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16話 鳩(通信手段)

相当久しぶりですね。 用事が重なって書く余裕が無かったんです許してください! 投稿頻度は下がってもまだまだ続ける気ですから

終焉訃告書(アメレット)探索から帰還したその日の夜、俺達は探索前にメーティと訪れた│魔術具チャームの店に来ていた。

 店内には多種多様な│魔術具チャームが展示されている。シャルロットはその一つ一つを手に取っては眺めている。まるで、菓子を選ぶ子供だ。

 「見てて面白いのか?」

 夢中になっているところを水を指すように尋ねる。

 「よく分かんないですけど、なんか賢くなった気分になります」

 「ああ、そう……」

 しばらくして、店内の品を全て見終わったのか彼女は退屈そうに俺の元までやって来た。

 「そういえば、この店に何しに来たんですか? 別に魔術具(チャーム)が欲しいわけじゃないんですよね?」

 彼女の質問に答えようとしたところで、店主が蓋の乗った大きな箱を抱えて奥からやって来た。

 「いやー、まさか今になってこいつを引っ張り出すとは思わなかった」

 額の汗を腕で拭い、店主は蓋を開けた。

 「嬢ちゃんが探してるのこれだろ?」

 「うわ、なんですかこれ……」

 シャルロットが顔を青ざめ、引き気味に言う。彼女の反応は正常だ。なぜなら、箱の中には大量の鳩。しかも、1匹たりたも動いていない。

 「魔力鳩だよ」と店主。

 「一昔前はこいつらを使って遠くの場所と連絡を取ってたんだ。ま、今じゃ通信魔術が発達して使われる機会は滅多にないけどね」

 そう言い終わると店主を鳩を1匹取り出し、お手玉のように扱い始めた。

 「それで。 わざわざ鳩を使うってのはなんでだ?」

 「通信手段をこれしか知らなくてな」

 それに、アイツと連絡をとる方法はこれ以外無いだろう。

 「これまた珍しい。で、何羽買ってく?」

 「1匹で十分だよ」

 会計を済ませ店を出ると、鳩に魔力を注ぎ始めた。シャルロットが興味深そうにそれを眺める。魔力鳩の使い方は非常にシンプル。まずは、魔力を注いで鳩を起こす。後は伝える内容を鳩に言うだけだ。そしたら勝手に飛び立ち目的地へと向かっていく。

 久しぶりの事なので少々手間取ったが、障害なく魔力を込め終わった。鳩は今にも飛び立たんと羽根をばたつかせる。後は内容だが……、現地点の場所さえ伝えればなんとでもなるだろう。

 鳩は羽を大きく動かすと俺の手の平から飛び出し、夜の闇の中へと消えていった。

 「ほんとに飛んでいきましたね……」

 シャルロットは口を開けて唖然としている。別にそこまで驚くことでも無いのだが。

 「さあ、街の入口まで行くぞ」

 「え? 休んでかないんですか?」

 「アイツはすぐに迎えに来るんだよ」

 

 

 

 門を出ると虫の鳴き声と草原のさざめきをやけに意識させられた。夜風は気持ちいというよりは、肌を少し刺激する程度に寒かった。死なないのに寒さは感じることを少し不思議に思いながら次は凍死に挑戦してみようかと考える。

 「やあ、君達はもう出るのか?」

 聞き慣れた声のした方を見ると、メーティが肩から荷物を下げて立っていた。妹は彼女の影に隠れるように俺達の事を伺っている。

 「そういうあんただってそんな荷物抱えてどうするんだ? 姉妹水入らずでピクニックとか?」

 「長期的なピクニックみたいなものだな」

 それはもはやピクニックではないと思うんだが。

 「私達は物心ついた時から奴隷として売られていたからな。サンバルも死んだ事だし、生まれた故郷でも探しに行こうかと」

 「そんなの確かめようがないだろ」

 「いや、一応手掛かりは幾つかあるんだ。仮に辿り着けなかったとしても、今よりは幾分ましだ」

 メーティが言い終わったところで、彼女の妹のフェヌがシャルロットへと恥ずかしそうにしながらかけて来た。

 「ん? どうしました?」

 フェヌはモジモジと身をゆすりながら新品の包帯をシャルロットに半場無理やり渡した。

 「もしかして返してくれるんですか?」

 フェヌが首肯する。包帯を軽く広げると“ありがとう”と不格好な字が書かれている。シャルロットはそれを大事そうに巻き直す。

 「こちらこそ返してくれてありがとう」

 わざわざ包帯を返す程だ。相当嬉しかったのだろう。

 「それで、イデア達はこれからどこへ行くんだ?」

 「“どこ”っていう訳では無いんだが……」

 その時、俺達の目の前の空間が歪み始め、大きな黒い渦が出現した。これはタイミングが良い。

 「俺達は今からこの渦の先に向かうんだよ」

 これで説明したつもりだが、突如現れた渦に唖然とし、彼女の耳には全く届いてなさそうだ。

 「ほら、いくぞ」

 俺はシャルロットの腕を掴んで渦の中に片足を入れた。中は妙に生暖かく奇妙な感覚だった。

 「こ、こんなのに入るんですか?」

 「大丈夫大丈夫、安全だから」

 水に浸かるように渦へと全身を沈めていく。顔を入れる前にメーティ達の方を見るとまだ状況が掴めていないのかさっきと変わらずに口を開けている。

 「お前らもはいるか?」

 「いや、いい」と即答される。

 「じゃあ、またいつか会ったら」

 渦の中に全身が入り、シャルロットの手を引きながら奥へと進んで行く。

 「この渦はどこに繋がってるんですか?」

 シャルロットが恐る恐る尋ねる。

 「空間の魔女の住処」

とりあえず次回から事情の方にもどります。両方読んでる人はチリほどもいないと思うので、人生の使い道に困った人は読んでみましょう。


事情を書くにあたって、初期の方の話のミスを直していくつもりです。話の内容は変わりません。ただ、、、を……とかにする程度です。


では、近いうちに投稿できるように努力します

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