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自分が猫耳勇者になった理由(わけ)  作者: 跡石左京
ナノワ皇国の章 関八州行脚編
54/57

第49話 事情聴取

明けましておめでとうございます。

間が開いて申し訳ありません。今年最初の更新です。

本年もよろしくお願い致します。


 ギルドの中は、既に依頼の争奪戦も落ち着いて、大分人もまばらになっていた。


「あ────っ!やっと来たぁっ!」


 扉を潜った途端出迎えたのは、駆け寄るミリーの甲高い声だった。その後ろからは、見るからに不満げな顔のセツナが続いて来る。


「お師匠様、酷いですっ、置いて行くなんて」

「すまんすまん、気持ち良さそうに寝ていたから、起こすのもなんだと思ってな」


 詰め寄るセツナ達を宥めつつ、下手な追及を受ける前にさっさとカウンターへと向かう。


(どうにも居心地が悪いな······)


 周囲が若干ざわついていて、注目を浴びているのを感じる。昨日の騒ぎは既に知れ渡っているし、そこは隠しようのないことだが、蛇神の復活自体は伏せられているはずだ。まあ、鮮血の蛇と蛇神教団の壊滅も、十分に大事おおごとであるのは確かだろうが、今現在注目を浴びている原因は多分───。

 チラリと、横のミリーに視線を向ける。

 ミリーの頭の上には、シルフィードの分身体のシルフが飛び回っていた。下位精霊は通常、普通の人間には見えないものだ。その姿形といい、恐らく見ている者の大半は妖精と勘違いしていることだろう。妖精は悪戯好きで、気紛きまぐれに人前に姿を現すことはあるが、人に懐くようなことは滅多にないと、そうアリシアは言っていた。どちらにしろ、もの珍しいことには変わりはないが。


(少し早まったかな)


 変に悪目立ちして悪影響が出なければと思うのだが、今更取り上げる訳にもいかないからな。

 まあいい。そこは追い追い考えるとして、今はこっちだ。


「あっ、白夜さん、お待ちしてました」


 カウンターの中のアリシアが直ぐに気付いて、声を掛けて来た。既に冒険者達の対応も落ち着いていて、カウンターに並ぶ人も少なくなっており、アリシアも他の者に業務を任せて此方を待ち構えていたようだ。

 軽く手を挙げてそれに応えると、奥の応接室のような部屋に案内された。貴族や地位の高い者からの依頼や、特に機密性の高い話をする場合に使われる部屋らしい。防音対策も施されているそうで、何とも厳重なことだな。


「それでは、順を追って経緯の確認をさせて下さい」


 我々三人が席に着き、その対面にアリシアが座ると、そう言って話を切り出した。

 大まかな状況説明は、昨日船上で時間を持て余している間に一応は済ませてある。そうは言っても大っぴらには口に出来ないことも多く、飽くまで大まかだったので可成りの部分端折はしょっていた。特に蛇神に関しては、人前ではぼかさざるを得なかったので、アリシアとしてはその辺りの詳しい経緯を訊きたいところだろう。


 フェリオスに乗って湖を渡ったこと、鮮血の蛇の暗殺者による認識阻害のこと、警戒網を突破して遺跡へと至る道筋、そして遺跡に辿り着いてからの信者達との戦闘。経緯の説明は、時折セツナの話も交えて淀みなく進んでいった。フェリオスのくだりでミリーが目を輝かせていたのは余談だが。

 そのミリーも、拐われてから牢に入れられるまでの経緯を訊かれて答えていたが、当時の状況を思い出したのか、微妙に手が震えていた。まあ、怖い思いをしたのだから無理もない。ポンポンと頭に手を置いて撫でてやると、安心したように嬉しそうな笑みを向けてきた。


「そのピネドーアという男は気になりますね。また何処で何を仕出かすか分かりません。今どうこう出来る訳ではありませんが、各ギルドには注意を促しておくことにしましょう」


 話が魔改獣のことに及んだ時、例のムカつく狂錬金術師マッドサイエンティストの存在に、アリシアも危機感を覚えたようだ。確かに、放置するにはヤバ過ぎる相手だからな。魔改獣は、サジクラスでも一体を相手にするのが精一杯だった。あんなのを量産されたらたまったものではない。セツナも苦戦の記憶が新しい為か、隣で苦い顔をしていた。


「確認したのは4体だけだったが、まだ他にも居ないとも限らない。調査隊を出すつもりなら注意した方が良い」

「そうですね。出来るだけ腕利きを派遣するようにします。用心するに越したことはありませんから」


 念の為、最後に狩人を付けて調べてみたのだが、古代文明の魔導技術なのか遺跡全体に隠蔽の効果が掛かっているようで、隈無くサーチすることは出来なかった。途中、狩人を付けていればミリーを直ぐに見つけられたのではとも一瞬考えたが、どの道無駄だったようだ。つくづく、シルフィードと契約出来たことは幸運だったと言える。そういう意味ではピネドーアに感謝すべきかも知れないが、だからと言ってあんな奴を野放しにも出来ない。まあ態々探さなくとも、何れ自ら姿を現しそうな気がする。あの手のやからは執念深いからな。その時は、今度こそ逃がしはしない。

 ともあれ、鮮血の蛇の残党や、教団信者の生き残りも含めて、やはり調査は必要だろう。尤も、あそこまで叩き潰しておけば、最早組織的な活動は不可能だとは思うが、某不敗の魔術師もその僅かな残党に暗殺されたのだから油断は禁物だ。懸念は督戦隊の行方と蛇神の魂の潜伏先だが、蛇神の件はミリーの前では話せないし、督戦隊に関してもピネドーア同様今打てる手はない。その督戦隊も、どうも教団の目的とは別に動いていたように思える。蛇神の復活自体が目的でないのなら、一体どんな魂胆があるのか。そこまでは分からないが、今後教団として活動することはないような気がする。あの引き際の良さは、教団そのものが単なる道具だったように思えてならない。まるで使い捨ての道具であるかのような印象が拭えないのだ。何やらジェイドには心当たりがありそうな感じだったが、確信が持てなかったのか口にすることはなかった。自分でもある程度の予想はしているが、もしその予想が当たっているとしたら、迂闊には口に出せないことだろうからな。

 何にしろ、これ以上首を突っ込めば薮蛇・・にもなりかねない。裏の事情は分からないし知りたくもない。向こうから寄って来たらどうしようもないが、出来るだけ危うきには近寄らないことにしよう。


「僧兵、ですか······?。ドウゲン大師が動いていたとは思いませんでした」

「言ってなかったか?」


 サジが僧兵を率いて儀式の阻止に動いていたことを話すと、アリシアが驚いた顔をしていた。まあ、冒険者達が突入する前に撤収していたようだし、自分もミヤビから聞いただけで実際に僧兵の姿は見ていないからな。すっかり忘れていたわ。


「百目のドウゲンだったか、信用できるのか?」


 八騎将とやらがこの国の担い手という話は聞いたが、どうも一癖も二癖もある連中のようだ。今回のことも含めてこの国自体一枚岩ではないようだし、誰が信用出来て誰が信用出来ないのか、今の自分では判断がつかない。況してや宗教関係とあっては、自然と警戒心の方が先に立つ。


「大師は、古来よりこの国に根付いている宗派、浄門宗の大総主ですが、他教にも比較的寛容で、現在勢力を伸ばしているファナリア教とも友好的な関係を築いています。反面、蛇神教団のような邪教集団には厳しく、これまでもずっとその撲滅に努めてきたようですから、今回のことは単純に儀式の阻止に動いていたのだと思います」

「ファナリア教?」

「闇の女神ノトスと対極を為す光の女神ファナリアを信仰する教義です。友好国である隣国トルメニア神聖国の国教ですので、その関係で皇国内にも布教が広まっています」

「ほう」


 それは確かに寛容だな。普通他国から入って来た異教には敵愾心を向けそうなものだが。多分、偶像として一神教の概念が強い地球と違って、この世界には実際に神が、それも複数存在するからだろうな。価値観の違いは兎も角、実在するものを否定することは出来ないというところだろうか。蛇神教団も、やり方を間違えなければ一教義として認められていたのかも知れない。今となってはどうでも良いことだが。


「サジとは顔を会わせたが、その僧兵達は自分は見ていないからな。当事者に聞いた方が早いだろう」

「当事者、ですか?」


 アリシアが怪訝そうな顔で首を傾げる。


「居るんだろう?」


 おもむろに背後を振り返り、何もない部屋の隅へと視線を向けてそう言うと。


「はぁ···、やっぱり気付かれてましたか」

「え!?」


 物陰からボヤキながら現れたのは、ミヤビだった。唐突に現れたミヤビに、アリシアだけでなくセツナ達も驚いている。

 本来当事者の一人であるミヤビを殊更呼ばなかったのは、着いて来ているのが判っていたからだ。バレていたのを知って落ち込んでいるようだが、自分の【気配察知】は特別チート過ぎて比較対象にはならない。常人としては鋭い方のセツナを誤魔化せていたのだから、寧ろ誇っても良いだろう。土台、影の中の気配を察知出来る方がおかしいのだ。

 ミヤビもミヤビで、態々わざわざ隠れてついて来なくてもと思うのだが、何やら隠密としての使命に目覚めたようで、「自分は影ですから」などと訳の解らないことをほざいていた。何だかな。

 因みに、LPリンケージ・ピアスは今は外している。普段から着けたままだと、色々うるさいことになりそうだからな。


「そう腐るな。いいから事情を説明してやってくれ」


 そう促すと、ミヤビはぶつくさ言いながらも当時の状況を話し始めた。

 僧兵達が魔物の群れを一蹴した後、サジが合流して囚われていた人達を護衛しながら出口へと向かったようだが、ジェイドの仲間の傭兵達が迎えに来たことが分かると、後は任せたと速やかに姿を消したらしい。それも出口とは反対方向に。何処かに秘密の出入り口でもあったんだろうか?元々潜入するつもりで来たらしいし、その可能性は十分ありそうだ。事前にミヤビが偵察した時には見つからなかったのだから、余程巧妙に隠されていたのだろう。思いの外、用意周到だったと見える。サジが予定が狂ったと言っていたのも、あながち間違いではなかった訳だ。尤も、その僧兵達に果たして魔改獣の対処が出来たかどうかは疑問の残るところだが。

 その後は、既に魔物や信者の生き残りも少なくなっていたこともあって、然したる障害もなく出口に辿り着いたと言う。途中、アリシアが引き連れて来た冒険者達とも合流したらしいが、特に出番はなかったようだ。まあ、囚われの人達の中には、歩けない程消耗している人もそれなりに居たとのことなので、そこは助かったという話だったが。

 一連の流れを聞いてみたところでは、儀式阻止という言いぶんに他意はないように思える。実際に救助にも動いていたようだし、そこは疑っていないのだが、どうにも中途半端な印象が拭えない。ミヤビの話では僧兵は20人程だったということだが、用意周到な割にあの規模の拠点を攻めるのにしては些か心許ない気がする。(三人で突入した自分等に言えた筋合いではないが)それに、あっさりと撤退したことも腑に落ちない。サジの判断は間違ってはいないが、思い切りが良過ぎる。自分が最初に考えたように、出来るだけ騒ぎを起こさずに事を収めようとしたのか。その為の潜入作戦だったと言えなくもないのかも知れないが、だとしても見込みが甘かったと言わざるを得ない。【千里眼】の持ち主だという「百目のドウゲン」ともあろう者が、そんな底の浅い考えで動くだろうか?

 アリシアも同様に釈然としない様子だったが、敢えて追求しないことにしたようだ。


「大師のことですから、何か深い考えがあってのことでしょう」


 そう言って、話を先へと促した。

 確かに、此処で仮定に基づく考えを巡らせたところで仕方がないか。今日は事実確認の為に来ただけなのだからな。そう思って話を進めようとすると。


「あ、そういえば」


 ミヤビが思い出したように声を上げた。


「サジという人から伝言があったのを忘れてました」


 てへペロ、じゃねえよ。こいつは、何でそういうこと忘れるかな。


「あ痛っっ!」

「そういうことは早く言え」


 飛来した何か・・が額に直撃し、のけ反るミヤビ。テーブルの上に置かれた茶菓子の中に有った豆のようなものを、指弾で飛ばしたのだ。全く、能力は高い割に肝心なところが抜けてやがる。こいつの上司がお仕置きしたくなる気持ちも分かるわ。


「で、サジは何と?」

「~~~っ、はひっ、一言だけ」


 ジト目で睨んでやると、ミヤビは赤くなった額を押さえて、涙目で答える。


「予言者には気を付けろ、と」

「······何?」


 予言者、だと?何だ、それは?


「それだけか?」

「は、はい」

「予言者、予言······、そういうスキル持ちか何かか?───何か知っているか?」

「いえ、そのような人物にもスキルにも心当たりは······」


 アリシアに訊いてみるが、聞き覚えはないようだ。セツナ達の方にも目を向けて問い掛けてみるも、皆一様に首を横に振っている。


「あ、でも」


 人差し指を口に当てて考える仕草をしたアリシアは、一頻り考えた後自信なさげに言う。


「予言とはちょっと違うかも知れませんが、【オラクル】という予知に近いスキルがあるという話は聞いたことがあります。関係あるかは分かりませんけど」

「ふむ」


 オラクルって確か、神託とかって意味じゃなかったか?予知とは微妙に違うような気もするが、未来さきを予見するってことでは似たようなものか。恐らくサジのというよりは、【千里眼】を持つドウゲンからの伝言なのだろう。その意図も、何処までこっちのことを知っているのかも含めて気にはなるが、これも今考えても仕方のないことだな。今は記憶の隅に留めておく程度で良かろう。


「まあ、これも保留だな。一先ず置いておこうか」

「そうですね。一応調べてはおきます」


(ん?)


 何だろう、今のアリシアの物言いに引っ掛かりを覚える。何というか、秘書というか副官というか、此方の意向を酌んでます的な言い様だ。どういう立ち位置のつもりなんだ?何というかこれは、着いて来る気満々なんだろうな、やっぱり。はぁ······、まあいい。気にしたら負けだ。

 そこからは、儀式に至る経緯と蛇神復活までの流れをミリーやセツナの話も交えて行い、蛇神との戦闘と、傭兵団が突入して督戦隊と乱戦になるところまで続く。そして蛇神の自己崩壊。


「自滅、ですか。成る程、倒した訳ではないと言ったのはそういうことでしたか」


 得心がいったという表情のアリシア。

 しかし、此処からが肝心なところなのだが、ミリーの前ではこれ以上話すことは出来ない。そこで周りに分からないようアリシアに目配せをすると、意を汲み取ったのかアリシアは話を締め始めた。


「大体の経緯は分かりました。そこから先は私も概ね把握していますので、後は此方で調査して報告書を上げることにします。長い時間、ありがとうございました」


 唐突に話を締めたアリシアに、セツナ達も若干きょとんとしていたが、別段楽しい話でもないので、事情聴取が終わること自体に不満はないようだ。但、個人的な話があるから先に行っててくれと言うと、やはりセツナもミリーも不服そうにしていたので、奢るから食堂で甘い物でも食べてなと言うと、喜んで出て行った。一番嬉々としていたのは、ミヤビのアホだったが。


「さて」


 アリシアと二人だけになったところで、早速話を切り出す。


「蛇神のこと、ですね?」

「ああ」


 アリシアにも大体の察しはついているのだろう。神妙な顔付きで居住まいを正した。


「ザハラクは消える前にこう言い残したんだ。───また暫しの眠りにつく、と」

「!───それでは!?」

「奴は滅びてない。今も何処かに潜伏している、ということだ」


 問題はその潜伏先だが、やはり最も可能性が高いのはミリー等生け贄となるはずだった少女達。そのことを話すと、アリシアも頷いていた。


「考えてみれば、神は簡単には滅びません。直接降臨することは稀で、殆どの場合、産まれたばかりの赤子に宿ったりといった依り代に降りるケースが多いようです。はっきりしたことは解りませんが、純真無垢である程その器に適していると言われています。あの場に於いて、最も幼く純真な存在が彼女等だったことは間違いないでしょうね」

「神が、蛇神が宿っている者を見分ける方法はないのか?」


 そう訊いてみるも、アリシアは難しい顔で首を横に振る。


「赤子に宿った場合、成長して神の意識が覚醒するまでその片鱗は全く見られないらしく、如何なる看破系のスキルを以ってしても、普通の人間としか判らないそうです。今回は赤子ではありませんけど、おそらくは······」


 その条件が正しければ、目醒めるまで見分けようがないってことか······。やっかいだな。やはり、監視の目を付けておく以外に手はないか。今のところは。


「三人には既に、シルフィードによる監視の目を付けてある。そこで、なんだが、アリシアに一つ頼みがある」

「なんでしょうか?」


 改まって視線を向けると、アリシアは姿勢を正して真っ直ぐ此方を見据えた。


「一つ物件を探して貰いたい」

「······え?」

「出来れば、セキュリティがしっかりしていて、長期間空けても安全が確保できる場所が好ましい」


 一瞬ポカンと面食らった顔をしたアリシアだったが、話の流れから察したようで、直ぐに理解の色を見せた。


「あ、もしかして······」

「ああ、転移魔方陣を設置したい。その為の拠点が欲しいんだ」


 幾ら監視の目を付けたと言っても、いざと言う時に対応出来なければ意味がない。これから各地を巡る旅に出ることは既に決めている。取り敢えずの目的は、竜仙郷に行ってオウリュウと会うことだが、その前に済ませるべきことは幾つもある。普通ならば、長期間此処には戻って来れないだろう。だが、転移魔方陣があれば、何時でも瞬時に戻って来れるようになる。その為には、転移魔方陣を設置しておく拠点が必要だ。それも安心して戻ってこれるよう、安全面や秘密保持も含めて管理の行き届いた環境が望ましいのだが。


「何処か心当たりはないか?」


 そう訊くと、アリシアは暫し考え込む素振りを見せ、それからおもむろにポンと手を打ってにこやかに答えた。


「でしたら、丁度良い物件があります。今から見に行きましょう」

「───何?今直ぐにか?」


 唐突に立ち上がってそう告げるアリシアに、思わず面食らう。


「ええ、膳は急げですわ。早速ご案内致します」

「あ、ああ」


 勢いに押されてつい頷いてしまったのだが。


(なーんか嫌な予感が······)


 何やら悪戯を思いついたかのような会心の笑みを浮かべるアリシアに、そこはかとない不安を覚えるのだった。


                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               


神を宿す条件に純真無垢であることと書きましたが、何時しかそれが純潔と取り違えて広まり、結果生け贄には純潔の乙女などという根拠のない都市伝説が信じられるようになったのだと考えられます。カミラは純真とは言えませんが、主君に向ける忠節は純粋で一途なものだったので、一応は神降ろしに耐えることが出来たという訳です。

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