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第132話 呪詛

形固の想念がズンと重苦しくなった。



いやな気分だ。



心臓がめ付けられる。



呪詛じゅそだ。くそ、やってやがるな。



そっちがその気なら覚悟しておけよ。」



形固の怒りの炎に油が注がれたようになって



憎しみの想いが爆発した。



しかしそれにつれて



呪縛じゅばくのエネルギーも一挙いっきょに高まってきた。



呪詛じゅそはかけられている者の意識に比例して



強まったり弱まったりするようだ。



憎しみやうらみを持つ者には



それがストレートに突き刺さってくる。



「ウーッ」



不快な苦痛が意識をめ付ける。



「クソーッ」



形固は鎖鎌くさりがまをつかむと回し始めた。



呪詛をしている連中に



分銅ふんどうを見舞おうというのだろうか。



念の波動がイナゴの大群のように



空中に広がったり狭まったりしながら



形固に向かって突撃して来る。



不意にビュンと分銅が後方へ飛んだ。



あっ、失敗だ。



前に飛ばなくてはならないのに。



その途端、クルクルッと何かにからみついた。



人だ。ひとりポツンと集団から離れて



茫然ぼうぜんと座り込んでいるその者にからみついた



次の瞬間、ビュンと引っ張られて空中を飛んだ。



「あーーー」



絶叫を残して人が飛んで行く。



ボロボロに破けた裾長すそながの服の破れ目から



体に巻き付けたダイナマイトがチラッと見えたかと思うと



呪詛集団の中に落ちて消えた。



「ズドドーン」



地響きがしてイナゴの大群のような波動がプツッと途切れた。



自爆で死んだ者なのだろうが、そこから抜け出せず、



いつまでも自爆を続けていた。



「それだ。使える。」



形固は咄嗟とっさひらめいたのだ。



後方の呪詛集団をやられて僧兵達は動揺した。



「突っ込めー。前に出ろー。」



形固は半狂乱になって号令をかけた。

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