第二章 4
地味な回
エミリに教えて貰った場所に着くとスキル関係の本が大量にあった。どうやら本の種類で棚が分かれて居るらしい。なら俺が最初に居た場所はゲイ専門の棚かな?......そんな棚壊してしまえば皆幸せになれるのに。
スキル関係の棚を物色していると、一つの本が目に留まった。その本のタイトルは『異界の勇者』と言うタイトルだ。『異界の勇者』名前のまんまなら、異世界から来た人が勇者になって魔王を倒すとかそんな感じの本かな....少し気になるから読んでみよう。
----『異界の勇者』----
ある少年がこの世に舞い降りた。
漆黒の髪と漆黒の目を持つ少年。
少年を一番最初に目撃した老夫婦は。
その少年を見た瞬間。
『悪魔』だと思った。
その理由は。
少年は空から降ってきた。
地面に当たる直前に漆黒のオーラが少年を守った。
そしてその漆黒のオーラはやがて人の形になり。
老夫婦を見つけると-----土下座した。
老夫婦が呆気にとられていると人型の漆黒のオーラは。
言葉を発した。
『少年を守ってくれ。
空から落下してる途中で気を失ってしまった。
このままではモンスターに襲われてしまう。』
人型の漆黒のオーラは土下座を続けた。
その姿に心を打たれた老夫婦は
少年を自分達の家まで運び快方する事にした。
老夫婦のお陰か少年の力は判らぬが。
少年は半日で目を覚ました。
少年が目を覚ますと同時に。
漆黒のオーラは消えて少年の中へと消えて行った。
それからその少年は-------------
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あら?ここで終わり?何か最後の方、ページ破かれてるし....ひどいなこれ。めっちゃこの後気になるんだけど...てか、漆黒のオーラって..ププ。勇者ってより、これは魔王の方があってるんじゃ----------
----固有スキル『悪魔の気迫』を取得しました----
...........はい?ちょっとまって。脳内さん。何勝手に取得してるんですか、いつも見たいに何で聞いてくれないの?
----本を鑑定してください----
ん?鑑定?何で?.....まぁいいか。とりあえず、鑑定すればいいのね?なら...鑑定!!
タイトル名『異界の勇者』。少年を思った。悪魔の悲しみが詰った本。異界の者がこの本を読むと強制的に固有スキル『悪魔の気迫』を取得する。※魂の抜け殻
呪い....なのかな?悪魔の悲しみって....何か怖い...俺このスキル持ってて大丈夫なのかな。後最後の『※魂の抜け殻』って何だろ...気になるんですけど........。とりあえず、後でこのスキル使ってみようかな.....。
さてと、気を取り直してスキル本探索しよーーーーーん?何であの本光ってるんだ....?気になる...でも、遂今しがた呪い染みたスキル手に入れちゃったし...でも、気になる!気になったら読むしかない!男は度胸じゃ!俺は薄く光っている本を取り出した。
えっと何々?今度は......『異界の魔王』.....こりゃ、また.....とりあえず、読んでみるか。
----『異界の魔王』----
少女は舞い降りた。
背中に純白の羽を携え。
帝都イゥリアムの大教会へと。
その姿を最初に見た大司教は。
その少女を見た瞬間。
『天使』だと思った。
その理由は。
突然大教会内に神々しい光が差した。
その瞬間。
少女はその光の中から現れた。
自身もその神々しい光を発しながら純白の羽を携え。
舞い降りた。
少女が大教会内へと降り立つと神々しい光は。
人の形へと変わり少女の後ろに立った。
そしてその神々しい光は言葉を発した。
『人間達よ。お前達は------------
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.........また、途中で終わりかよ!!!何なんだよ!これもまた破けちゃってるよ!本の管理ぐらいしっかりしろっての!まぁ...それはいいとして....人間達って言葉が出ましたね...これは...つまり?わからん。とりあえず、わからんから戻しとこ。
----取得条件を満たしていない為。固有スキル『天使の気迫』を取得出来ませんでした----
わぉ....また勝手に取得するタイプの本だったのか.....まぁ今回は取得条件を満たしてなかった見たいだから取得せずに済んだけど....一応この本も鑑定してみよっと。
タイトル名『異界の魔王』。世界への怨みを持った天使の本。異界の者がこの本を読み。尚且つ。固有スキル『悪魔の心臓』を持っていた場合のみ。固有スキル『天使の気迫』を取得する。
なるほど.....『悪魔の心臓』って言うスキルを持ってたら強制的にこの固有スキルを取得させられてたのか....でも、正直『天使の気迫』って言うの欲しいんだけど。名前かっこいいんだけど......。
まぁ....後で色々考えるとして。この後、迷宮行きたいし、もっと役に立つスキルさがそーっと........
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はい!そしてこうなりました!!
名前:神木 社
種族:人間(1)
レベル:55
HP 1822500/1822500
MP 4374000/4374000
ATK 546750
DEF 729000
INT 2004750
AGL 1458000
LUK 999
スキル:『アイテムボックス』『一時帰還』『超鑑定』『超隠蔽』『打撃耐性』『武器生成』『装備生成』『付与』『人化』『威圧』『豪腕』『統率』『肉体硬化』『火魔法』『風魔法』『水魔法』『雷魔法』『土魔法』『氷魔法』『使役』『毒耐性』『麻痺耐性』『火炎耐性』『全属性耐性』『毒霧』『槍術』『体術』『剣術』『弓術』『自己治癒』『ヒール』『ハイヒール』
固有スキル:『全知全能DX』『錬金術』『鋼の肉体』『複合魔法』『悪魔の気迫』
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っと....こうなりました。そう言えばあのデカブツオーク倒してからステータスチェックしてなかった....何か凄い事になってる。世界征服できちゃいそう.....。ちなみに『闇魔法』は探しても全然見つからなかったので諦めました!!!
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スキルも一杯ゲットしたし!!これから武器やに行って色々武器を揃えるぞぉー!!!っと、言いたい所ですが....どっかの誰かさんが申請忘れてたので......何も買えません!とりあえず食料とかはちゃんと準備しときたいので....一時帰還を使って日本に帰って食料を揃えようと思う!
書庫の隅の方に移動して.....一時帰還発動!!!
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「ふぅ、久々の地球の空気だー!さてと食料調達に.....は、行かないでまず先立つ物が必要ですな。この前のアレやろうかな?」
と、言う訳で再び大道芸をする為、宣伝をしてまわった。
「10分後、三品川の川原で大道芸しまーす!よかったらきてくださーい!」
こんな感じで10分間宣伝しまわった。宣伝を終えて。
そして今俺は川原に居る....そして...何とその川原には80人程の人が集まっていた。その人数にビビリながら、俺は川辺に立ち。お客さん達は草原の斜面に座ってもらった。勿論俺がスーパーで貰ってきたダンボールを敷いて貰っている。
「え....えーと。正直こんなに集まるとは思っても見なかったので少し緊張してます......っが!がんばりますよぉぉおおお!」
「がんばれ~~」
「しっかりやれよーーーー」
「おー!この前のも凄かったから、今回のも期待してるぞ!!」
!?....あ、あの人はこの前1000円入れてくれた人じゃないか!!また来てくれたのか、嬉しいわ~~。
「この前はありがとうございました!また来て貰えて嬉しいです!!!それでは話もこの辺で.....」
俺は笑顔を辞めて--------
「異世界の奇術師ロシャの世紀の大魔術!面白いと思ったらどうかお客様方の前に置かれている箱にコレを入れてくださいね?これ。決まり文句なんです」
少しだけ笑いが起こる------
「それでは。行きます......。まずは世にも奇妙な火の精霊をお見せしましょう..........」
「火の精霊?何だそりゃ」
「どうせ、火を吹いたり。機械を使って手のひらに火を出したりだろ?くだらねー」
お客達は口々に何か言っているが、そんな事は一切気にせず、演出の為に詠唱を始める。
「我の願いを聞き。現世に現れよ火の精霊達。我の力を糧にして。今ここに姿を現せ!!!」
詠唱を終えると、俺の周りに10個の火の玉が現れ、その火の玉は人型へと姿を変え。やがて真っ赤に燃え盛る20cm程の擬似精霊が出来上がった。俺はその擬似精霊達を操作して、お客さん達の周りを飛ばしたり、目の前で左右に動かしたりと10体の擬似精霊にそれぞれ別々の動きをさせた。
「わぁ....綺麗....」
「何これ......」
「え?本物?」
「少し熱いわね.....これ、まるで本物の火のようだわ...」
一人のお客さんが火の精霊に手を伸ばした。
「あっつ!」
「大丈夫ですか!?」
「これ本物の火じゃないか!火傷しちまったじゃねぇか!」
「申し訳ございません。最初に言っておけばよかったです。皆様!火の精霊は本物の火です!決して触らないでください!!!」
お客達は火の精霊から距離を取り出し怖がり始めた。ちょっとやりすぎたかな?ここら辺で別の事をするか......
「焼けどしてしまった。お客様.....」
「ん....だよ」
俺は火の精霊に触って火傷をしてしまった人の側へ行って、その火傷した場所へ手を置いた。
「何してんだよ.......」
「動かないでくださいね......ヒール」
火傷した場所が淡い光に包まれた。そして先ほどまで黒ずんで居た場所は元の肌色へと戻っていった。
「どうですか?まだ痛みますか?」
「....たくねぇ.....!痛くねぇ!どうなってんだこれ!?」
「「「「おぉぉぉぉぉ」」」」
「皆さんお騒がせいたしました.....続いては皆様にも楽しんで貰える精霊を一つ..........ですが、その前に」
軽く1回指を弾いて火の精霊達を消す。
「危ない精霊は辞めて、安全安心の精霊を呼びましょう........我の願いを聞き。現世に現れよ水の精霊達。我の力を糧にして。今ここに姿を現せ!」
詠唱を終えると、後ろの川の水がブクブクと音を立て始め、やがて8個の水の玉が浮いた。そして火の精霊の時と同様に人の形になり。20cm程の水の精霊が出来上がった。
「こちらが水の精霊達です!水の精霊達はとても安全です。皆様触って見て下さい」
一人また一人と恐る恐る水の精霊に手を伸ばす。
「......冷たい」
「あ、この子可愛い...私が手を出したらスリスリしてきた....」
「お、おい見てみろよ。こいつなんて俺の手の平に座ってやがるぜ.....」
火の精霊とは違った。和やかムードになってきたね!よかったよかった!
「ふふ、どうですか?水の精霊達は可愛いでしょ?」
広い川原に拍手が沸き起こる。
「他の精霊はいないの!?」
「もっと凄いのみたい!!!奇術師ロシャ様!」
「ロシャ様!?や、やめてください!恥ずかしいじゃないですか!!」
「ロシャ様!もっと凄いの見せて!」
「ロシャ様!」
「わ、わかりましたから。やめてください!!呼び捨ててでロシャとお呼びください!!それでは行きますよ!ご希望のもっと凄い奴です。水の精霊達よ。汝達の主を呼びたまえ!」
水の精霊達はお客さん達から離れさせ、川の真ん中当たりに移動させる。そして1体1体の手を繋がせて、時計回りにクルクル回転させる。しばらくすると円形に手を結んでいる精霊達の中心が波打ちだし。派手に波飛沫を上げると-------
「りゅ....龍....」
「水で出来た......ドラ...ゴン?」
「え、なにこれ」
川辺で水が大量にあったので。水で出来た龍を作った。大きさにして約2mちょい、川から首を出している形だ。俺はその龍を操作して、俺の直ぐ後ろまで移動させて、飛び乗った。そして龍の頭の上に乗って手をバっと広げる。
「「「「「「「「「「「うぉおおおおおお!すげぇえええええええええ!」」」」」」」」」
「「「「「「ロシャ!ロシャ!ロシャ!」」」」」」」」
拍手喝采やその他モロモロが起きる。俺はドヤ顔になりそうなのを必死に抑え。
「本日はありがとうございました!!!これにて異世界の奇術師ロシャの世紀の大魔術を終わらせて頂きます!!!」
「えーーー!もっと見たい!」
「もう終わりなの!?」
「まだ見たい!!!」
「また、次回!いつかはわかりませんが、この周辺でやると思います!その時もまた宣伝しますので。よろしければお願いします!!!ありがとうございました!!!それでは.....」
水の龍から飛び降り、指を1回弾き。水の精霊と龍を霧状にして消して-----お客さん達の前に置いてあった箱を抱え上げ。営業スマイルを作り。
「お願いしますっ!」
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俺が胸に抱えている箱に次から次へとお金が入れられて行く。この前1000円入れてくれた人なんて今回は5000円も入れてくれた。そして握手をして欲しいとせがまれたので快く握手をした。お客さんは大事にしないとね。
そしてお客さんが全員帰ったのを見送り、本日の売り上げを確認した-----
『合計:5万2000円』になった。大体一人500円~800円ぐらい入れてくれた。
これで何でも買えるぜ.....!
えーっと、残りタイムはっと....ゲッ!後8分しかないじゃん!8分で買い物できる場所って.....あそこしかないよな。
嫌だったけど近くには....例のコンビニしかなかった。なので諦めてそこに行った。
「しゃ~~~せ~~~」
ゲッ....またこいつかよ。俺の嫌いな店員じゃん....はぁ気が重くなる。まぁいいや。時間もないし、とりあえずでカップラーメンとかを買い物カゴにぶち込んでレジへ向かった。かなりの量をレジへ持っていくと店員が少し嫌な顔をしたけど、気にしない。
「~~~が1点~~が1点~~以下省略-----合計で8700円になります~~お箸はお付けしますか~~?」
「あ、はい。お願いします」
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「あざっした~~~~」
コンビニを出て、周りに誰もいない路地を探して。そこで買った物を全部アイテムボックスへと投げ込んだ。さてと、残り時間はどの位かな?
残り時間/2分
後2分か~~2分で出来る事なんてないしなぁとりあえず時間が来るまでブラブラしますかね~~~ずっと路地で棒立ちしててもつまらないし。
移動しよっと-----俺が路地から出ると、突然右側に人が現れぶつかってしまった、ぶつかった相手は年配の女性で尻餅をついてしまっていた。ちゃんと左右確認しなかった俺が悪い...間違いなく。これは謝らなければ.....。
「イタタタタ.......」
「す、すいません!」
「アンタ!行き成り路地から出てきたりしたらあぶな------」
「はい!申し訳ございま------」
「社......?」
「母さん.....?」
こんな偶然もあるのかと驚いて仕舞うほどの出来事。それになぜ俺が社だとわかったのだろうか......少し面影はあるかも知れないが顔は変わってしまっているはずなのに....これが母親と言う者なのだろうか。
「母さんって...やっぱ社なの!?で、でも、社は交通事故で......うっうう」
「...........」
「ねぇ。ホントに社なの?ねぇ......」
俺は未だに尻餅をついていた母さんに無言で手を差し伸べた。
母はその手と俺の顔を交互に見て。俺の手を掴んだ。
そして俺は母さんをグイっと引っ張り立たせてあげた。そして母さんにあったら言いたかった事を言った。
「母さんありがとう。そしてごめんね」
「っ!!!社!やっぱり社なの-----------ね?........?あれ.....社...?どこ行っちゃったの....社...............私...疲れてたのね。社が生きてるわけ...ないわよね。ちゃんと病院で確認もしたんだし....う、うぅ社ぉぉぉうわーーーーん」
脳内にアラームが響き渡る。どうやら時間切れらしい......。まさか母さんに会うとは思っても見なかった.....母さんやつれてたなぁ.....ちゃんと栄養のある物食べてるのかな....。
ステータスの計算あってるかわかりません!突っ込まないで!