第一章 3
前書きって何書けばいいのか分からなくなりますよね(・へ・)
イムはベッドの前で体を震わせ泣いていた...ま、まさか間に合わなかったのか?俺はどんな言葉をかければいいのか....そうか!わかったぞ。そっと家を出よう、うん、それが一番だ。
俺が方向転換し、出口に向かおうとした時
「お父さん!お母さん!食あたりってどう言う事!」
え?
「いや~イム悪かったね~ゴブリンの干し肉を母さんと一緒に食ったら2人してダウンしてしまったよ」
「そうね~久々にゴブリンの干し肉なんて食べたのが駄目だったのかしらね~うふふ」
「もう!馬鹿!ゴブリンの干し肉は食中毒になりやすいから禁止されてるじゃん!なのに何で食べたの!?馬鹿なの!?」
「コラ!親に向かって馬鹿とはなんだ------」
「馬鹿は馬鹿でしょうがああああああああああああ!私がどれだけ心配したかわかってんのかあああ!ゴルアアア!」
「「ひぃぃぃぃ!イムが切れたぁぁあああ」」
何かヤバイ感じ?止めに入るべき?いや、ここは....家から出よう、ゆっくりゆっくり....さしあししのびあ---ギシッ........。
「ヤシロさん....居るんですか」
扉の向こうからイムの声が聞こえた、その声は凄くドスが聞いていた、俺は小声で「はい...」っと返した。
「居るなら、こっちに着て下さい」
「誰か居るのか!?助けてくれ!娘に殴られゲブホ」
「あなたーー!イム!お父さんに何てこ....とお?」
俺が扉を開け中に入ると同時に、イムが自分のお母さんとお父さんに抱き付いた、そして大声で泣き始めた。
「え、ちょ...イム..ちゃん?」
イムのお母さんは何が起きたのかわからないと言う表情をこちらに向けて来た...。
これ説明するべき?したほうがいい?どう思う?脳内さん
---お好きに---
あ、はい。
「えっと...初めまして、神木 社って言います.....説明要ります?」
「あ、初めまして。イムの母のマリコです。説明お願いできるかしら?」
マリコって名前に笑いそうになったのを許して欲しい、消して悪気はない、ホントだぞ。
「えっとですね...まず、経緯から------それでイムさんはご両親に薬をと俺に言いました------つまり、イムさんは自分が死ぬかも知れない状況でもご両親...貴方達への薬を優先したのです」
イムのお父さんとお母さんは目を見開き口をポカーンと開け、自身の娘を見ていた。
それからしばらくして、イムのお父さんが----
「イム...馬鹿野郎!何で...なんでそんな危ない事!」
「だって、だって、お父さんとお母さんはもう助からないって...」
「だ、誰がそんな事を!?」
「医者のヤーブ先生が....」
ブッ、医者のヤーブって...ヤブ医者?
「あのヤブ医者がああああああああああああ!殴り倒してやる!」
「アナタ!私も手を貸すは!あのヤブ医者を血祭りに上げましょう!そうしましょう!」
「え、いや、ちょ。」
「ところでお前は誰だ!」
いやいや!お父さん!さっき名乗りましたやん!説明しましたやん!
「アナタ!さっきの話聞いてなかったの!?」
「聞いていた!」
「え、なら説明要ります?」
「俺が聞いてるのは、お前はイムのコレか?って事だ!」
....おいおい、小指立てんなよ、その小指折るぞ。
「お父さん...お母さんいい加減にして」
イムが涙を拭いて、立ち上がるとおもむろにお父さんが立てて居た小指を掴み、手の甲側に思いっきり......折った。
「ギャアアアアアアア、俺の小指がああああああああああ」
「アナターーー!」
「まぁ直ぐに戻るんだけどね、よっと」
あ、そう言えばこいつ等スライムだった....俺も殴っとけばよかった。
「お父さんお母さん気は済んだ?まだ気が済まないなら.....」
イムは包丁を構えた。
「イム、すまんかった包丁は簡便してくれ」
「イムちゃん本当にごめんなさいね、切られたら再生出来ないからやめましょうね?」
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「とりあえず、イムの命を救ってくれた事には感謝する。ありがとう」
「本当にありがとうね、可愛い一人娘なの」
「私からももう一度言わせてください。ヤシロさんありがとうございました」
「いやいや、良いよ当然の事だから」
人助け(?)は当たり前さ....スライムの時は正直「えぇ~」って気持ちだったけど...人化状態のイムは俺のストライゾーンど真ん中だった、何としてもハーレム要員一号にせねば!俺がそんな事を思っていると、イムのお母さんが両手をパンっと合わせ。
「そうだ、お礼も込めて、ご飯食べてくださらない?」
「おー良いな、ヤシロとやら、妻の飯は絶品だぞ」
「そうですか?ならお言葉に甘えます」
「よかったわ~なら直ぐに作るわね~」
「あ、お母さん私も手伝うわ」
「あら、お願いしようかしら」
え、ちょっと待って、イムさんは行かないで...イムさんが行っちゃうと...チラ....イムのお父さんにメッチャ睨まれてます。
滅茶苦茶怖いです....イムのお父さんはそれこそヤクザの様な顔だ、そんな顔で睨まれたら、怖いですって!....お母さんの方はオットリした普通の女性って感じだったのに....。
「ところで、ヤシロ」
「はい.....」
「お前、種族は何だ?」
あ、そうか人化の魔法が張られてるからどんな種族でも人になるのか、どうする?正直に答えるべき?イムには人間って言っちゃってるから、今更嘘付いても遅いよなぁ~。
「人間です」
「人間?何だそりゃ、聞いた事ない種族だな、どんな姿なんだ?」
「姿ですか?姿は今のままの姿です、この姿は人化の影響ではなく、これが俺の本来の姿なんです」
「は?今のお前の姿が本来のお前の姿だと....いや、そんな...馬鹿な...」
「どうかしましたか?」
「いや...な、昔の話を少し思い出してな、話すか?」
「お願いします」
場を繋ぐために!
「その昔...もう1000年も前の話。とある種族が神に戦いを挑み.....滅んだ。そして、神はその滅ぼした種族の姿を真似て人化の魔石を作ったと言われている。」
「え....それって」
「そうだ、たぶんこの話に出てくる滅んだと言われる種族がお前の言っている人間かも知れん.....」
え?場を繋ぐために聞いてみたけど、すごい話だった....てか、何でこの世界の人間神様に喧嘩売っちゃってんの!?
「ヤシロ....お前は何なんだ?」
「何なんだと...言われましても...」
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「ご飯出来たわよー」
「おう、わかった今行く、ヤシロ今の話は忘れてくれ」
「はい....わかりました」
「それと」
「?」
「娘はやらん!!!」
「いえ、貰いますよニコッ」
「な!おまええええええぇぇぇ!」
ちょちょ、胸倉掴まないでえぇぇぇ、く、苦しい。
「2人とも何してるの~早く着てよー冷めちゃうわー」
「チッ...この話はまた今度ゆっくりとな」
「は、はい、ゲホゲホ」
娘の事になるとどこの父も怖いな....。
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