プロローグ ~せかいのはじまり~
よかったら元作者のところにも言ってあげてください!
何の変哲もない、どこにでもいるような男性の私は、パソコンを前にネットサーフィンを楽しんでいた。ネットでは大小様々の過激n・・・魅力的なコンテンツがあり、今までは本を読んで退屈をしのんでいた私の新しい暇つぶしとなっていた。まあ、暇つぶしには何の変りもないのだけれど・・・
すると突然、一通の電子メールが舞い込んできた。その内容はなんと友人が女体化してしまったという内容だった、、、翌日、友人が自宅に来た。私が本当かどうかを確認するために呼んだのだ
そしてそれは本当だった、、、性転換したのだ。それも外見を変化させるなんてものじゃない・・・
まさに変身そのものだ。私は家に入るよう促すので精一杯だった。
友人の変化は異常なものだった。口調もしぐさも全く変わってしまっている。
電子メールの時は、文に彼の面影もあった。しかし今は、女の子そのものだ。
ふと私に、こんな疑問が浮かんできた。彼女は本当に『かつての』友人なのだろうか。
友人の心は完全に変化してしまうのかもしれない。まるで理性を失っていくゾンビのように・・・「うっ・・・うっ・・・うっ・・・」しばらく泣いた後、友人は落ち着いた。
私はフランクのそばに近づいた。「大丈夫か?」すると、次の瞬間、彼女は私にしがみついてきた。
「おとうさん、おとうさん、助けて・・・うう・・・うあぁぁーん!」
「落ち着いて。僕はお父さんじゃない。悪い人はいないよ。さあ泣き止んで。」
「ちがう・・・あたしはアリス・・・おとうさん・・・・おとうさん・・・」
すると彼女は足を思い切り抱きしめてきた。つぶれてしまうような痛みが足を襲う。
「くっ・・・」私はテーブルの上のコーヒーカップを思い切り彼女にぶつけた。
「うっ!」彼女はよろけた。その隙を見て足から彼女をつき離し、私は家の外へ飛び出した。
彼女は・・・友人じゃなくなった。友人は・・・友人は女の子になった。
私は全速力で走った。出せるだけの力は出して走った。
一体何が起きているのか?友人はなぜ、あんなことに?
私は…この世界は…どうかしてしまっているのか?その時私は知る由もなかった。
これが私の世界を蝕んでいく・・・『プリティーハザード』の始まりだったことに,,,
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駅に着いた。走ってきたから、息切れしている。私は、次の電車を今や遅しと待っていた。
駅のホームは不思議なほど安全だった。私は、都市とは逆方向の電車に乗った。
しかし、平和だった電車の中にも変化が現れた。「な、何!?」「どうしたのっ」「ねえ、遊ぼうよー」電車の乗客の中にも、変身し始める者が現れてきた。変化する感覚が私にも襲い掛かる。
力が抜けていく中で、しっかりとネイルハンマーを握りしめ、変身した幼女の一体に近づいた。
しかし、どういう訳か、力が入らない。私はもう一度ネイルハンマーを握りしめようとしたが、力が抜けていく感覚は収まらず、ネイルハンマーを落としてしまった。
その音に反応してか、怪物がこちらに振り向いた。しかし、幼女はしばらくこちらを向いた後、そっぽを向いてしまった。 なぜだ?私はますます訳が分からなくなった。
力が抜けていく感覚。襲い掛かるはずの化け物の見逃し。
私は一体―― すると私に、変な記憶が入り込んできた。色彩豊かな服、美しい肉体、想像したこともないような素晴らしい世界。だが、それは、私の物ではなかった。
「うっ、あああああ」私は、変化していく。世界中で起きている変化に巻き込まれて。価値観が一つに統合される。
思えば昔から、性欲に振り回される人たちを見ては、愚かだと感じてきた。だが、その愚かな価値観に私は染め上げられようとしている。
「わたしのしゅういには、おともだちがたくさん」気が付けば声が少し高くなっている。周りの物が大きくなっている気がする。
これからの世界では、戦争もない。競争も、不幸も、死もない。かわいいもので埋め尽くされた、人が望んだ世界。
だけど、まだかすかに残っている『私』は、何かが違うと訴えている。だけど、それももう遅い。もう、世界の価値観は一つになろうとしている。
「ねえねえあそぼうよ」おともだちがわたしにはなしかけてくる。もう、くつうはない。せかいにしあわせがやってくる。「いいよ」わたしは こたえた。
―――さて、なにしてあそぼうかな―――