傾向にある為、“躍進する者(エボブラー)”の数はそれに比例して減少している。能力を有しているものは必然的に魔界では強者となり得るだろう。


 能力の分類について


 “躍進する者(エボブラー)”の能力は大きく五つに分類される。魔族の種族、性格によって会得する能力は個人によって異なる。自身の得意な魔術に合わせて能力開発を行う必要がある。その適性判断は主に魔力を植物の葉に注ぎ込み、その変化の仕方によって判断される。


 強術。葉の変化が硬質化、あるいは色が濃くなった場合に該当する。適性が強術の“躍進する者(エボブラー)”は魔力による肉体・物質の強化を行使する。闇属性に類似の魔術が存在するが、強術の“躍進する者(エボブラー)”には到底及ばない。


 法術。葉が燃える・水浸しになる・帯電する等、魔術六属性のどれかに当てはまる変化の仕方をした場合に該当する。また、葉に付与された属性が最も強化しやすい属性となる。


 法術の“躍進する者(エボブラー)”は魔術の基礎である、火・水・土・風・光・闇の全属性を極め、更に六属性に縛られない新たな魔術を行使できる。単純な魔術強化と受け取れるが、魔術を極めるというのは最上位魔術を詠唱無しで連続発動できる次元であるので、侮ってはいけない。


 創術。葉から枝や蔦が延びた場合に該当する。創術の“躍進する者(エボブラー)”は自身の魔力によって生物・非生物問わず創り出すことが出来る。しかし、創り出したモノは非現実的な現象を起こすことが出来ない。例を挙げるなら、姿が見えない剣や翼が無いのに空を飛ぶ生物など。


 創り出したモノを他の“躍進する者(エボブラー)”に追従するほどの能力にするには文字通り創意工夫が必要な能力である。


 幻術。魔力を注いだ葉が霞んでで見える・別の物質に見える等の視覚的な変化が起こった場合に該当する。幻術の“躍進する者(エボブラー)”は能力をかける対象者に対して、自我の喪失・幻視幻聴で惑わす・心身の掌握など精神を支配する能力である。


 非常に強力であるが、能力行使には相手に触れる・目を合わせるなど条件が必要である。


 私の“隷属の鍵(エスクラブ・オブ・キー)”は幻術に該当する。使用条件は後述するが、創術で鍵を創り出し対象者の体に差し込むことで成立する。


 そして、先の四つの変化に該当しない変化をみせた場合。異術と呼ばれる極めて特殊な能力を有する者が存在するという。


 異術を扱う者は希少で、能力を目にする機会が無いに等しいと言われている。実際、私自身も異術を扱う“躍進する者(エボブラー)”と出会ったことはない。噂では何度殺しても殺せない、気がつけば目の前に死体の山があったなど不可解なものばかりである。


 出会う機会があれば、私の“隷属の鍵(エスクラブ・オブ・キー)”で実験材料にしてみたいものだ。


 先に述べた“隷属の鍵(エスクラブ・オブ・キー)”の使用条件だが、幻術の能力であるにもかかわらず創術を使用している点について補足する。


 異術を除く、強術・法術・創術・幻術は円状にして現すと、隣り合う能力は適性能力に劣るが使用することが出来る。


 幻術が適性の“躍進する者(エボブラー)”ならば創術・強術を使える。法術が適性の“躍進する者(エボブラー)”ならば強術・創術を使える。といったように鍛錬次第で能力を併用できる。


 逆に最も適さない能力は一切使用することが出来ない。仮に使用できたとしても、必要最小限の力しか発揮できないだろう。



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