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第133話 対決

しかし一方で、



形固の中では



飯山を持って行かれるのではないかと



ますます不安がつのっていた。



「飯山を奪われるな。隠せ。



奪われたらお前らを殺す。



絶対取られるな。」



形固は部下に叫び続けていたが、



幻格大僧正の配下である覚陰かくいんには



すでに飯山のとらわれている場所は



見抜かれていた。



覚陰は立ちはだかる敵に



大薙刀おおなぎなたを振るって



飯山が運ばれて行こうとしているとこへ突進して行く。



形固はなだれ込んで来る敵を押さえようと



最前線に飛び出していたが



飯山が気になって仕方がない。



こうしてはいられないと、



最前線から引き下がり、



後ろから押して来る味方の頭上に飛び上がった。



形固は念の力で空中を飛んで



飯山のいる方向へ向かって行く。



目ざとくそれに気づいた覚陰は



攻撃して来る敵を斬り倒すと、



サッと飛び上がった。



そして薙刀なぎなた下段げだんかまえたまま



形固に向かって、ミサイルのように



一直線の軌道をすごいスピードで飛んで行った。



念の強さも並はずれているのだろう。



下では大乱闘の修羅場になっている。



上を飛んでいる自分に気づく者はいないだろうと



思っていた形固は不意を突かれた。



気配に気づいて振り向いたときには



覚陰かくいんの大薙刀が下段から



自分に向かって振り回されたところだった。



「うわっ」



横胴に薙刀なぎなたの刃がうなってきらめいた。



思わず「わっ」と叫びながら



体を斜め横に飛び退かせて回転させ、



覚陰に正対せいたいすると、



二の太刀たちはじいた。



形固の服が斬られて流血している。



「くそっ、こんなもの。傷は浅いわ。



今度は俺がこの太刀を見舞ってやるぞ。」



言うが早いか形固は袈裟斬りを高速で



左右に回転させて覚陰に突っ込んで行った。



覚陰は受けあぐねて、



右へ右へと回り込んで行く。



形固は刀の風切り音を連続させて



目にも止まらぬ速さで風車のように回転させている。



覚陰は形固の弱点を見抜こうと



間合いを取りすきねらっていた。

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