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第122話 腹の中

半分づつにされていたイタチが



合体して元に戻った時、



一瞬にしてカマキリの術が解(と)けてしまったのだろう。



またもや鬼達が勢いを取り戻して来た。



そしてサホミがいなくなったことを



怪(あや)しんで騒ぎ立てたが、



異常に大きくお腹の膨(ふく)らんだイタチを見ると



「こいつだ。こいつが腹ん中へ入れたんだ。」



「腹ん中だ。腹を斬り裂けー。」



「逃がすなー。」



口々にわめき立てた。



イタチは刀を両手にぶら下げて



何事もなかったようにキョトンとした顔で立っていた。



鬼達は隙(すき)を狙(ねら)って攻撃しようとしている。



だが得体(えたい)の知れないイタチに恐れを感じているのか



動きが止まったままだ。



すべてが固まっている。



しばらく睨(にら)み合ったあと



突然イタチが歩き出した。



出口に向かっている。



鬼達は襲う機会を狙(ねら)ってついて行く。



誰かが攻撃の糸口をつければ一斉に襲い掛かるつもりだろう。



「ハークショーン」



不意にイタチが弓なりにした体を前に振って大きなくしゃみをした。



「それーっ」「殺せー。」「やれー。」



隙に乗じた鬼達が先を争って襲い掛かかった。



カキン、カキン、カキーン、



イタチは体をクルクル回転させながら



両手に持った刀で攻撃をかわすと



相手をバタバタ斬り倒した。



「キャハハハハー」



イタチはおかしくてたまらないように馬鹿笑いすると、



ますます動きが速くなって



鬼達がバタバタ倒されていく。



キーン、ドウーン、ドウーン、ドウーン、



急にあたりを揺(ゆ)るがす地響きがしたかと思うと



パオーン、パオーン、パオーン、



ほら貝の音が鳴り響き、



ガチャガチャと金属の擦(す)れ合う音が聞こえて来た。



途端に全体が凍(こお)りついたように固まった。

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