愛されてから愛するまで
私が愛する三つの世界へ捧ぐ
小さな世界の空の上でふわりふわりと痛みを食べていたら下界の君と目があった
小さな背丈で空を見上げる君は少し視力が弱いようだ
右目しか残ってない僕とあいこな子だなと僕はまた空を漂う
もう一度君と目があった時、君は二人でいたね。君は笑っていたかな?泣いていたかな?あの時食べた痛みの味もよく覚えていない
次に君は一人で屋上にいた。見当違いな名前で僕を呼び、僕に降りてこいと駄々をこねる。とても可愛らしい顔だったよ
君が僕の名を知ってからまだそれ程は経っていないけれどね
いつかこの雲の鎖が切れたなら
行ったこともない下界に降りて
見たこともない景色を君と見て
そんな風な君の元に帰りたい
今まで漂うだけの僕が
なんだか最近飛べそうなんだ
まだまだ下手くそで
たまには雨を降らせてしまうけど
たまには雷を鳴らしてしまうけど
時には嵐を呼んでしまうけど
君が僕の名を呼ぶ限り
君が僕の名を知る限り
・・・さあ、名を呼んでおくれ
僕はそれの為に今日も空を漂う