勇者の仲間の子と友人の日常
時系列は一話の直後の昼挟んで夕方となっています
「ただいま」
日が落ちかけた夕方となりアルフが訓練を終え帰宅し、フアラが出迎えた。
「おかえり、いらっしゃいユズちゃん」
「お邪魔します、日新さん」
アルフの後ろにいたユズと呼ばれた少女が礼儀正しく返事しお辞儀した。
短く切り揃えた黒髪と茶色の瞳は日本人らしい顔つきを際立たせ、現世人であることが察せられる。
アルフやフアラのエルフ特有の輝きを持ったブロンドと並べば一目瞭然であろう。
ユズはアルフの同級生であり、現在はアルフと同じ勇者候補チームに属している。候補というのはまだリーダーがまだ勇者として認められておらず、近いうちに試験を受けて合格すれば晴れて認められるという状況だからである。
ユズは現世人であるが、通っている学校の授業によって戦闘能力をある程度有しているのだ。
現在ではある程度の護身が必要とされ、義務教育の時点である程度の戦闘訓練はカリキュラム化されており、幼少の頃から教育されていれば生粋の現世人でさえも勇者と認められることもあるのである。
ちなみに日新というのはこの一家が現世の日本で生活するために名乗っている姓である。
アルフやフアラは現世人で言うところの姓を持っていないので、日本に移住した際にこの日新姓を名乗っているというわけだ。
「今、旦那が夕飯作っているからアルフと待っててください」
「あ、手伝いますよ……お皿、並んじゃってますね」
「ああ、今日はすごい集中しているのか。母さんが入る隙がない、と」
基本的に日新家では夫婦が交代で夕食を作っている。とは非常に仲の良い夫婦であるゆえ、殆どの場合片方に任せきりと言うのは珍しいのである。
だがピルクは生活魔道士ととして現世に来る前は生計を立てていて、こと家事においてはプロとしての自称するくらいである。たまにテレビで気に入った献立を見たり、今日のように客人が来るなどの気合が入る出来事が起きるとその日のキッチンはピルクの独擅場となってしまうのである。
ここしばらく試験勉強等でユズや他のチームメンバーが泊まることが多くなったため、両親が共働きで今日は忙しく帰ってこないのでチーム試験の勉強ついでにユズが泊まるというのはそう珍しい事ではなくなったのだが、とりあえず今日は気合が入っている日となっている。
「なんか初めておじゃました日を思い出しますね。セイカちゃん達は前からちょくちょく来ていたって聞いていたのに」
「まぁいくら浸透したとはいえ幻世人の家に現世人の子が来るなんてそうそうないと思われていますからね」
「とりあえず、今日の献立には期待かな……たまにテレビで見た変なもの作る可能性もなくはないけど」
「今日は雑学の番組を見てたくらいだから……たしかに心配ね」
結局の今日の夕食は香り高く食欲を誘う美味しそうな肉じゃがであり妻子の心配は杞憂に過ぎた。
「いやぁ、肉じゃが自体は現世に来た時に教えてもらってたけど、なんか元々はビーフシチューが元の料理だって聞いてな。その関係でみりんとかの代わりに白ワインを入れてみたんだ」
「うわぁ、なんかすごいいい香りですね。やっぱり材料を変える同じ肉じゃがでもすごく変わるんですね」
おいしい食事は会話の潤滑剤となる。本来なら関わりあうこと等なかったであろう異世界の住民同士であってもそれは変わることはない。
現世と幻世で食文化はさほど変わりなかったのも大きいだろう。
ユズもすっかり日新家の食卓に馴染んでいた。
「こんばんは、お邪魔しるぜ」
「……お邪魔します」
食後、食器も片付け終わりアルフがリビングで自室にいるユズに出すお茶を淹れていると、アルフと同じくらいの年をした男女が日新家を訪れていた。
男子の方は年の割にやや大柄で、さっぱりと切った短髪と日に焼けた肌が快活な人柄を連想させる。
女子は銀髪をツインテールにしており、やや鋭い目つきが男子に比べ寡黙な口調が高貴な印象を与える。
二人共ユズと比べると現世人という雰囲気が薄い。
「シモンにセイカ、あがってよ」
アルフが出迎え、そのまま自室に案内していることからこの二人は予め想定していた来客でありアルフにとって親しい友人であることを示している。
名前から何となく分かるかもしれないが、シモンが男子でセイカが女子である。
この二人も同級生であり同じチームなのだ。
「今日はお世話になるんだから、おじさんとおばさんに挨拶したいんだけど……」
「……父さんと母さんは今お風呂に」
「エスターテ先生の言うバカップルタイムってところか。俺の親父とお袋も一緒に風呂はいるほど仲良くねえぞ」
「普通の夫婦は中学生の子供がいて、一緒にお風呂には入らないと思うが」
「いや、なんかお風呂でなんか湿気で性質が変わる薬草の調整している。まぁその後お風呂にも入るんだろうけど」
「シモンのムッツリ……」
「なんだよ、セイカも考えてただろ。でもエスターテ先生があの二人はいつもイチャイチャしてたっていうしなぁ」
「でも父上はエスターテ先生が愚痴るほど、そういう感じじゃなかったって言ってた……」
「だよなぁ、親父も待機組として仲がいい程度だって言ってたし」
「でもクリフさんは勇者だし、ビケルさんだって大体前線に出てたから待機組が待機しているところは殆ど見てないはずだから」
「でも先生だって、戦闘魔道士だから結構な頻度で出ているはず……」
「まぁ、真実は当人のみぞ知るってことか」
話の流れからわかるであろうが、この二人の父親もまた夫婦と同じチームの同僚であった。
そしてそのチームの勇者がセイカの父親、クリフである。
今、同じチームの内四人の子供三名がチームを組んでいて、その三人の教師がそれぞれの父親の同僚エスターテというなかなかに奇跡の組み合わせである。
※※※※
アルフ、ユズ、セイカ、シモンの四人はアルフの自室でテーブルを囲み、それぞれノートを広げていた。
ごく一般的に、学生が行うテスト勉強に近いがノートや教科書には魔法だの属性相性だのが書かれていた。
この四人が勇者チームとして認められるための試験勉強というわけだ。もっとも我々でいう普通の勉強もしていたようで、他の教科書もテーブルに置かれていた。
そもそも幻世における勇者というのは魔王や魔物に対抗する軍や組織の長の総称であり、世界から与えれる称号である。
魔王や魔物の封印等の世界に対するある程度の干渉を可能をする代わりに、世界に対して不利益を働かぬように仲間がいなければ力を発揮できない。勇者によって世界に不利益が降りかかろうものなら仲間を通じて弱体化するというシステムとなっているのだ。
勇者にとって仲間は糧であり枷となる存在である。
このシステムは遠い昔、幻世が外敵によって滅ぼされかねない状況だった時、世界が選んだ勇者(この場合はリーダーと読まない)とその仲間によって外敵を滅ぼしたという伝説に因んでいると言われている。
もっともこの伝説は当時を記した資料が殆ど残っておらず、勇者ではなく武器を選んで勇者をそれを振るっただけの存在、仲間とは比喩で実際は勇者の恋人でパートナー1人だけを指す、等の異説が非常に多く共通しているのは、上記の概要くらいである。
とにかく、それ以来なんからの形で勇者を選ぶことで世界の脅威に常に対抗できる様になっており事実、幻世は正式な資料に残っているだけでも文明を滅ぼすほどの災害が起きたため治安が乱れ、勇者がそのカリスマで治めなければ今の世界はなかった、伝染病が流行り、薬師でもあった勇者が薬を開発した等に始まり、先の「人対魔時代」等、世界の危機は何度か訪れている。
現世も世界が繋がり、ある程度の幻世の理も混じりつつあるため現世でも勇者を選ぶ必要があったのだ。
そういうわけで歴史に名を残せるかもしれない、純粋に仲間と思い出を作りたい等の理由で勇者やその仲間になりたいという需要もあり今やすっかり現世にも浸透しているシステムなのだ。
ちなみに世界という単語を使っていてなんらかの唯一神的な存在があると思われるだろうが、幻世にも神が実在しているわけではなく住んでいる星の声がなんとなくわかるという幻世人の特性によって星にある程度の意志がある考えによるモノから作られた概念であり、宗教的な意識があるわけではない。幻世にも宗教は存在するものの、星の成り立ちからズレた創世説を語る宗教は殆ど無いと言っていい。
現在では、理が混じったことで世界がつながって以降に生まれた現世人はともかく、当時すでに成人してたような現世人でも純粋な幻世人程ではないにせよ、そういった星の声が聞こえるようにはなっている為現世人と幻世人でそういった感覚に齟齬はなく、特定の神を信仰する地域でもなければ、あっさり受けれられる概念となっているのだ・
さて、話が長くなったのでこの四人の会話に話の流れを戻すとしよう。
「うーん、ああもう頭いてぇ。大体筆記ってチームの総合が良ければいいんだろ?俺一人くらい落第点でもいいじゃんか。戦いの時の作戦もセイカとかが考えてくれるんだろ?」
「駄目ですよ、シモン君。どんなに模擬戦の訓練したって落ちたら意味ないんですから」
「最低限の点数が取れない人がいると落とされる場合が多いって、パンフレットにも書いてあったでしょ?中学生だから筆記での合格ライン低いし、実は僕も頭痛いけど頑張ろうよ」
見た目的にも勉学が得意そうでないシモンが頭を抑え、ユズとアルフに宥められていた。
チーム試験は、社会人も学生もなんと定年退職した老人なんかにも現在人気のある資格試験であり、家族でチームを組むという年齢層バラバラな場合も多いため特定の規格を作るのが難しいのである。
元々、幻世でもそういったケースも多かった為、現世に持ち込まれたところで傾向がそうそう変わることもない。
そのため、単純に知識や理解力を試す必要のある筆記試験では年齢などで合格点を決めているのである。
その結果や経歴などで、模擬戦形式で行われる場合の多い実技試験の対戦相手等を決定する形式となっているのだ。
ちなみにチーム試験に参加できるのは日本では中学生以降、つまり満十二歳以上となっている。
この四人は最低年齢で参加しており、合格ラインも最低に近い段階で受けているのだ。
もっとも定期的に適正を再確認する試験もあるので別に有利というわけではないのだが、アルフたちは父親達がかつて勇者チームであったこともあり憧れも強くずっと試験をうけることを夢見ていたのだ。
ユズは現世人であるが友人たちの熱意を受け、釣られるように勇者チームに憧れている。
そういうわけで初の試験ということもあり、かなり気合が入っている。
シモンも口では筆記試験の勉強を嫌がっているが、学校の定期テストとやや時期がかぶっているのも大きく、理解しようとするあまりやや脳のキャパシティを使い込むばかり頭痛を起こしている状態である。
ちなみにこのチームの勇者は認定されていない以上存在しない。
ただし、暫定的に父親が勇者であり、四人の中では勉学の成績がいいセイカがリーダーとなっている。とはいえ、誰が勇者かは試験内容で決まることもあり、申し込んだ際暫定的に選んだ勇者がとりあえず試験中注目されるが、別のメンバーが勇者になることもあれば、合格はするが勇者に適したメンバーがいない為、他のチームに統合される可能性もある。
「こういう時、普通は父さん達とかに教えてもらうといいんだけど、僕の家はねぇ」
「私のところはまず試験の経験ありませんし」
「……私は父上に頼りたくない、今忙しいみたいだし」
「親父もクリフさんやミルト爺さんのお陰で合格したようなもんだっていってたしな」
思い思い、愚痴りながらもシャーペンや鉛筆でノートに要点や自分の必要な箇所を書き込んでいく。
ちなみにミルトとはクリフチームに属していた仲間の一人で爺さんと言われてるように現在は引退して故郷で余生を過ごしている。
セイカの父親クリフとシモンの父親ビケルは幼なじみで同郷であり、クリフの家の執事であるミルトやもう一人の仲間とともに試験を受け、クリフは勇者となったと聞かされている。
アルフやフアラ、エスターテはクリフチームの旅の途中でチームに引き入れた仲間であり、定期試験は受けたもののクリフ達が受けたようなそれこそ勇者になれるかという試験は受けていないという。
そういった事情もあってか、夫婦は時折お茶等を差し入れてる時くらいしか勉強している部屋に顔を出してこないのだ。
結局、十一時を時計の針が示す頃にユズがうとうとし始めたので、それぞれあてがった部屋に連れて行き四人は就寝した。
※※※※
翌日、時計の針が六時半を指し目覚まし時計が鳴りアルフが目を覚ました。
同室で寝ていたシモンや別室で寝ていた女子達をを起こし、リビングに向かった。
誰もいないリビングと微かに野草や薬の匂いが香るキッチンに向かってアルフがつぶやく。
「ああ、父さん達まだ寝ているのか。昨日も多分夜中までポーション作ってたんだろうな」
「ね、起こすのもアレだし私達で作る……?」
「じゃあ、任せてよ。ユズ手伝って」
「私無視……?まぁいいわ、お世話になったし簡単に掃除でもする?シモン」
「おう、じゃあ廊下でも掃いておくか、セイカは庭の水やりするんだろ?」
「おじさんたち、ある程度仕込んではくれているみたい、これならハムエッグとかで良さそう」
両親が共働きで忙しいユズや両親が料理好きだったり、昼すぎまで寝ていることも珍しくなかったりするアルフはそれなりに料理は出来る。
調理実習が当たり前にある現在では当然他の二人でもできるが、料理は手馴れている人が作ったほうが美味しいのは道理である。
もっともお嬢様という雰囲気を出しているセイカに料理を任せるというのは何らかの恐怖がありそうというのも道理である。
今日は日曜日である、つまり休日である。昨日も土曜日なので現在の現世でも休日だが。
そういうわけで、朝食を終えて腹ごなしと銘打ち庭で軽い模擬戦を行うことにした。
日新家は仕事に使う薬草を育てている小さな庭園等がある為やや広めである。当然家自体も広い方である。なんで三人ぐらしの家に似つかわしくないくらい広いのかは何れ説明するだろう。
とにかく、商売道具や趣味で育てている植物などに魔法でバリアを張り、被害が出ないようにすればチャンバラ位は可能なくらいである。魔法を使うアルフやユズにとってはコレもきちんとしたバリアを張る修行になる。
ジャージに着替えたセイカとシモンはそれぞれの得物を構える。
セイカは右手に自動拳銃に似た形の銃、シモンは右腕にバンテージなどのプロテクター、左腕に腕につけるタイプの小型盾を装備している。
セイカは銃を扱う銃士。シモンは格闘戦を得意とする格闘士である。
互いに、位置取りを決めて審判である二人に目配せする。
ユズが軽く笛を吹いて模擬戦開始の合図をすると、シモンが先手を打ちセイカに接近して、右腕からストレートを踏み込みつつ放つ。
一方セイカは読んでいたばかりとばかり、シモンの足元に発砲しそこから煙幕を生み出す。
煙幕が出る弾丸など実弾ではない。セイカの扱う銃が放つのは魔力によって生み出す魔法弾なのだ。
そもそも銃という武器自体、幻世では存在しておらずあくまで似たような仕組みの武器、我々で言うなら銀玉鉄砲や割り箸鉄砲のようなものを一部の好き者が使っていたという扱いであり、銃士自体、認証されていなかったのだ。
現世人との交流の際、現世にはなかった火薬を詰め込んだ弾丸や強力な弾を放っても壊れない銃本体の技術を受け、魔力を直接放ったり、弾に魔力を込める技術などが開発された。
尚且つ、現世人でも認められていた素人でもある程度の殺傷能力の高さや扱いやすさ、持ち運びしやすさ等で幻世人でも人気が出たものである。
日本でも銃刀法の規制がある程度緩んでおり、魔力との相性などで本人のみ扱えるタイプの魔法弾にしか対応しない銃なら、こういった模擬戦などで使用時間や殺傷力の制限をかけることで使用可能となっている。
シモンは煙幕にひるまず、左腕から放ったアッパーで煙幕の払いと連撃を狙うが目測が外れ、セイカはバックステップでかわしている。
セイカは攻勢に出るべく、よろめくシモンの体勢を完全に崩すべく両肩に向けてトリガーを二回引く。
シモンの右肩、左肩で破裂する魔弾で、完全に体勢を破壊され無防備に後ろに倒れこむシモンのボディーに向けて追撃のトリガーを引く。
だが、シモンは自ら地面に背中にを叩きつけて弾道から身を反らし、更に軽い揺れを起こしセイカをよろつかせた。
こういった現象は幻世人が扱える魔力によるものである。一般的に物理攻撃を得意とする格闘士でも幻世においては魔法が全く扱えない訳ではない、自身の技術や使い方を変えれば一時的にではあるが戦闘魔道士より弱い程度の魔法を使えるのだ。この場合、地面を魔力を叩きつけるというプロセスを経たことで小規模の地震魔法、体地芯撼を起こしたのだ。ダメージを与えるには至らないが地面を揺らすことで対象のバランスを崩すという結果を起こしたのだ。
シモンは反動で立ち上がり、そのままセイカに接近してあえて外し足元に強力なパンチを当てて結果的に一本を取ろうとした時。
「そこまで!セイカ、一本!」
「え、なんだよ!俺が一本取れるところだったろ!?」
「セイカ、左手開いて」
笛の音とともにシモンは拳を引っ込め、審判の二人に抗議をしたがアルフの言うとおりセイカは左手の中をシモンに見せた。
その中身は魔力の塊のような物で開くと同時に弾けて消えた。
セイカは最初から左手の中に本来、銃に込める魔力の弾を常に仕込んでいていざという時に備えていた。
セイカとシモンの体格差でも上体を伸ばせば、腕を振り上げたシモンの顔面にソレを叩きつけることが可能だ。
もちろん模擬なので破裂するだけで痛みなど発生しないが、実戦なら顔のパーツのどれかが吹き飛んでおり、それこそ魔力の質が高ければ放り投げるだけで十分な威力を発揮していたであろう。
「でも、正直最後の体地芯撼には参ったわ……背中大丈夫?」
「ああ、このくらいなら、ユズの回復魔法で十分だ。頼むぜ」
「わかりました。背中出してください」
ユズは魔道士であり、回復や防御呪文などを操る補助魔道士である。
戦闘魔道士の程ではないが防御をするという前提ならある程度の攻撃魔法とも使えるというもので、生活魔道士の利便さを偏らせて実践的にしたものと考えていい。
「じゃあ次は、僕とユズかな?審判を頼むよ」
「手は抜かないでくださいね、私でもある程度の攻撃はできますし、この間、反射魔法練習しましたから」
「二人共……位置について」
「はじめ!」
シモンが鳴らす笛の音ともにアルフとユズの互いの魔法弾が炸裂する。
その光景をいつの間にか起きていて、リビングで朝食を取りながら見ていた夫婦は楽しそうな子供達の笑顔に微笑み、平和な世界であることを喜んでいた。