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魔法のある学生の日常 その3

「歴史といえば、やっぱり元々、現世バスチアン幻世アトレイユはどこか繋がってた話がありましたよね」

「ありましたというか……今でも結構言われているわよ。現世こっちのファンタジー小説とか宗教の本、紀元前とかのこととが書かれている本を幻世あっちに持って行くと似ている話があったりするって父上が言ってた」


給食の時間、いつもの四人が机を固めておしゃべりしながら昼食をとっていた。

そんな会話の途中に出た話題である。

エルフ、魔法、魔王……

ファンタジー小説や神話等に興味があってもなくてもこれらの単語は聞いたことがあるであろう。

そういったファンタジーな要素がが幻世アトレイユには存在している。

否、近いものや名前が似ているものが多いのだ。逆も然りで現世バスチアンと食などの文化の方面で似通っている部分が多い。

こういった共通点が「元々は同じ世界だった」、「世界観で転移されることは昔もあった」、「繋がったというのはキッカケで世界規模で元々行き来できた」などの説が多い。

幻世アトレイユの言葉が現世バスチアンで通じるというのもこういった説を後押ししているのだ。


「実際問題、まったくの異世界にしては現世人バスチアン幻世人アトレイユって似すぎている気がすんだよなぁ。だって訓練すれば現世人バスチアンでも今まで使えなかった魔法が使えるってのは出来過ぎているな」

「シモンが知的な事を言っている……!?」

「俺だってちゃんと生きて勉強しているんだ!そんな漫画みたいに自分の住んでいる場所のこともわからないわけ無いだろ!」

「でもアルフ君の言葉って日本語じゃないと考えると変な言葉喋ってますよね。所謂幻世アトレイユ語なのかしら」

「え、そうなの?確かに父さんと母さんは日本語は殆ど話さないだろうしな」

「ちなみにさっきのシモン君とセイカちゃんのも変な言葉になってます。二人共たまに日本語じゃない言葉、喋ってます」


互いの父親が幼馴染のためかセイカとシモンはやたら息が合う。見た感じではかなり正反対に見えるが。

そのため一部では二人は付き合っているとかそんな噂もたまに聞く。アルフやユズから見ると仲の良い親友にしか見えないが。

そんな仲良く会話している四人組に話しかける同級生がいた。


「おーい、日新ひよしさとり。昼休み、サッカーしようぜ!」

「お、いいね。セイカとユズはどうする?」

「私が男の子に混じってサッカーすると思う?それに今日はユズと図書室に行こうと思って……」

「借りてた本返そうと思って……」


さとりというのは文面からわかると思うがシモンの姓である。名乗っている理由は日新ひよし家とほとんど同じである。

結局昼食をとった後の昼休みは、同じクラスや隣のクラスの男子と過ごすことになったアルフとシモンだった。


「くらえ、俺のシュート!!」

「効かないぜ、さとり!カットだ!」

「そうはさせないよ!」

「ふん!なんとか守ったぜ」


シモンが放ったシュートをカットすべく男子生徒が突進するが、アルフがその間にはいりフォローする。

だが、シモンのシュートはキーパーが受け止めて得点にならなかった。

審判などいないので、あきらかな反則以外は見逃される。こういうのは過度な怪我をしない程度に愉しめばいいのだ。

現代の現世バスチアンでもサッカー、野球といったスポーツは人気である。

元々そういったスポーツが少なかった幻世人アトレイユにもすぐに浸透し、今では幻世アトレイユでもプロリーグなどが作られる動きもあったりする。

むしろ漫画やテレビゲームみたいなとんでもシュートがある程度出来るようになったためその手の需要が高まっていた。

さすがに仕様に制限がかかってしまっているが。テレビで放映されている試合が派手になり、非常に受けのいいものとなっている。

アルフ達のような中学生もこういった草サッカーを楽しんでいるというわけである。

サッカーボールに魔法がかからない素材を使っていればサッカーボールに魔力を込めて何かを仕込むというイカサマが出来ないため、純粋な実力勝負になる。

格闘士グラップラーとして鍛えているシモンのシュートをスポーツを嗜んでいる程度の少年が受け止められるのもそのためである。


「ちっ、もっと狙ったほうが良かったのかな」

「しかたないよ、次のチャンスを狙おう」


結局その日は互いに一点も入れられず、昼休みが終了してしまった。

だが、動いて楽しいというのは健康な中学生なら当然の感覚なので問題はない。

その後数学や、理科の授業を経て本日の授業はすべて終わり、放課後となった。

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